3. 【時間外手当を含めた月給】係長の時間外手当は月7万661円、課長は2万4350円

先に見た平均支給額は、時間外手当を除いた金額でした。時間外手当を含めた「きまって支給する給与」を見ると、役職による違いがもう少しはっきりします。

3.1 時間外手当は係長が月7万661円、課長代理は5万8909円

事務関係の時間外手当は、係長が月7万661円、課長代理が5万8909円でした。きまって支給する給与と時間外手当、時間外手当を除いた金額の一覧は次のとおりです。

  • 部長:79万9856円(うち時間外手当1万414円)、時間外手当を除くと78万9442円
  • 部次長:71万5545円(同1万4791円)、70万754円
  • 課長:66万9778円(同2万4350円)、64万5428円
  • 課長代理:60万659円(同5万8909円)、54万1750円
  • 係長:51万5816円(同7万661円)、44万5155円
  • 主任:47万3880円(同6万1998円)、41万1882円
  • 係員:41万4426円(同5万3862円)、36万564円

事務関係の役職別 きまって支給する給与と時間外手当(令和8年4月分・企業規模計)2/2

事務関係の役職別 きまって支給する給与と時間外手当(令和8年4月分・企業規模計)

出所:人事院「令和8年職種別民間給与実態調査」をもとにLIMO編集部作成

係長や主任、係員でも、時間外手当は月5万円を超えています。日々の業務を担う立場では、仕事の量に応じて時間外手当が支払われ、月給の中でも一定の部分を占めていると考えられます。

3.2 課長は2万4350円、部長は1万414円

課長の時間外手当は2万4350円、部長は1万414円でした。

課長代理までは時間外手当が月5万円を超えていますが、課長では2万円台、部長では1万円ほどです。課長より上の役職では、月給の総額は大きくても、そのうち時間外手当の部分は小さくなっています。

時間外手当を含めた総額で見ると、課長代理と課長の月給の違いは、平均支給額で見るよりも小さくなっています。昇進して月給が上がっても、時間外手当が減るぶん、月給の増え方は思ったより小さいと感じることもあるかもしれません。

時間外手当は、働いた時間によって月ごとに変わります。ここでの数字は4月分の平均なので、繁忙期や部署によっても違いがあると考えられます。

時間外手当の多い月が続いているときは、その分を毎月の生活費に組み込まず、貯蓄に回しておくのも一つの方法です。昇進や異動で時間外手当が減ったときにも、家計を保ちやすくなるでしょう。

役職に就くと、残業の扱いが変わることもあるでしょう。昇進の話があったときは、基本給や役職手当だけでなく、時間外手当がどう扱われるかもあわせて確かめておくと、月給の変化をつかみやすくなるでしょう。

4. 【会社の規模別】500人以上の部長は月84万3273円、100人以上500人未満は65万1547円

同じ調査では、企業規模別の平均支給額も公表しています。事務関係のおもな役職の平均年齢と平均支給額は、次のとおりです。

4.1 企業規模500人以上

企業規模500人以上の事業所では、部長は平均53.1歳で84万3273円、課長は49.0歳で67万9339円でした。

4.2 企業規模100人以上500人未満

企業規模100人以上500人未満の事業所では、部長は平均53.0歳で65万1547円、課長は49.0歳で53万7535円でした。

勤め先の規模は、転職のときに選べる部分もあれば、今の会社で働き続けるなら変えられない部分もあるでしょう。月給の水準だけで判断せず、退職金や福利厚生、働き方の柔軟さなども含めて、自分に合う働き方を考えていきたいところです。

給与の水準は、会社の規模だけでなく、業種や地域、仕事の内容など、さまざまな理由で変わると考えられます。転職や昇進を考えるときは、役職名だけでなく、給与の仕組みもあわせて見ておきたいところです。

ここで見た規模別の数字は、平均の金額です。同じ規模の会社でも、業種や地域によって給与の水準は変わるため、自分の勤め先の水準は、給与規程や求人の情報なども手がかりにしながら考えてみたいところです。

管理職になるかどうか、いつまで今の役職で働くかは、給与だけで決めるものではないでしょう。仕事のやりがいや家族との時間、体力なども含めて、自分に合う働き方を選んでいくことが大切だと考えられます。

5. 【50歳代からの給与】定年を60歳から引き上げた事業所の57.4%に、課長級の給与を減らす仕組み

管理職の年代になると、60歳以降の給与も気になってくるのではないでしょうか。同じ調査によると、定年制がある事業所は99.5%で、定年年齢は60歳が70.1%、61歳以上が29.3%でした(どちらも回答した事業所全体に占める割合)。

定年年齢を60歳から引き上げた事業所(定年制を廃止した事業所を含みます)のうち、一定の年齢になったことを理由に給与を減らす仕組みがある事業所は、課長級で57.4%、非管理職で48.6%でした。60歳で減らす事業所は、回答した事業所全体のうち、課長級で38.9%、非管理職で32.5%です。

定年が延びても、それまでの給与の水準がそのまま続くとは限らないということです。管理職として長く働いてきた人ほど、60歳前後の収入の変化は、家計への影響も大きくなると考えられます。

5.1 60歳で減らす事業所では、60歳を超えた課長級の年間給与は76.9%の水準

60歳で給与を減らしている事業所では、60歳を超えて受ける年間給与の水準は、60歳になる前を100とすると、課長級で76.9、非管理職で77.4でした。

60歳を過ぎると、年間給与が8割弱の水準になる場合もあるということです。管理職として働いている人ほど、今の給与を前提に家計を組み立てていることも多いのではないでしょうか。

50歳代のうちに、60歳以降の給与がどうなるかを知っておくと、住宅ローンの返済や教育費の終わる時期と並べて考えやすくなります。収入が変わる時期と、大きな支出が終わる時期を書き出してみると、いつから何を準備すればよいかが見えてくるでしょう。

給与が下がる時期に向けて、毎月の支出を見直したり、ボーナスの使い道を先に決めておいたりすると、家計の変化にあわせやすくなるでしょう。

5.2 給与明細と就業規則で、自分の勤め先の仕組みを確かめる

給与明細では、基本給、役職手当、時間外手当がそれぞれいくらかを見ておくと、昇進したときに何が変わるかを考える手がかりになります。

定年の年齢や、一定の年齢での給与の見直し、役職に就いたあとの時間外手当の扱いは、勤め先ごとに違います。就業規則や人事の担当部署で確かめておくと、50歳代からの家計の見通しが立てやすくなるでしょう。

6. まとめにかえて

部長や課長の月給は、数字だけを見ると高く感じられるかもしれません。一方で、課長より上の役職では時間外手当が小さくなり、冬のボーナスのうち考課査定分の割合は大きくなっていました。

給与の高さは、責任の重さや働き方の変化と一緒に考えたいものです。役職に就くかどうか、どのように働き続けるかは、人それぞれの選び方があってよいでしょう。

冬のボーナスの明細を受け取ったときは、評価の仕組みや来年の給与の見通しを家族と共有しておくと、年明けからの家計の計画も立てやすくなるでしょう。

参考資料

宮野 茉莉子