同じ訪問介護やデイサービスを同じ回数だけ使っても、住んでいる地域によって自己負担の額は少しずつ違います。介護保険のサービスの値段が、地域ごとに決められた「1単位の単価」で円に直されるためです。

厚生労働省の資料によると、1単位の単価は10円から11.40円までの幅があります。2026年8月5日の社会保障審議会介護給付費分科会では、2027年度の介護報酬改定に向けて、この地域区分の見直しが論点として示されました。

この記事では、介護保険の地域区分のしくみと、地域によって自己負担がいくら違うかを試算してみます。

1. 【介護保険】サービスの費用は「1単位の単価」が地域で違う

介護保険のサービスの費用は、サービスごとに決められた単位数に、1単位の単価をかけて計算します。その額の1割から3割が利用者の負担です。

1.1 1単位は10円から11.40円まで

介護サービスを提供する人の賃金は、地域によって差があります。この差を介護報酬に反映するため、サービスごと・地域ごとに1単位の単価が決められているのです。

地域は1級地から7級地と「その他」の8つの区分に分かれ、10円に上乗せする割合は1級地の20%から、その他の0%までです。その他の地域では、1単位は10円になります。

1.2 人件費の割合でサービスを3つに分ける

上乗せの割合をそのまま単価にかけるのではなく、サービスの費用に占める人件費の割合(70%・55%・45%)に応じて単価が決まります。人件費の割合が高い訪問介護などは、上乗せの影響を大きく受ける仕組みです。

介護保険の1単位の単価は、1級地の訪問介護などで11.40円、その他の地域は10円1/2

介護報酬の地域区分ごとの1単位の単価を、人件費割合70%・55%・45%のサービス別に並べた一覧表。1級地(上乗せ20%)は11.40円・11.10円・10.90円、2級地(16%)は11.12円・10.88円・10.72円、3級地(15%)は11.05円・10.83円・10.68円、4級地(12%)は10.84円・10.66円・10.54円、5級地(10%)は10.70円・10.55円・10.45円、6級地(6%)は10.42円・10.33円・10.27円、7級地(3%)は10.21円・10.17円・10.14円、その他(0%)はすべて10円

出所:厚生労働省「社会保障審議会介護給付費分科会(第262回)資料3 地域区分」をもとにLIMO編集部作成

  • 1級地(上乗せ20%):11.40円・11.10円・10.90円
  • 2級地(上乗せ16%):11.12円・10.88円・10.72円
  • 3級地(上乗せ15%):11.05円・10.83円・10.68円
  • 4級地(上乗せ12%):10.84円・10.66円・10.54円
  • 5級地(上乗せ10%):10.70円・10.55円・10.45円
  • 6級地(上乗せ6%):10.42円・10.33円・10.27円
  • 7級地(上乗せ3%):10.21円・10.17円・10.14円
  • その他(上乗せ0%):10円・10円・10円

単価は、人件費割合70%・55%・45%の順に並べています。70%には訪問介護や訪問看護、居宅介護支援、55%には通所リハビリテーションや短期入所生活介護、45%には通所介護(デイサービス)や特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などが入ります。

1.3 級地は公務員の地域手当に合わせて決める

どの市区町村がどの級地になるかは、原則として公務員の地域手当の区分に合わせて決められています。2024年度から2026年度までは、東京都の特別区(23区)が1級地で、全国1741の自治体のうち1292が上乗せのない「その他」です。

たとえば大阪府の案内では、大阪市は2級地(16%)、豊中市と吹田市は4級地(12%)、堺市は5級地(10%)とされています。同じ府の中でも、市によって単価が違うことになります。