2. 例)生活援助を月8回使う場合の地域別の自己負担

地域の違いで自己負担がどれだけ変わるかを、訪問介護で計算してみます。掃除や洗濯などの生活援助(45分以上・220単位)を月8回使い、加算はないものとします。

例)生活援助を月8回使う場合、1割負担は東京23区で2007円、その他の地域は1760円2/2

訪問介護の生活援助(45分以上・220単位)を月8回、計1760単位使った場合の地域別の試算表。1級地(東京23区・11.40円)は費用2万64円で1割負担2007円、2級地(大阪市など・11.12円)は1万9571円で1958円、5級地(堺市など・10.70円)は1万8832円で1884円、その他の地域(10円)は1万7600円で1760円

出所:厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会(第262回)資料3 地域区分」、厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会(第271回)資料1 訪問介護」をもとにLIMO編集部作成

  • 1級地(東京23区・11.40円):費用2万64円、1割負担2007円
  • 2級地(大阪市など・11.12円):費用1万9571円、1割負担1958円
  • 5級地(堺市など・10.70円):費用1万8832円、1割負担1884円
  • その他の地域(10円):費用1万7600円、1割負担1760円

東京23区とその他の地域では、1割負担の差は月247円、1年で2964円です。2割負担なら月の差は493円、3割負担なら740円に広がります。

介護保険のサービスの費用は単位数に1単位の単価をかけて決まり、単価は地域とサービスによって10円から11.40円まで分かれます。生活援助を月8回使う1割負担の人なら、東京23区は2007円、その他の地域は1760円です。

自分の地域の単価で計算した額は、サービスを受けている事業所の重要事項説明書の料金表や、毎月の請求書で確かめられます。

ここからは、2027年度の介護報酬改定に向けて示された地域区分の論点と、隣の市と単価が違うときの特例を見ていきます。

3. 2027年度の介護報酬改定で地域区分は見直しの論点に

2026年8月5日の社会保障審議会介護給付費分科会に、厚生労働省は地域区分についての資料を示しました。もとにしている公務員の地域手当が変わったことが、見直しの理由です。

3.1 国家公務員の地域手当は都道府県単位・5区分に

2024年の人事院勧告では、国家公務員の地域手当について、区分を決める単位を市町村から都道府県を基本とする形に広げ、級地の段階を7区分から5区分にする見直しが示されました。2025年度から、支給割合の引き上げや引き下げが段階的に行われています。

地方公務員の地域手当も同じように見直され、各市町村が地域手当を設定することになります。資料では、これを踏まえて「令和9年度介護報酬改定における対応についてどのように考えるか」を論点に挙げています。

3.2 いまの経過措置は2026年度末まで

地域区分を見直すと、上がる自治体もあれば下がる自治体もあります。そのため、市町村の意向を確かめたうえで、見直し前後の割合の範囲で選べる経過措置が設けられ、2026年度末まで延長されています。

政府の「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2025年改訂版」でも、介護などの地域区分について、隣の市町村との級地の差による人材確保への影響も踏まえ、次の報酬改定までに必要な見直しを行うとしています。どの市区町村の単価がどう変わるかは、これからの議論で決まります。