3. 【国民健康保険】加入者の半数超は60〜74歳。70〜74歳の約7割は無職
厚生年金を受け取る年齢が近づくと、会社を辞めたあとの医療保険も考えておく必要があります。2026年10月27日にe-Statで公表された厚生労働省「国民健康保険実態調査」の追加表から、国民健康保険に入っている60〜74歳の人の働き方を確認します。
3.1 会社を辞めたあとの医療保険は3つから選ぶ
会社の健康保険に入っていた人は、退職するとその資格を失います。協会けんぽは、退職後の健康保険として「任意継続」「国民健康保険」「家族の健康保険(被扶養者)」の3つを案内しています。
- 任意継続:退職日の翌日から20日以内に手続きし、加入できるのは2年間。保険料は勤め先が負担していた分も自分で払うため、退職時の健康保険料のおよそ2倍になる(上限あり)
- 国民健康保険:ほかの医療保険に入っていない人が加入する。加入したときは14日以内に市区町村の窓口へ届け出る
- 家族の健康保険:家族が入っている健康保険の扶養の条件を満たせば、被扶養者として保険料の負担なく加入できる
なお、原則75歳になると後期高齢者医療制度に移るため、国民健康保険に入っているのは74歳までです。
3.2 60〜74歳の被保険者の働き方
2024年度の調査(2024年9月末時点)では、国民健康保険の被保険者は2273万2150人でした。このうち60〜74歳は1186万4500人で、全体の52.2%を占めています。
職業別に見ると、被保険者全体の53.6%が無職でした。とくに年齢の高い層で無職の人の割合が高くなっています。
- 60〜64歳:無職40.0%、被用者38.3%
- 65〜69歳:無職56.9%、被用者29.5%
- 70〜74歳:無職69.2%、被用者19.3%
※職業が不詳の被保険者を除いた割合です。
ここでの「被用者」は、勤め先に雇われて働きながら、勤め先の健康保険には入っていない人です。年齢が上がるほど無職の人の割合が高くなり、70〜74歳では約7割に達しています。
筆者が元公務員として国民健康保険を担当していた頃も、定年で会社を辞めた人から「健康保険はどれを選べばよいのか」という相談をよく受けてきました。国民健康保険料は前年の所得をもとに計算するため、退職した翌年度は在職中の給与が反映されて、思ったより高めに出ることもありました。
4. まとめにかえて
男性の厚生年金は平均が16万9967円で、受給者の真ん中は月17万円台、最も多いのは18万円台でした。月15万円以上が7割近くを占める一方で、月10万円未満の人も1割近くいます。
年金暮らしに入ると、医療保険も切り替わります。国民健康保険の加入者は半数超が60〜74歳で、70〜74歳では約7割が無職でした。
退職を控えている人は、まず年金の見込額をねんきん定期便やねんきんネットで確かめておきましょう。健康保険は協会けんぽや勤め先の健康保険組合、市区町村の国民健康保険の窓口で保険料を聞いて比べ、年金の受け取り方で迷うときは年金事務所に相談すると安心です。
参考資料
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「国民健康保険実態調査 令和6年度」
- 厚生労働省「国民健康保険の加入・脱退について」
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」
太田 彩子