3. 【年金請求書】10月から12月に届く人と厚生年金の見込額の確かめ方

年金は、受け取る資格ができても自動では振り込まれません。日本年金機構は、受給開始年齢を迎える3カ月前に、加入記録などを印字した「年金請求書(事前送付用)」を本人あてに送っています。

3.1 10月から12月の送付予定

2026年度の年間予定表をもとに、10月から12月に送られる老齢年金請求書(事前送付用)の対象を整理しました。

老齢年金請求書(事前送付用)は、生年月日ごとに週1回ほどのペースで送られる4/4

老齢年金請求書(事前送付用)の2026年10月から12月の送付予定の一覧表。10月2日から12月11日まで9回に分けて、1962年1月2日から4月1日生まれの人と、1964年の同じ日付に生まれた女性に送られる

出所:日本年金機構「主な行事・通知書発送の年間予定表(令和8年度版)」をもとにLIMO編集部作成

  • 10月2日:1962年1月2日~1月9日生まれ、1964年1月2日~1月9日生まれの女性
  • 10月9日:1962年1月10日~1月20日生まれ、1964年1月10日~1月20日生まれの女性
  • 10月23日:1962年1月21日~2月1日生まれ、1964年1月21日~2月1日生まれの女性
  • 10月30日:1962年2月2日~2月9日生まれ、1964年2月2日~2月9日生まれの女性
  • 11月6日:1962年2月10日~2月20日生まれ、1964年2月10日~2月20日生まれの女性
  • 11月13日:1962年2月21日~3月1日生まれ、1964年2月21日~3月1日生まれの女性
  • 11月27日:1962年3月2日~3月9日生まれ、1964年3月2日~3月9日生まれの女性
  • 12月4日:1962年3月10日~3月20日生まれ、1964年3月10日~3月20日生まれの女性
  • 12月11日:1962年3月21日~4月1日生まれ、1964年3月21日~4月1日生まれの女性

予定表では、対象の生年月日が「男女」と「女性」に分けて書かれています。1962年(昭和37年)生まれは、2027年に65歳を迎える人たちです。

一方、1962年4月2日から1964年(昭和39年)4月1日までに生まれた女性は、老齢基礎年金を受け取るのに必要な10年の資格期間があり、厚生年金に1年以上加入していれば、63歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。

特別支給の老齢厚生年金で受け取れるのは原則として報酬比例部分だけで、国民年金(老齢基礎年金)の部分は含まれません。厚生年金に44年以上加入した人や障害の状態にある人などは定額部分が加わる特例がありますが、先ほどの分布は基礎年金を含んだ月額なので、63歳から受け取る額をそのまま「15万円」と比べないよう注意が必要です。

3.2 印字された加入記録を確かめる

年金請求書(事前送付用)には、基礎年金番号、氏名、生年月日、性別、住所、年金加入記録があらかじめ印字されています。転職した時期や会社の名前、加入していた期間に「もれ」や「誤り」がないかを、まず見ておきたいところです。

記録に気になる点があれば、請求書を出す前に近くの年金事務所へ問い合わせるよう、日本年金機構も案内しています。厚生年金の額は加入期間と給与で決まるため、記録の1行が受給額に響くこともあるのです。

3.3 提出できるのは誕生日の前日から

  • 提出できる日:受給開始年齢の誕生日の前日以降。それより前に出すと受け付けてもらえない
  • 年金証書・年金決定通知書:請求書の提出から約1~2カ月後に届く
  • 年金の受け取り:受給権が発生した月の翌月分から。原則として偶数月の15日に、前月と前々月の2カ月分が振り込まれる
  • 時効:請求しないまま受け取れるようになってから5年を過ぎると、過ぎた分は受け取れなくなる場合がある

未加入の期間がないなど一定の条件を満たす人には、電子申請を案内するリーフレットも同封されます。紙で出す場合は、年金事務所か街角の年金相談センターが窓口です。

3.4 「ひと月15万円」に届くかは見込額で

請求書が届いた段階で、自分の厚生年金が月いくらになりそうかを知っておくと、65歳からの家計を組み立てやすくなります。日本年金機構では、次の方法で年金の見込額を確かめられるとしています。

  • ねんきんネット:自分で条件を変えながら、老齢年金の見込額を試算できる。利用にはユーザIDが必要で、ねんきん定期便に書かれたアクセスキーを使うとすぐに取得できる(アクセスキーの有効期限は発行から3カ月)
  • ねんきんダイヤル・電子申請:見込額の試算と、その基礎になった加入記録を回答してもらえる(50歳未満は加入記録のみ)
  • 年金事務所など:窓口で見込額の試算や加入記録の確認を受けられる

見込額が分かれば、男女別の分布のどのあたりに入るのかも見当がつきます。60歳以降も厚生年金に入って働く予定がある人は、その分の上乗せも試算の条件に入れておくとよいでしょう。

4. まとめにかえて

厚生年金の平均月額は15万289円で、月15万円以上を受け取る人は受給権者の49.8%でした。男性では7割近くが届く一方、女性は12.3%にとどまり、約半数が月10万円以上15万円未満に集まっています。

この秋から年末にかけては、1962年1月から3月生まれの人などに年金請求書(事前送付用)が順に届きます。印字された加入記録に目を通し、見込額と合わせて自分の位置を確かめておくと安心です。

記録の訂正や見込額の試算、請求の手続きで迷ったときは、近くの年金事務所や街角の年金相談センターで、自分の記録をもとに相談してみてください。

参考資料

太田 彩子