6. 【元FP会社職員の視点】検証:住む都道府県で、手取りの減り方は変わる
協会けんぽの健康保険料率は、都道府県ごとに決まります。協会けんぽの子ども・子育て支援金率は全国で同じ0.23%ですが、健康保険料率の下がり幅は都道府県によって違うため、2026年度の手取りの減り方も住む地域で変わります。
たとえば大阪府の健康保険料率は、2025年度の10.24%から2026年度は10.13%に下がり、東京都(9.91%から9.85%)より下がり幅が大きくなりました。平均年収487万円・40歳未満で計算すると、手取りの減少は東京都で月約150円、大阪府では月約40円です。
- 【東京都】子ども・子育て支援金 月約470円増、健康保険料 月約120円減、雇用保険料 月約200円減 → 手取りの減少 月約150円
- 【大阪府】子ども・子育て支援金 月約470円増、健康保険料 月約230円減、雇用保険料 月約200円減 → 手取りの減少 月約40円
子ども・子育て支援金の額だけを見ると、平均年収なら月約470円の負担です。ただ、手取りの変化として実感する額は、同じ年度のほかの保険料率の動きと合わせて決まります。その負担を考えるときは、子ども・子育て支援金だけでなく、健康保険料・介護保険料・雇用保険料をまとめて前の年度と比べると、手取りの変化をつかみやすくなります。
FP会社でマネーセミナーの運営を補助していた頃も、家計の見直しは、1つの項目の増減だけでなく、引かれている項目全体を前の年と並べて見ることが基本でした。私自身も、給与明細は金額の大小より、前の年からの変わり方に目を向けるようにしています。毎年4月・5月ごろの給与明細で、ご自身の保険料の欄を前の年と並べて確かめてみてください。
※試算の前提は前章までと同じです。大阪府の健康保険料率は、全国健康保険協会の令和7年度・令和8年度の都道府県単位保険料率です。
7. まとめ
子ども・子育て支援金は、2026年5月の給与から始まり、協会けんぽ東京支部の会社員なら平均年収487万円で月約470円の負担です。ただし、同じ年度に健康保険料率と雇用保険料率が下がったため、2025年度と比べた手取りの減少は、40歳未満で月約150円、40〜64歳で月約210円でした。
子ども・子育て支援金の総額は2028年度にかけて増える予定で、保険料率は毎年度見直されます。
自分の負担がどう変わったかは、毎年4月・5月ごろの給与明細の健康保険料・雇用保険料の欄で確かめることができます。ご自身のペースで、毎月の手取りの内訳を知るところから始めていきましょう。
※本記事の試算は一定の前提に基づく概算です。実際の保険料は、標準報酬月額の等級や賞与の有無、加入している健康保険によって異なります。詳しくは勤め先や加入している健康保険の窓口でご確認ください。
参考資料
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」
- 全国健康保険協会「協会けんぽの子ども・子育て支援金率について」
- 全国健康保険協会「令和8年度都道府県単位保険料率」
- 全国健康保険協会「令和7年度都道府県単位保険料率」
- 厚生労働省「雇用保険料率について」
- 国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」
下村 美乃莉