日本年金機構の「主な行事・通知書発送の年間予定表」では、10月30日に1962年(昭和37年)2月2日から9日までに生まれた人などへ「老齢年金請求書(事前送付用)」を送る予定です。65歳を目前にして、自分の厚生年金がひと月15万円に届くのか気になっている人もいるのではないでしょうか。

厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金を含めた厚生年金の平均月額は15万289円でした。月15万円は、ちょうど平均にあたる金額なのです。

この記事では、公的年金のしくみをおさらいしたうえで、厚生年金を月15万円以上受け取っている人がどのくらいいるのかを、男女別の分布から確かめます。

1. 公的年金は2階建て。厚生年金の額は収入と加入期間で変わる

受給額の分布を見る前に、年金がどのような組み立てになっているかを確認しておきます。

全員が入る国民年金の上に、会社員や公務員の厚生年金が重なる1/4

公的年金の2階建ての図。1階は全員が加入する国民年金(基礎年金)で、2026年度の保険料は月1万7920円、満額は月7万608円。2階は会社員や公務員などの第2号被保険者が加入する厚生年金で、保険料は給与と賞与で決まり、受け取る額は加入期間と収入で変わる

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」、日本年金機構「国民年金保険料」、厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2つの制度で組み立てられています。下の階に国民年金、上の階に厚生年金が載る形から、「2階建て」と呼ばれることが多いのです。

1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)

  • 加入する人:原則として日本に住む20歳以上60歳未満の人すべて
  • 保険料:収入にかかわらず一律で、年度ごとに改定される(※1)
  • 受け取る額:40年間(480カ月)の保険料をすべて納めると、65歳から満額を受け取れる(※2)。納めていない期間があれば、その分だけ少なくなる

※1 2026年度の国民年金保険料は月額1万7920円
※2 2026年度の老齢基礎年金の満額は月額7万608円(1956年(昭和31年)4月1日以前に生まれた人は月額7万408円)

1.2 2階部分:厚生年金

  • 加入する人:会社員や公務員など
  • 保険料:給与や賞与の額に保険料率をかけて決まり、上限がある
  • 受け取る額:加入していた期間と、その間の給与や賞与の水準で決まり、国民年金に上乗せして支給される

国民年金の保険料は、加入している人全員が同じ額です。これに対して厚生年金は、毎月の給与や賞与といった「報酬」に一定の率をかけて保険料を決める報酬比例のしくみをとっています。

そのため、厚生年金に入っていた期間がどれだけあったか、その間にどのくらいの給与を受け取っていたかによって、65歳以降の年金額には大きな差が出ます。

2. 厚生年金を「ひと月15万円以上」受け取る人はどのくらいいるか

では、実際に厚生年金を受け取っている人の月額は、どのように散らばっているのでしょうか。「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から、2024年度末時点の老齢年金の受給権者数を1万円ごとに見ていきます。

※ここでの厚生年金は、民間の会社などで働いていた人が受け取る厚生年金保険(第1号)で、月額には国民年金(老齢基礎年金)の部分を含みます。

2.1 男女全体の分布

厚生年金の年金月額ごとの受給権者数(男女全体・2024年度末)2/4

厚生年金の年金月額1万円ごとの受給権者数の棒グラフ。最も多いのは10万円以上11万円未満の111万2828人。月15万円以上は801万5484人で受給権者1608万5696人の49.8%

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

【男女全体】厚生年金の平均月額:15万289円

  • 1万円未満:4万3399人
  • 1万円以上~2万円未満:1万4137人
  • 2万円以上~3万円未満:3万5397人
  • 3万円以上~4万円未満:6万8210人
  • 4万円以上~5万円未満:7万6692人
  • 5万円以上~6万円未満:10万8447人
  • 6万円以上~7万円未満:31万5106人
  • 7万円以上~8万円未満:57万8950人
  • 8万円以上~9万円未満:80万2179人
  • 9万円以上~10万円未満:101万1457人
  • 10万円以上~11万円未満:111万2828人
  • 11万円以上~12万円未満:107万1485人
  • 12万円以上~13万円未満:97万9155人
  • 13万円以上~14万円未満:92万3506人
  • 14万円以上~15万円未満:92万9264人
  • 15万円以上~16万円未満:96万5035人
  • 16万円以上~17万円未満:100万1322人
  • 17万円以上~18万円未満:103万1951人
  • 18万円以上~19万円未満:102万6888人
  • 19万円以上~20万円未満:96万2615人
  • 20万円以上~21万円未満:85万3591人
  • 21万円以上~22万円未満:70万4633人
  • 22万円以上~23万円未満:52万3958人
  • 23万円以上~24万円未満:35万4人
  • 24万円以上~25万円未満:23万211人
  • 25万円以上~26万円未満:15万796人
  • 26万円以上~27万円未満:9万4667人
  • 27万円以上~28万円未満:5万5083人
  • 28万円以上~29万円未満:3万289人
  • 29万円以上~30万円未満:1万5158人
  • 30万円以上:1万9283人

受給権者1608万5696人のうち、月15万円以上を受け取っている人は801万5484人でした。割合は49.8%で、平均の15万289円をはさんで、ほぼ半分ずつに分かれています。

15万円のすぐ手前にあたる14万円台にも、92万9264人がいます。この層は、あと1万円に満たない差で15万円に届く位置にいます。

2.2 男性と女性の分布

男女別に見ると、15万円を上回る人の割合はまったく違う姿になります。

厚生年金の月額は「15万円以上」が男性で7割近く、女性は「10万円以上15万円未満」が約半数3/4

厚生年金の月額の分かれ方を男女別に示した帯グラフ。15万円以上は男女全体49.8%、男性68.8%、女性12.3%。10万円以上15万円未満は男女全体31.2%、男性21.9%、女性49.5%

出所:厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

【男性】厚生年金の平均月額:16万9967円

  • 1万円未満:3万446人
  • 1万円以上~2万円未満:1万257人
  • 2万円以上~3万円未満:5404人
  • 3万円以上~4万円未満:5185人
  • 4万円以上~5万円未満:1万4747人
  • 5万円以上~6万円未満:3万9134人
  • 6万円以上~7万円未満:13万4214人
  • 7万円以上~8万円未満:23万186人
  • 8万円以上~9万円未満:26万278人
  • 9万円以上~10万円未満:26万99人
  • 10万円以上~11万円未満:29万8838人
  • 11万円以上~12万円未満:37万6357人
  • 12万円以上~13万円未満:45万6689人
  • 13万円以上~14万円未満:54万9337人
  • 14万円以上~15万円未満:65万7775人
  • 15万円以上~16万円未満:76万4713人
  • 16万円以上~17万円未満:85万3718人
  • 17万円以上~18万円未満:92万6462人
  • 18万円以上~19万円未満:95万5327人
  • 19万円以上~20万円未満:91万3998人
  • 20万円以上~21万円未満:82万204人
  • 21万円以上~22万円未満:68万2702人
  • 22万円以上~23万円未満:50万9842人
  • 23万円以上~24万円未満:34万1191人
  • 24万円以上~25万円未満:22万4720人
  • 25万円以上~26万円未満:14万7563人
  • 26万円以上~27万円未満:9万2856人
  • 27万円以上~28万円未満:5万4156人
  • 28万円以上~29万円未満:2万9810人
  • 29万円以上~30万円未満:1万4935人
  • 30万円以上:1万8801人

【女性】厚生年金の平均月額:11万1413円

  • 1万円未満:1万2953人
  • 1万円以上~2万円未満:3880人
  • 2万円以上~3万円未満:2万9993人
  • 3万円以上~4万円未満:6万3025人
  • 4万円以上~5万円未満:6万1945人
  • 5万円以上~6万円未満:6万9313人
  • 6万円以上~7万円未満:18万892人
  • 7万円以上~8万円未満:34万8764人
  • 8万円以上~9万円未満:54万1901人
  • 9万円以上~10万円未満:75万1358人
  • 10万円以上~11万円未満:81万3990人
  • 11万円以上~12万円未満:69万5128人
  • 12万円以上~13万円未満:52万2466人
  • 13万円以上~14万円未満:37万4169人
  • 14万円以上~15万円未満:27万1489人
  • 15万円以上~16万円未満:20万322人
  • 16万円以上~17万円未満:14万7604人
  • 17万円以上~18万円未満:10万5489人
  • 18万円以上~19万円未満:7万1561人
  • 19万円以上~20万円未満:4万8617人
  • 20万円以上~21万円未満:3万3387人
  • 21万円以上~22万円未満:2万1931人
  • 22万円以上~23万円未満:1万4116人
  • 23万円以上~24万円未満:8813人
  • 24万円以上~25万円未満:5491人
  • 25万円以上~26万円未満:3233人
  • 26万円以上~27万円未満:1811人
  • 27万円以上~28万円未満:927人
  • 28万円以上~29万円未満:479人
  • 29万円以上~30万円未満:223人
  • 30万円以上:482人

男性は受給権者1067万9944人のうち735万998人が月15万円以上で、割合は68.8%でした。女性は540万5752人のうち66万4486人で、12.3%にとどまります。

女性で最も厚いのは月10万円以上15万円未満の層で、267万7242人と女性全体の49.5%を占めていました。同じ厚生年金でも、加入していた期間や働いていたころの給与の違いが、男女の受給額の差として表れているのです。

厚生年金の平均月額は15万289円で、月15万円以上を受け取る人は男性で68.8%、女性で12.3%でした。自分の年金がどのあたりに入りそうかは、誕生月に届く「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の見込額で確かめることができます。

では、65歳を前に届く年金請求書(事前送付用)は、いつ、だれに送られ、受け取る前に何を確かめておけばよいのでしょうか。