3. 対象期間と金額:出産日以前42日から出産日の翌日以後56日までで、日額は標準報酬月額の平均の30分の1の3分の2

協会けんぽによると、出産手当金は、被保険者が出産のため会社を休み、その間に給与の支払いを受けなかった場合に、出産の日(出産が予定日より後なら出産予定日)以前42日(多胎妊娠は98日)から、出産の翌日以後56日目までの範囲で、休んだ期間を対象に支給されます。

出産日は、産前の期間に入ります。出産が予定日より遅れた場合は、その遅れた期間も支給の対象です。支給期間は、産前の42日と、予定日から遅れた日数、産後の56日の合計になります(協会けんぽ)。

1日あたりの額は、支給開始日以前の12か月間の各標準報酬月額を平均した額を30で割り、3分の2をかけて求めます。協会けんぽの例では、平均が17万円なら5670円(10円未満四捨五入)、1日の支給額は3780円です。

この額で、予定日どおりに出産し、産前産後の98日すべてを休んで給与の支払いがない場合は、3780円×98日で、37万440円です(編集部試算)。休んだ日に給与が支払われると、日額との差額が支給されます(協会けんぽ)。

編集部が、出産予定日が12月1日の方を例に、予定日どおり、5日遅れ、11月20日に早く出産の3つの場合の期間を、暦から計算しました。

3.1 【出産予定日が12月1日なら出産手当金の対象期間は?産前・産後の期間を日付で確認(編集部試算)】

前提条件:出産予定日は令和8年12月1日、単胎妊娠、産前産後の全期間を休み給与の支払いはない。出産日は産前に含め、産前は出産日(予定日より遅れた場合は予定日から遅れた日まで)以前42日、産後は出産の翌日以後56日。協会けんぽの案内を暦に当てはめた編集部試算1/2

前提条件:出産予定日は令和8年12月1日、単胎妊娠、産前産後の全期間を休み給与の支払いはない。出産日は産前に含め、産前は出産日(予定日より遅れた場合は予定日から遅れた日まで)以前42日、産後は出産の翌日以後56日。協会けんぽの案内を暦に当てはめた編集部試算

出所:全国健康保険協会「出産手当金」を基にLIMO編集部試算

  • 予定日どおり(12月1日に出産):産前は10月21日から12月1日の42日、産後は12月2日から1月26日の56日で、合計98日です。
  • 5日遅れ(12月6日に出産):産前は10月21日から12月6日の47日、産後は12月7日から1月31日の56日で、合計103日です。
  • 早く出産(11月20日に出産):産前は10月10日から11月20日の42日、産後は11月21日から1月15日の56日で、合計98日です。

表を見ると、予定日より遅れた場合は、遅れた日数だけ産前が延び、合計が増えます。早く出産した場合は、出産日を基準に産前の42日が数えられ、産後の56日とあわせて98日です。ご自身の予定日に当てはめて、産休の開始日を確認してみてください。

4. 時効の数え方:休んだ日ごとにその翌日から2年で、産前の最初の日の分から順に期限が来る

協会けんぽによると、健康保険給付を受ける権利は、受けることができるようになった日の翌日から2年で時効になります。出産手当金の消滅時効の起算日は、出産のため労務に服さなかった日ごとに、その翌日です。

出産日から数えるのではなく、休んだ日ごとに数えます。予定日どおりの例で、産前の最初の日(10月21日)の分は、翌日の10月22日が起算日です。産後の最後の日(1月26日)の分は、翌日の1月27日が起算日です。

そのため、産前の分から順に、2年の期限が来ます。産後にまとめて申請するつもりで、そのままにしていると、産前の分が先に時効を迎える場合があります。出産が重なって手続きが後回しになっても、2年のうちに申請してください。

同じ2年でも、給付によって起算日が違います。編集部が、協会けんぽが示す主な給付の起算日を、表に整理しました。

4.1 【健康保険給付の時効:給付ごとの起算日】

前提条件:協会けんぽの「よくあるご質問」の記載から、主な給付を編集部が抜き出して整理したもの。時効はいずれも、受けることができるようになった日の翌日から2年2/2

前提条件:協会けんぽの「よくあるご質問」の記載から、主な給付を編集部が抜き出して整理したもの。時効はいずれも、受けることができるようになった日の翌日から2年

出所:全国健康保険協会「健康保険給付について」を基にLIMO編集部作成

  • 出産手当金:起算日は、出産のため労務に服さなかった日ごとにその翌日で、時効は2年です。
  • 出産育児一時金:起算日は、出産日の翌日で、時効は2年です。
  • 傷病手当金:起算日は、労務不能であった日ごとにその翌日で、時効は2年です。
  • 高額療養費:起算日は、診療月の翌月1日で、時効は2年です。
  • 療養費:起算日は、療養に要した費用を支払った日の翌日で、時効は2年です。

表を見ると、出産手当金と傷病手当金は、日ごとに起算日が動きます。出産育児一時金は、出産日の翌日の1つだけです。同じ出産に関する給付でも、出産手当金だけが、日ごとに数える点が違います。

5. まとめ

出産手当金の時効は、出産のため休んだ日ごとに、その翌日から2年です。出産予定日が12月1日で、予定日どおりに出産すると、産前は10月21日から12月1日の42日、産後は12月2日から1月26日の56日で、合計98日です(編集部試算)。予定日より遅れた分も対象です。

産前分と産後分は、分けて申請できます。事業主の証明は毎回必要で、医師・助産師の証明は、1回目が出産後で出産日等を確認できれば、2回目以降は省略できます。勤務先が変わっていれば、健康保険加入状況等申告書を添付します。

申請は電子申請がおすすめで、受付日から10営業日以内に支払われます。ゆうちょ銀行の口座は、振込専用の7桁の口座番号を書きます。個別の取り扱いは、加入している協会けんぽの支部や、勤務先に確認してください。