4. 市販薬の購入費は、1万2000円を超えた部分が控除の対象に。上限は8万8000円
市販薬のうち一定の医薬品を買った場合は、所得税の「セルフメディケーション税制」(医療費控除の特例)を使える場合があります。国税庁の案内(令和8年4月1日現在の法令等)で確認します。
4.1 対象はスイッチOTC医薬品等。購入費から1万2000円を引いた額を控除
対象となるのは、医療用医薬品から転用されたスイッチOTC医薬品等です。領収書などに対象商品であることが表示され、一部の商品には共通の識別マークが付いています。対象の品目は、厚生労働省の「対象品目一覧」で確認できます。
控除額は、1年間に支払った対象医薬品の購入費の合計から、保険金などで補てんされる部分を除き、1万2000円を差し引いた額です。上限は8万8000円です。
4.2 健康診査などの取組が必要で、通常の医療費控除とは選択
この税制を使うには、申告する本人が、その年に健康診査や予防接種、がん検診などの取組を行っている必要があります。
対象となる取組は、保険者や市区町村が行う健康診査、予防接種、事業主健診、特定健診・特定保健指導、市区町村のがん検診です。人間ドックなど、取組にかかった費用は控除の対象になりません。
また、通常の医療費控除とはどちらかを選ぶ仕組みで、両方は使えません。一度選ぶと、あとから更正の請求や修正申告で変えることはできません。
セルフメディケーション税制は、対象医薬品の購入費のうち1万2000円を超えた部分が控除の対象です。4/4
出所:国税庁「No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】」をもとにLIMO編集部作成
5. まとめにかえて
2027年3月から、市販薬と成分が同じ処方薬は薬剤費の4分の1を別に負担します。厚生労働省の例では、見直し後も処方薬の薬代は市販薬の価格を下回りますが、抗アレルギー薬30日分の差は約210円です。
処方薬には初診料や調剤基本料などの技術料が別にかかり、市販薬の価格はネット上の最安値をもとにした額です。市販薬を買う場合は、セルフメディケーション税制の対象かどうかも確認できます。
薬局の明細書や領収書を確かめ、市販薬を買うときはレシートを保管しておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施について」(第216回社会保障審議会医療保険部会 資料1)
- 国税庁「No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】」
村岸 理美