4. 賞与が保護費の計算に反映される仕組み
賞与を収入として認定したあと、実際の保護費がどう決まるかは、局長通知の「支給額の算定」に定められています。
4.1 収入月と額が確実に分かれば、その額をもとに算定する
局長通知は、賞与や期末手当等について、収入月と収入額が確実に把握できるときは、その収入額を認定して支給額を算定するとしています。
支給前に会社から額が示されていれば、その額をもとに保護費が計算される流れです。
4.2 見込みと実際の額がずれたら、以降の月で調整
算定に使った収入の額と、保護費を支給したあとに認定された収入の額に差が出たときは、収入月以降の収入額に加えたり差し引いたりして支給額を算定します。
賞与の額が見込みより多かった場合も少なかった場合も、あとの月の保護費で調整される考え方です。
5. 生活保護の勤労収入の申告は就労できる人なら原則毎月
賞与に限らず、働いて得た収入は申告が必要です。申告の時期と回数は、実施要領等の問答で示されています。
5.1 常用で働き、毎月の収入の増減が少ない場合は3か月ごとでもよい
問答では、福祉事務所が就労可能と判断した人には、収入の有無にかかわらず原則として毎月申告させるとしています。就労が難しいと判断された人は、少なくとも12か月ごとです。
常用で雇用されていて各月の収入の増減が少ない場合は、収入申告書の提出は3か月ごとで差しつかえないとされています。賞与のように臨時で入る収入は、この間隔とは別に支給月に申告します。
5.2 社会保険の加入者は10月か11月に標準報酬が照会される
局長通知は、社会保険の被保険者について、10月か11月に社会保険官署や健康保険組合等へ標準報酬を照会するとしています。あわせて、昇給と賞与の時期は勤め先についてあらかじめ調べ、記録しておくこととされています。
6. 賞与から差し引かれる社会保険料や所得税は必要経費になる
勤労収入は、収入の総額から必要経費を差し引いて認定されます。賞与にかかる控除も同じ考え方です。
6.1 社会保険料・所得税・労働組合費・通勤費は実費で認定
次官通知は、勤労収入を得るための必要経費として、社会保険料、所得税、労働組合費、通勤費等の実費の額を認定するとしています。賞与から天引きされる社会保険料や所得税も、明細書で額を確かめられるようにしておきましょう。
6.2 職場の親睦会費は必要経費として差し引かれない
一方、問答は、職場の親睦会費を勤労収入の経費として重ねて控除することは認められないとしています。勤労控除の基礎控除額に、職場の慶弔等の交際費が含まれているためです。
6.3 日雇いで働く人の夏季手当・年末手当も同じ扱い
日雇いで働く人が受け取る夏季手当や年末手当についても、局長通知は常用で働く人の賞与と同じく、支給月の申告と全額の認定(または6か月以内の分割)によるとしています。
7. まとめ
生活保護を受けている人の冬のボーナスは、原則として支給月の収入として全額が認定され、適当でない場合は支給月から引き続く6か月以内に分けて認定されます。支給月には申告と給与証明書や給与明細書の提出が求められます。
見込みの額と実際の額がずれた場合は、あとの月の保護費で調整されます。賞与の支給が決まったら、日付と額を担当のケースワーカーに伝え、明細書を保管しておきましょう。
参考資料
鶴田 綾