6. 【元FP会社職員の視点】検証:給付型奨学金の成績の基準は1割上がり、警告の割合は11.5%から13.8%に
今回の整理からは、3つのことが読み取れます。1つは、2025年度から基準が1割上がったことです。4年制大学の1年目なら、警告の境目は18単位以下から21単位以下に、廃止の境目は15単位以下から18単位以下になりました。
2つ目は、警告の割合が上がったことです。令和6年度は37万5773件のうち11.5%、令和7年度は72万6859件のうち13.8%でした。ただし、令和7年度は多子世帯への支援の拡大で対象がほぼ倍になった年でもあり、基準の変更だけが理由とはいえません。
3つ目は、警告から返還までの間に段階があることです。警告は約7人に1人でも、廃止は約3.7%、返還を求められたのは0.2%でした。成績が下がっても、次の学年末までに単位を取り戻せば継続に戻れます。
学年末の判定までに、取れている単位数を確かめておくことが、給付型奨学金を続けるための目安になります。体調や家庭の事情で授業に出られない時期があったときは、判定を待たずに学校に伝えておくと、やむを得ない事情として確認してもらいやすくなります。
数字の読み方として、「約7人に1人」のような大きな割合は目に入りやすい一方、警告は支給が続く段階です。どの段階の数字なのかを分けて見ると、必要以上に不安にならずにすみます。
FP会社で手続きや問い合わせ対応に関わった経験からお伝えすると、早めに確かめておくだけで落ち着いて動ける場面は多くあります。正解は一つではありません。まずは今の単位数を確かめるところから、無理のない範囲で始めてみてください。
7. まとめ
給付型奨学金は、成績が基準を下回っても、1回目は警告で支給が続きます。2025年度からは、修得単位数が標準の7割以下で警告、6割以下で廃止と、基準が1割上がりました。警告が続くと原則として廃止になり、成績が著しく不良でやむを得ない事情がない場合は、その学年の分の返還を求められます。
判定は学校が行います。成績や単位数が気になるときや、病気や家庭の事情があったときは、早めに在籍している学校の奨学金窓口に相談してみてください。一人で抱え込まず、できるところから進めていきましょう。
※本記事の単位数は一定の前提に基づく目安です。実際の標準単位数や判定は、在籍する学校の卒業要件・履修登録の上限・判定の方法により異なります。最新の基準や個別の扱いは、日本学生支援機構と在籍している学校の奨学金窓口でご確認ください。
参考資料
- 日本学生支援機構「適格認定(学業等)」
- 日本学生支援機構「令和7年度業務実績等報告書」
- 文部科学省「高等教育の修学支援新制度」
- e-Gov法令検索「大学等における修学の支援に関する法律施行規則」(別表第二)
- e-Gov法令検索「独立行政法人日本学生支援機構に関する省令」
- e-Gov法令検索「大学設置基準」(第32条)
下村 美乃莉