中学3年生の子どもがいる家庭では、年明けからの高校入試に向けて、出願の準備が始まる時期です。受験料や入学金、制服代など、入学までにまとまったお金がかかります。
生活保護では、高校に通うための費用が生業扶助の「高等学校等就学費」として支給されます。厚生労働省の「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」には、受験料にあたる入学考査料や、入学準備の費用の上限が定められています。
この記事では、高校受験と入学のときに生活保護で認められる費用と、その上限額を確認します。
1. 生活保護を受けている母子世帯は令和8年7月分で5万4892世帯
はじめに、厚生労働省の被保護者調査で、生活保護を受けている世帯の状況を見ておきます。
1.1 生活保護を受けている人は196万9655人、世帯数は164万4102世帯
厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」によると、生活保護を受けている人は196万9655人、世帯数は164万4102世帯でした。
1.2 保護停止中を除く世帯の3.4%が母子世帯
保護を停止している世帯を除いた163万5284世帯のうち、母子世帯は5万4892世帯で3.4%でした。高齢者世帯は90万3116世帯で55.2%を占めています。
2. 生活保護の保護費は最低生活費と収入の差額、高校の費用は生業扶助から
高校の費用を見る前に、生活保護の保護費の決まり方を確認します。
2.1 収入が最低生活費に届かない分が保護費として支給される
生活保護では、世帯の収入と厚生労働大臣が定める基準で計算した最低生活費を比べ、収入が最低生活費に満たない場合に、その差額が保護費として支給されます。
厚生労働省の「生活保護制度に関するQ&A」では、義務教育の学用品費等は教育扶助、高等学校等に就学するための費用は生業扶助として支給されると説明されています。
- 3人世帯(33歳、29歳、4歳):東京都区部等16万8020円、地方郡部等15万370円
- 高齢者単身世帯(68歳):東京都区部等7万7980円、地方郡部等6万9950円
- 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):東京都区部等12万5460円、地方郡部等11万1720円
- 母子世帯(30歳、4歳、2歳):東京都区部等20万50円、地方郡部等17万9300円
3. 生活保護の高等学校等就学費、受験料にあたる入学考査料は3万円以内
高等学校等就学費の項目と額は、保護の基準と局長通知に定められています。受験から入学までにかかる費用を中心に見ていきます。
3.1 入学考査料は3万円以内、入学料は公立高校の額以内
保護の基準では、高等学校等就学費のうち入学考査料は3万円以内とされています。入学料は、高校がある都道府県の条例で定める都道府県立高校の額以内です。市町村立の高校に通う場合は、その市町村の条例で定める額以内になります。
3.2 入学準備の費用は11万8200円以内
局長通知は、高等学校等に入学する生徒が入学準備のための費用を必要とする場合、11万8200円の範囲内で必要な額を認定して差しつかえないとしています。原則として金銭で支給され、現物給付が適当なときは現物で支給されます。
- 入学準備(入学時):11万8200円以内
- 学習支援費(年間上限額):10万1000円以内
- 入学考査料:3万円以内
- 基本額:月額7300円
- 学級費等(基本額によりがたい場合):月額2170円以内
このほか、正規の授業で使う教材代、授業料(高等学校等就学支援金が支給される場合を除く)、通学に必要な最小限度の交通費も高等学校等就学費の対象です。
生活保護を受けている世帯の子どもが高校を受験するときは、受験料にあたる入学考査料が3万円以内、入学準備の費用が11万8200円以内で認められています。入学料は、都道府県立高校の額が上限です。
出願する高校と受験料が決まったら、払い込む前に担当のケースワーカーに伝え、必要な書類を確認しておくと手続きが進めやすくなります。
ここからは、入学後に毎月・毎年支給される費用と、授業料の減免や制服の買い換えなど、入学後に気をつけたい扱いを見ていきます。