年末が近づき、冬のボーナスの時期が近づいてきました。生活保護を受けながら働いている人にとっては、まとまった賞与が保護費にどう影響するのかが気になるところです。

厚生労働省の「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」には、賞与を収入として認定する月や、支給月に申告する書類についての定めがあります。

この記事では、生活保護を受けている世帯の状況とあわせて、冬のボーナスがどの月の収入として扱われるのかを確認します。

1. 生活保護を受けている人は令和8年7月分で196万9655人、世帯類型は4つに分かれる

はじめに、厚生労働省の被保護者調査で、生活保護を受けている世帯の数と内訳を見ておきます。

1.1 受けている世帯は164万4102世帯、前年同月より3516世帯少ない

厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」によると、生活保護を受けている人は196万9655人、世帯数は164万4102世帯でした。

世帯数は前年同月より3516世帯、率にして0.2%減っています。

1.2 高齢者世帯を除く世帯は73万2168世帯で44.8%

保護を停止している世帯を除いた163万5284世帯を世帯類型別に見ると、次のとおりです。

生活保護を受けている世帯の世帯類型(2026年7月)1/2

生活保護を受けている世帯を高齢者世帯・障害者・傷病者世帯・その他の世帯・母子世帯に分けた世帯数の横棒グラフ

出所:厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」をもとにLIMO編集部作成

  • 高齢者世帯:90万3116世帯(55.2%)
  • 障害者・傷病者世帯:41万8114世帯(25.6%)
  • その他の世帯:25万9162世帯(15.8%)
  • 母子世帯:5万4892世帯(3.4%)

高齢者世帯を除く世帯は73万2168世帯で、全体の44.8%を占めています。

2. 生活保護の保護費は最低生活費と収入の差額、賞与も収入に数える

賞与の扱いを見る前に、生活保護の保護費がどう決まるかを確認します。

2.1 収入が最低生活費に届かない分が保護費として支給される

生活保護では、世帯の収入と厚生労働大臣が定める基準で計算した最低生活費を比べ、収入が最低生活費に満たない場合に、その差額が保護費として支給されます。

働いて得た給料は収入にあたり、年に数回支給される賞与も同じく収入として扱われます。

生活扶助基準額の例(令和8年10月1日現在、児童養育加算等を含む)2/2

3人世帯・高齢者単身世帯・高齢者夫婦世帯・母子世帯の生活扶助基準額を東京都区部等と地方郡部等で比べた棒グラフ

出所:厚生労働省「生活保護制度に関するQ&A」を参考にLIMO編集部作成

  • 3人世帯(33歳、29歳、4歳):東京都区部等16万8020円、地方郡部等15万370円
  • 高齢者単身世帯(68歳):東京都区部等7万7980円、地方郡部等6万9950円
  • 高齢者夫婦世帯(68歳、65歳):東京都区部等12万5460円、地方郡部等11万1720円
  • 母子世帯(30歳、4歳、2歳):東京都区部等20万50円、地方郡部等17万9300円

実施要領では、収入の認定は月額で行うとされています。そのため、賞与をどの月の収入として数えるかが、その月の保護費に影響します。

3. 生活保護の賞与は原則として支給月に全額を収入として認定する

賞与の認定方法は、局長通知の勤労収入の取扱いに定められています。冬のボーナスも、この扱いによります。

3.1 賞与は支給月の収入として全額を認定

局長通知は、賞与は全額を支給月の収入として認定することを原則としています。12月に冬のボーナスを受け取れば、原則として12月の収入として数えられる形です。

3.2 支給月だけでの認定が適当でないときは6か月以内に分けて認定

ただし、支給月にまとめて認定することが適当でない場合は、その賞与の額を、支給月から引き続く6か月以内の期間に分割して認定するとされています。

どちらの方法によるかは、保護の実施機関である福祉事務所が判断します。

3.3 賞与の支給月には申告と給与証明書の提出が求められる

局長通知は、就職した月、昇給した月、賞与の支給月には、本人から申告させるとともに給与証明書を求めることとしています。

給与証明書を求めるのが適当でない場合は、給与明細書等で代えてもよいとされています。

生活保護を受けている人が冬のボーナスを受け取ると、原則として支給月に全額が収入として認定され、事情によっては6か月以内に分けて認定されます。

賞与の支給日と額が分かったら、明細書を手元に用意して、担当のケースワーカーに早めに伝えておくと手続きが進めやすくなります。

ここからは、賞与が保護費の計算にどう反映されるのかと、働いている人の収入申告で押さえておきたい点を見ていきます。