12月15日は、今年最後の年金支給日です。「厚生年金は月にどのくらい受け取れているのか」。平均額はよく目にしますが、同じ男性のなかで自分がどのあたりにいるのかまでは、平均だけでは見えにくいものです。

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男性の厚生年金の平均年金月額は16万9967円でした。

この記事では、公的年金のしくみを確かめたうえで、男性の受給額を1万円刻みの人数で並べ、受給者の真ん中にあたる月額と最も人数の多い層をひもといていきます。

1. 【公的年金の基本】国民年金の上に厚生年金を重ねる2階建て

日本の公的年金は、すべての人の土台になる国民年金と、会社員や公務員が上乗せで加入する厚生年金の2つで組み立てられています。どちらに入っていたかによって、老後に受け取る年金の額は大きく変わります。

自営業者や会社員に扶養される配偶者は1階の国民年金だけ、会社員・公務員は2階の厚生年金にも入る1/3

国民年金を1階、厚生年金を2階とする公的年金の2階建ての図。第1号・第2号・第3号被保険者のうち、厚生年金に加入するのは第2号被保険者

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」、厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)

  • 加入する人:日本に住む20歳以上60歳未満のすべての人
  • 保険料:所得にかかわらず同じ額で、2026年度は月1万7920円
  • 受け取る年金:480カ月すべて納めると、65歳から満額の老齢基礎年金を受け取れる。2026年度の満額は月7万608円で、納めていない月があればその分だけ減る

※1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人の満額は、月7万408円です。

1.2 2階部分:厚生年金

  • 加入する人:会社や官公庁などの適用事業所に常時使用される70歳未満の人(会社員・公務員など)
  • 保険料:給与や賞与の額に保険料率をかけて決まり、給与から天引きされる(上限あり)
  • 受け取る年金:加入していた期間と、その間の給与・賞与の額で決まり、国民年金に上乗せして支給される

国民年金の保険料は全員同じですが、厚生年金は給与が高いほど保険料も年金額も大きくなる仕組みです。現役時代の働き方や給与の違いが、そのまま受給額の個人差となって表れます。

2. 【男性の厚生年金】受給額の分布と受給者の「真ん中」の月額

では、厚生年金を受け取っている男性は、実際にどのくらいの額を受け取っているのでしょうか。厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」で、2024年度末の男性の受給者の数字を確認します。

※ここでの年金月額には、1階部分の国民年金(老齢基礎年金)の額も含まれます。

2.1 男性の平均年金月額は16万9967円

厚生年金を受け取る権利のある男性は1067万9944人で、平均年金月額は16万9967円でした。男女を合わせた平均の15万289円と比べると、2万円ほど高い水準です。

男性の厚生年金は月18万円台の人がいちばん多く、受給者の真ん中は月17万円台2/3

男性の厚生年金の受給額を1万円刻みで並べた棒グラフ。最も多いのは18万円台の95万5327人で、受給者の真ん中は17万円台、月15万円以上は68.8%

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

2.2 1万円刻みで見た男性の受給者数

  • 1万円未満:3万446人
  • 1万円以上2万円未満:1万257人
  • 2万円以上3万円未満:5404人
  • 3万円以上4万円未満:5185人
  • 4万円以上5万円未満:1万4747人
  • 5万円以上6万円未満:3万9134人
  • 6万円以上7万円未満:13万4214人
  • 7万円以上8万円未満:23万186人
  • 8万円以上9万円未満:26万278人
  • 9万円以上10万円未満:26万99人
  • 10万円以上11万円未満:29万8838人
  • 11万円以上12万円未満:37万6357人
  • 12万円以上13万円未満:45万6689人
  • 13万円以上14万円未満:54万9337人
  • 14万円以上15万円未満:65万7775人
  • 15万円以上16万円未満:76万4713人
  • 16万円以上17万円未満:85万3718人
  • 17万円以上18万円未満:92万6462人
  • 18万円以上19万円未満:95万5327人
  • 19万円以上20万円未満:91万3998人
  • 20万円以上21万円未満:82万204人
  • 21万円以上22万円未満:68万2702人
  • 22万円以上23万円未満:50万9842人
  • 23万円以上24万円未満:34万1191人
  • 24万円以上25万円未満:22万4720人
  • 25万円以上26万円未満:14万7563人
  • 26万円以上27万円未満:9万2856人
  • 27万円以上28万円未満:5万4156人
  • 28万円以上29万円未満:2万9810人
  • 29万円以上30万円未満:1万4935人
  • 30万円以上:1万8801人

月15万円以上を受け取る男性は735万998人で、男性の受給者の68.8%にあたります。月20万円以上は293万6780人で27.5%、反対に月10万円未満は98万9950人で9.3%でした。

2.3 受給者の真ん中は月17万円台

人数が最も多いのは「18万円以上19万円未満」の95万5327人で、平均の16万9967円より上の層です。受給額の少ない人から順に並べると、ちょうど真ん中にあたる人は「17万円以上18万円未満」の階級に入ります。

月10万円に届かない人も一定数いるため、平均はその分だけ低めに出ています。男性の厚生年金では、平均の16万円台よりも、17万〜18万円台に受給者が厚く集まっているのです。

男性の厚生年金は平均が16万9967円、受給者の真ん中は月17万円台で、月15万円以上を受け取る人が7割近くを占めています。これから受け取る人は、自分の見込額がこの分布のどのあたりに入るかを、ねんきん定期便やねんきんネットで確かめられます。

ここからは、会社を辞めて年金暮らしに入ったあとに加入する人が多い国民健康保険について、10月27日に公表された調査の数字から年齢ごとの姿を見ていきます。