管理職への昇進を打診されると、残業代がなくなって年収が下がるのではないかと気になります。ボーナスが増えれば逆転できるのかどうかも、引き受けるかを考える材料になります。
ここでは、東京労働局の資料で、管理職の残業代が出なくなるのはどんな場合かを確かめます。そのうえで、国の賃金の統計から、残業代を含む月給と残業代のない月給を置きます。
40代前半の正社員の平均で、残業代込みの月給と残業代なしの月給の年間の手取りを比べ、ボーナスがいくら増えれば手取りが逆転するかを試算します。管理職にも出る深夜の割増賃金の額も示します。
※月給とボーナスは、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」の正社員・正職員(男女計、企業規模10人以上)の40〜44歳の値をもとにしています。
1. 管理職になると残業代は出ない?出ないのは労働基準法41条の管理監督者に当たる場合で、肩書きだけでは決まらない
東京労働局「しっかりマスター 労働基準法 管理監督者編」によると、労働基準法の労働時間・休憩・休日の規定は、「監督若しくは管理の地位にある者(管理監督者)」には適用されません。管理監督者には、残業代(時間外手当)や休日出勤手当を支払う必要がないということです。
ただし、管理監督者に当たるかどうかは役職名ではなく、次の点を踏まえて実態で判断されます。社内で管理職とされていても、当てはまらない人には残業代や休日出勤手当が必要です。
- 【職務内容、責任と権限】経営者と一体的な立場で仕事をしている
- 【勤務態様】出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない
- 【待遇】その地位にふさわしい待遇がなされている
以下の試算は、管理職になって管理監督者として扱われ、残業代がなくなる場合を前提にしています。