12月15日は、10月分と11月分の年金が振り込まれる日です。年の瀬が近づくと、毎月の年金でこれからの暮らしをまかなえるのか、ほかの人はどのくらい受け取っているのかが気になる方もいるのではないでしょうか。

厚生労働省年金局がまとめた令和6年度の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」では、厚生年金保険(第1号)の老齢年金の受給権者の平均年金月額は、基礎年金を含めて15万289円です(公務員などの共済組合等から支給される分は含みません)。

平均の少し上である月20万円、1年にすると240万円以上を受け取る人は、受給権者の18.8%でした。本記事では、公的年金のしくみと平均年金月額を確かめたうえで、年間240万円以上を受け取る人の割合を見ていきます。

記事の後半では、年金を受け取る人の確定申告が不要になる条件や、年明けに向けて確かめたいことも紹介します。

1. 【年金支給は2カ月に1度】公的年金制度は「国民年金・厚生年金」の2階建て

年金の金額を見る前に、公的年金のしくみと、年金が振り込まれるタイミングを確かめておきましょう。

1.1 公的年金は「国民年金・厚生年金」の2階建て

日本年金機構によると、日本の公的年金は、1階の国民年金(基礎年金)と、2階の厚生年金保険からなる2階建ての形です。20歳から60歳になるまでは、だれもが国民年金に入ります。会社員や公務員などは、それに加えて厚生年金保険にも入る形です。

  • 1階:国民年金(基礎年金)…原則20歳以上60歳未満のすべての人が加入
  • 2階:厚生年金保険…会社員や公務員などが、国民年金に上乗せして加入

国民年金の加入者は、自営業者や学生などの第1号被保険者、会社員や公務員などの第2号被保険者、第2号被保険者に扶養されている、国内に住む配偶者の第3号被保険者に分かれます。

厚生労働省によると、2026年度の国民年金の保険料は月1万7920円です。昭和31年4月2日以後生まれの人が国民年金を満額で受け取る場合、2026年度は1人あたり月7万608円です。昭和31年4月1日までに生まれた人の満額は、月7万408円です。

国民年金の保険料は年度ごとに金額が決まるため、家族にまだ保険料を納めている人がいる場合は、今年度の金額を確かめておくとよいでしょう。

1.2 年金は偶数月の15日に、前月までの2カ月分が支給される

日本年金機構によると、年金は原則として1年に6回、偶数月の15日に振り込まれます。15日が土日や祝日にあたるときは、その直前の平日が支払日です。

1回の振込で受け取るのは、原則として支払月の前月までの2カ月分です。たとえば12月の振込は10月分と11月分、次の2月の振込は12月分と1月分になります。

年金は毎月ではなく2カ月に1度の振込なので、受け取りはじめると、お金の流れに戸惑う方もいるかもしれません。年末は出費も重なり、手元の残高が気になる時期でしょう。

公的年金は国民年金と厚生年金の2階建てで、年金は原則として偶数月の15日に前月までの2カ月分が振り込まれます。12月15日の振込は、10月分と11月分です。

しくみを知っておくと、振込の金額の見え方も変わってくるでしょう。1回の振込を2カ月で使うつもりで予算を立てておくと、年明けの家計も落ち着いて迎えやすくなります。

2. 【厚生年金と国民年金の平均】厚生年金は月15万289円、国民年金は月5万9310円

同じ概況から、厚生年金と国民年金の平均年金月額を男女別に見ていきます。いずれも令和6年度末の老齢年金の受給権者の数字です。

2.1 厚生年金(第1号)の平均年金月額(基礎年金を含む)

  • 男女計:15万289円
  • 男性:16万9967円
  • 女性:11万1413円

2.2 国民年金の平均年金月額

  • 男女計:5万9310円
  • 男性:6万1595円
  • 女性:5万7582円

国民年金の受給権者には、厚生年金を上乗せで受け取っている人も含まれます。

国民年金の満額は月7万608円(昭和31年4月2日以後生まれ)で、1年にすると84万7296円です。国民年金だけで、年間240万円を受け取ることはできません。自営業などで国民年金の期間が長かった人は、貯蓄や仕事の収入とあわせて家計を考えることになるかもしれません。

厚生年金・国民年金の平均年金月額(男女別・令和6年度末)1/2

厚生年金・国民年金の平均年金月額(男女別・令和6年度末)

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」、厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

厚生年金は、加入していた期間や給与などによって年金額が変わる2階部分です。月20万円以上を受け取る人がいる一方で、国民年金の平均に近い金額の人もいるのは、この2階部分の違いによるところが大きいと考えられます。

男女で平均の金額が違うのは、現役時代の働き方や厚生年金に加入していた期間、収入など、さまざまな理由が考えられるでしょう。平均を目安にしながらも、わが家の年金はねんきん定期便などで確かめておきたいところです。

ねんきん定期便では、年金の加入期間や、年金額の目安(50歳未満はこれまでの加入実績に応じた金額、50歳以上は見込額)を確かめられます。

平均年金月額は、たくさんの人の年金をならした金額です。平均より多いか少ないかより、わが家の毎月の支出をまかなえるかどうかという見方で考えるほうが、暮らしの見通しは立てやすいでしょう。

平均の金額にとらわれすぎず、わが家の場合はいくらになるのかを、夫婦それぞれの書類で確かめておくと、老後の家計の見通しを立てやすくなるでしょう。