給付型奨学金を受けている大学生にとって、成績がふるわなかった学期のあとは、支給が止まらないか気になるところです。日本学生支援機構の給付型奨学金には成績の基準があり、下回ると「警告」や「廃止」になります。

ただし、1回成績が悪かっただけで、すぐに支給が止まるわけではありません。判定の時期、警告と廃止の違い、返還まで求められるのはどんなときかで、受け止め方は大きく変わります。

FP会社で保険の手続きや問い合わせ対応に携わってきた経験からお伝えすると、制度の基準は、中身を知らないまま不安が先に立ってしまうことが少なくありません。ここでは、文部科学省と日本学生支援機構の資料をもとに、2025年度からの成績の基準と、4年制大学で警告・廃止になる単位数の境目を整理し、2025年度の判定で警告や廃止になった割合を確認します。

※警告・廃止の割合は、日本学生支援機構「令和7年度業務実績等報告書」の適格認定(学業)の対象72万6859件に対するものです。

1. 給付型奨学金は成績が悪いとすぐ止まる?4年制大学の判定は学年末で、1回目の「警告」なら支給は続く

日本学生支援機構によると、給付型奨学金の成績の判定(適格認定(学業))は、学年末に行われます。短期大学、高等専門学校、2年以下の専門学校は学年の半期ごとです。4年制大学なら、前期の成績だけで判定されることはなく、学年末に1年分の成績で判定されます。

判定の結果は「継続」「警告」「停止」「廃止」の4つです。

  • 【継続】支給を続ける
  • 【警告】支給は続く。次の判定でも警告になると、原則として廃止
  • 【停止】支給が中断する。次の判定で警告・廃止に当たらなければ、翌学年から再開
  • 【廃止】給付奨学生の資格がなくなる

1回目の判定で成績の基準を下回っても、多くは「警告」で、給付型奨学金はそのまま支給されます。

2. 給付型奨学金の成績の基準は?修得単位が標準の7割以下などで警告、6割以下などで廃止(2025年度から)

成績の基準は、大学等における修学の支援に関する法律施行規則と日本学生支援機構に関する省令の別表で決まっています。文部科学省によると、2025年度から新しい基準になり、2024年度以前から在学している学生にも適用されています。

  • 【警告】修得単位数が標準単位数の7割以下(2024年度までは6割以下)
  • 【警告】GPA(平均成績)などが学部などで下位4分の1
  • 【警告】出席率が8割以下など、学修意欲が低いと学校が判断した場合
  • 【廃止】修得単位数が標準単位数の6割以下(2024年度までは5割以下)
  • 【廃止】出席率が6割以下など、学修意欲が著しく低いと学校が判断した場合(2024年度までは5割以下)
  • 【廃止】修業年限で卒業できないことが確定した場合

卒業に124単位が必要な4年制大学で、標準単位数を1年あたり31単位として境目を計算すると次のとおりです。

  • 【1年目の学年末】21単位以下で警告、18単位以下で廃止(2024年度までは18単位以下で警告、15単位以下で廃止)
  • 【2年目の学年末】43単位以下で警告、37単位以下で廃止(同37単位・31単位)

※試算の前提:大学設置基準の卒業要件124単位を4年で割り、在学年数を掛けた数を標準単位数とした。実際の標準単位数は、学校が定める卒業要件や履修登録の上限によって変わります。

例)卒業に124単位が必要な4年制大学の場合 給付型奨学金の成績の基準と令和7年度の判定結果1/1

給付型奨学金の成績の基準と令和7年度の判定結果。警告は修得単位が標準の7割以下などで、1年目の学年末の目安は21単位以下、割合は13.8%(約7人に1人)。停止は1.1%。廃止は標準の6割以下などで18単位以下、約3.7%。うち返還が必要なのは0.2%。

出所:日本学生支援機構「令和7年度業務実績等報告書」、大学等における修学の支援に関する法律施行規則、大学設置基準をもとにLIMO編集部作成