協会けんぽの出産手当金支給申請書は、2026年6月版の様式になり、電子申請がおすすめと案内されています。出産手当金の時効は、出産のため労務に服さなかった日ごとに、その翌日から2年です。出産予定日が12月1日の方は、産前の休みが10月21日から始まり、産後の1月26日までの98日が対象になります(2026年10月時点)。

産休に入る前後は、申請をいつ、何回に分けて出すのかが、気になる点です。事業主や医師・助産師の証明が要るため、書類の準備にも時間がかかります。振込先の書き方で、つまずく方もいます。

この記事では、前半でこの疑問に、協会けんぽの公表資料と編集部の試算で答えます。後半では、対象期間、時効の数え方、必要書類、申請の注意点を整理します。個別の取り扱いは、加入している協会けんぽの支部や、勤務先の人事担当に確認してください。

1. よくある疑問:出産予定日は12月1日で、10月から産休に入る。出産手当金はいつまでに、どう申請する?産前の分だけ先に出せる?

「12月1日が出産予定日で、10月から産休に入る予定です。出産手当金は、いつまでに、どうやって申請すればよいのでしょうか。産前の分を先に出せると聞きましたが、本当でしょうか。書類は、会社と病院に書いてもらうのでしょうか。振込先は、ゆうちょ銀行の口座でも大丈夫でしょうか」。

この疑問は、一人の事情に見えますが、同じ迷いは、産休に入る人に、当てはまりえます。答えは、次の3点です。

  • 時効は、出産のため休んだ日ごとに、その翌日から2年です。予定日が12月1日で、予定日どおりに出産すると、産前は10月21日から12月1日の42日、産後は12月2日から1月26日の56日で、合計98日です。予定日より遅れた分も対象です(協会けんぽ、編集部試算)
  • 産前分と産後分は、分けて申請できます。事業主の証明は毎回必要で、医師・助産師の証明は、1回目の申請が出産後で、出産日等を確認できれば、2回目以降は省略できます(協会けんぽ)
  • 申請は電子申請がおすすめで、審査の結果、支払い可能であれば、受付日から10営業日以内に支払われます。ゆうちょ銀行の口座は、記号・番号では振り込めず、振込専用の7桁の口座番号を書きます(協会けんぽ)

2. 産前に出す・出産が遅れる・勤務先が変わっていた、3つの場合を協会けんぽの資料で確認

読者の方が気にしそうな「もし」を、協会けんぽの資料と、編集部の試算で確認します。いずれも、ご自身の支給額や期限を確定するものではありません。

  • もし、産前の分を先に出すなら:申請書に、今回の申請が出産前か出産後かを書く欄があります。出産前の申請では、出産予定日と予定の出生児数を書きます(協会けんぽ)
  • もし、出産が予定日より遅れたら:遅れた期間も支給の対象です。予定日が12月1日で、5日遅れて12月6日に出産すると、産前が47日、産後が56日で、合計103日です(協会けんぽ、編集部試算)
  • もし、支給開始日以前の12か月以内に勤務先が変わっていたら:以前の事業所の名称や所在地、使用されていた期間がわかる「健康保険加入状況等申告書」を添付します(協会けんぽ)

ここからは、この答えの前提になる仕組みを順に確認します。対象期間と金額、時効の数え方、申請に必要なもの、申請の注意点の順です。