オールアバウト、8期連続増収を達成 コンシューマサービス復調で営業益・経常益ともに黒字転換

2019年11月8日に行われた、株式会社オールアバウト2020年3月期第2四半期決算説明会の内容を書き起こしでお伝えします。質疑応答パートはこちら

スピーカー:株式会社オールアバウト 代表取締役社長 江幡哲也 氏

2020年3月期第2四半期決算説明会

江幡哲也氏:オールアバウトの2020年3月期第2四半期の決算発表会を始めさせていただきます。本日はお忙しいなか、お集まりいただきましてありがとうございます。スライドに沿いまして、私からご説明申し上げます。

続きを読む

今日のアジェンダですが、決算ハイライトからご説明し、各事業セグメントのハイライト、そして今期の主要な取り組みを説明いたしまして、業績の見通しについてご報告申し上げます。

まずはいつものご説明になりますが、弊社は連結で決算を発表させていただいていますので、連結の企業構成の全体像をご説明します。

本資料の前提となる連結対象企業構成

株式会社オールアバウトを中心に、各連結子会社があり、持分法適用会社があります。このような連結構成になっていますので、これを前提に決算をご説明いたします。

オールアバウトグループのセグメント

各サービスを2つのセグメントに分けています。1つがマーケティングソリューションセグメントで、法人のお客さまからの収益を主とする事業のセグメントです。オールアバウトグループの場合、インターネットにおけるデジタルマーケティングの広告部分が中心のセグメントになります。

もう1つがコンシューマサービスセグメントで、個人のお客さまからの収益を主体とするセグメントです。このメインは、サンプル百貨店を中心とするEコマースとトライアルマーケティングの事業になります。

この2つのセグメントについて、後ほどトピックスのご紹介もさせていただきます。

連結売上高の推移(年度)

まずは収益の推移です。上期ベースになりますが、おかげさまで売上は8期連続の増収で、過去最高を記録しています。

進捗率ですが、(5月9日に公表した)通期の開示予想に対して50.2パーセントのトレンドできています。数字は後ほど申し上げますが、全体の売上はこのスライドのような推移です。

2020年3月期第2四半期の決算ハイライト①

上期の決算数字についてご説明申し上げます。売上高は76億7,100万円、営業利益はプラス1,200万円でした。全体の内訳ですが、スライドの一番左が前年同期で、中央が今回の第2四半期までの数字です。昨年度に比べて売上が10パーセント強の増収となっています。

一番右の欄に、5月9日に公表した上期の業績予想数字を書かせていただいています。売上は5月9日時点の予想が72億2,000万円ですので、4億5,000万円ほど上の数字を出すことができました。

営業利益については、昨年度の上期は赤字でした。とくにサンプル百貨店で災害の影響等がありました。今期ですが、従前の予測ですと上期はいろいろな投資も含めて赤字の予測としていましたが、プラスで終わることができており、改善幅は1億8,000万円ほどとなります。

経常利益も、ほぼ同様の流れとなっています。また純利益ですが、上期に一部ソフトウェア系の特損を取り込んでいます。従前の予測よりは改善していますが、昨年度に比べると(赤字幅が)少し大きくなっています。以上が上期決算の全体状況です。

2020年3月期第2四半期の決算ハイライト②

続きまして、連結全体のオーバービューになります。コンシューマサービス、主にサンプル百貨店が中心になりますが、その復調が連結業績を牽引し、全体の増収を押し上げました。

利益サイドで言いますと、インターネット広告、デジタルマーケティング系のマーケティングソリューションのビジネスが、新しい事業構造に転換することにチャレンジしていまして、その影響による減益がありますが、コンシューマサービスの増益によりカバーしました。

また、共通でかかる全社費用部分の圧縮も行い、全体としては先ほどお伝えしたような数字になっています。

マーケティングソリューションのオーバービューについてです。事業構造転換へのチャレンジに伴い、コンテンツマーケティング系の受注といったところが軟調に推移し減収の要因になっています。

構造転換への先行投資についてです。具体的には、いくつかの商品のトライアルを行うなかで変動比率が上昇することになり減益となりました。売上高は前年同期比で98.8パーセント、営業利益は前年同期比で25.4パーセントとなっています。

コンシューマサービスは、とくに昨年度の下期、12月から1月、2月においてサンプル百貨店の内部的なオペレーションであるカテゴリーマネジメントに課題があり、収益に悪影響が出ました。しかし、今期がスタートして、そのあたりは上期を通して順調に改善し、また販売促進施策も功を奏して増収となっています。

コストサイドではとくにEC事業者全体を取り巻く環境のなかで、宅配や配送費の値上げがEC業界全体の課題になっています。

サンプル百貨店の場合はお試し買いということで、費用のなかに配送費も含めていますので原価が上がる部分があります。このあたりを、カテゴリーマネジメントの強化や業務改善施策によって大きく吸収できており、しっかりと利益も確保できる構造となり、売上高が60億9,100万円で、前年同期比で113パーセント、営業利益は282パーセントという内訳でした。

また全社共通費用調整額も4,000万円ほど改善させました。

連結売上高の推移(四半期)

四半期ごとの売上高の推移をプロットしていますが、スライドの構図を見ていただくとおわかりになるかと思います。

連結営業損益の推移(四半期)

営業利益の四半期推移ですが、ここ2年ぐらいは災害の影響やオペレーションの課題があったり、構造転換を図っているところで積極的に投資をしたりと、いろいろな動きがあります。

まずは、将来の事業ポテンシャルを大きく伸ばしていくために、トップラインを伸ばしていく前提で進めており、利益側は適宜使うべきは使う方向で進めてきている結果です。

従前の予測に対してはプラスに出ていますので、そのあたりはよかったと考えています。

以上が、連結全体のオーバービューのご説明になります。

マーケティングソリューションの売上・営業損益推移(四半期)

事業トピックについて、いくつか簡単にご説明申し上げます。まずは、マーケティングソリューション、法人主体の収益セグメントからご説明します。

(前のページで)いくつかロゴが書いてありますが、メディア系のサービスが中心になっているセグメントです。

スライドの左側に売上高の四半期推移、右側に営業利益の四半期推移を記載しています。先ほどと重複しますが、いくつかの収益単位がございます。

後でご説明いたしますが、コンテンツマーケティング領域において、とくに弊社の営業担当がお客さまにご提案して受注をいただくデジタルマーケティング広告が軟調に推移したことで、減収になっています。

利益率の高いプログラマティック広告も、昨期に比べて減少しており減益になっています。

マーケティングソリューションの営業費用の明細推移(四半期)

営業費用の推移です。固定費、変動費などコストの推移ですが、こちらも事業構造転換に伴う先行投資が発生していることと、その事業構造変化のなかで、とくにコンテンツマーケティングと呼ばれる、今後我々がより注力していく部分について、今までと異なる原価構造が発生し変動費が増加しています。

そこは意図を持って進めています。

マーケティングソリューションのキーワード

まず、マーケティングソリューション全体で、我々が行おうとしているコンセプトについてご説明します。

これまではオールアバウトが展開しているいくつかの自社メディア、またグループのメディアも含め自社メディアを強くして、そこでマネタイズしていくことを中心に進めてきました。

今後はそれらにプラスして、コンテンツマーケティングのプラットフォームポジションのビジネスを作り、アドオンして、「自社メディアビジネス+プラットフォームビジネス」という構造に事業転換していきたいというところが、一番大きなコンセプトです。

プラットフォームビジネスについては、「PrimeAd」というサービス名で取り組んでいますので、今後はプラットフォームビジネスを「PrimeAd」と呼ばせていただきます。

メディアビジネスの収益構造と成長イメージ

前回、前々回の決算説明会でもお話をしておりますが、スライドにあるとおり、メディアビジネス全体の収益構造は、いくつかのマネタイズのビジネスモデルの積み上げになっています。

今期、来期に向けては、事業構造変換を行っていくわけですが、イメージとしては、スライドの中央をご覧ください。

下段の部分、コンテンツ提供、プログラマティック広告による自社メディアの収益確保は、メディアの規模に左右される部分が大きいです。

例えば「All About」でのプログラマティック広告ですが、「All About」のメディアのなかにGoogle等の広告が配信され、そこでクリックされると、クリックあたりいくらかの収益が弊社に入ってきます。

メディアの規模に応じて自動的に売上が増えていく部分で、粗利率も高く素晴らしい部分があり、業界標準的には大きなマーケットです。

一方、Googleなどプラットフォーム等の外部環境変化に大きく依存しますのでボラティリティが高いため、状況変化に則しながら粛々と自社メディアの強化とともに取り組んでいく領域になります。今後はこの外部環境変化に依存しない部分で、自社でコントローラブルな要素が多い事業収益の割合を大きくしていきたいと考えています。スライドで上に乗っている部分、コンテンツマーケティングに取り組みの軸を置くのがそのコンセプトになっています。

そしてこのコンテンツマーケティングの領域において、自社メディア上でのビジネスに、新たに行うプラットフォームビジネスを加えることで大きくしていきたいと考えています。

またインターネットにおけるソーシャルメディアの利用自体が増え続けています。これに対応した事業拡大に向け、グループ会社であるオールアバウトナビ社を中心に、SNSマーケティング、動画、インフルエンサーマーケティング等をトライしています。

そしてさらに新サービスをいくつか乗せていきます。この1,2年は、このような事業構造を構築していく、事業を拡大するための転換期と考えています。

メディアビジネスの構造(自社メディアビジネス)

そして、現状の自社メディアビジネスについてレイヤーをブレイクダウンしたものが、スライドのようなかたちです。左側が利用者・生活者で、右側が広告主・企業です。

中央に青い箱と赤い箱がありますが、左サイドがユーザーから見えるサービスです。一番上に「All About」というメディアのロゴがありますが、専門家が信頼できる情報を作る生活情報サイトになります。

それ以外にも「イチオシ」「Best One」、またソーシャルメディア系の「Facebook navi」「チルテレ」「ツイナビ」「citrus」等々があります。右サイドが、それらに対応するかたちで、企業から収益をいただくさまざまなビジネスモデルになります。

この中に、コンテンツマーケティングビジネスやプログラマティック広告、また外部サイトにコンテンツを提供して収益をいただくものや、アフィリエイトと言われるような、実際の購買につながりマージンをいただくようなもののほか、SNSマーケティングなどのビジネスモデルが積み重なっている。これが自社メディアのビジネス構造になります。

ここについてですが、ユーザーには生活での意思決定ということで、買う、どこかに出かける、進学する、お金を貯めるといったところで、しっかりとした情報を提供し支援させていただく、行動支援という価値を提供しています。

その結果、物を購買されるお客さまに対して、企業には、生活者に向けて自社の商品の理解を促進していただく、もしくは「なるほど、そのような商品があったら検討してみよう」といった態度変容を図っていくマーケティング価値の提供に取り組んでいます。

これら自社メディアビジネスを強化しながら、先ほどのように他社のプラットフォームに依存しないかたちで進める部分として、コンテンツマーケティングにおけるプラットフォームビジネスをアドオンしてさらに大きくしていきたいと思っています。

プラットフォームビジネスの構造と各ステークホルダーへの提供価値(プラットフォームビジネス)

それが「PrimeAd」です。主に広告主、また弊社のようにメディアビジネスを展開している、ある種のライバルであるメディア会社、そして広告主のマーケティングをお手伝いされる広告代理店や、いろいろな運用を支援される事業者といったステークホルダーのみなさまに、この「PrimeAd」という、コンテンツマーケティングを行うのに必要なものが揃ったプラットフォームを利用いただくことによって、広告代理店や提携メディアには、コンテンツマーケティングビジネスにおけるビジネス機会の拡大を実現していただけます。

その結果、広告主にはコンテンツマーケティングの世界で、広告の効果を上げていただけるプラットフォームビジネスを展開し始めています。

オールアバウトグループとしては、自社メディアのビジネス収益の拡大に加え、言ってしまえば業界全体のコンテンツマーケティングビジネスの総額が増えたときに、そのなかで収益を頂戴する部分が加わっていく構造になると考えています。

この分野では、オールアバウトは一番歴史もありますし、実績もある、ノウハウもある、システムもある、データも持っているということで、いろいろなアセットを持っていますので、一番強いと自負しています。それを、業界他社に提供するようなポジションにもチャレンジしていきます。

少し話が長くなりましたが、このような構造のなかで、上期はいろいろと取り組んできました。

マーケティングソリューションの主要トピックス

では、マーケティングソリューション分野の上期のトピックスを3点、ご紹介します。まず1点目が、プラットフォームビジネス推進に向けて、「PrimeAd」のシステム開発がいろいろと進んでいます。

また、「PrimeAd」に参画いただく提携媒体、コンテンツマーケティングのビジネスを展開したいとおっしゃるメディアが増えました。並行して、自社メディアとしても新たなプロダクトを始めています。

マーケティングソリューションのハイライト①

中身が見えないようになっていて恐縮ですが、プラットフォームビジネス推進に向けたシステム開発の一例です。今までは、各媒体ごとに、例えばタイアップ広告を広告主が出されたときは、A媒体、B媒体、C媒体で「掲載した結果、こうでしたよ」というレポートがバラバラに提供されていました。

広告主から見ますと、まず管理の手間がかかります。もう1つは、実際の効果測定の指標が違うため、それをどう考えてトータルの費用対効果を検討すればいいのかが難しい状況でした。

そこで、まず我々のプラットフォームに乗っていただくことでレポートを統一して、効果測定や指標を把握でき、コンテンツマーケティングが実施しやすくなります。

また、媒体社もこれを使うことによって、自社でレポーティングツールを開発したり、この事業に必要なコストをかけることなく事業を展開できることになりますので、メディアの規模が小さくても、きらりと光るコンテンツでユーザーとの関係性を持っているところであれば、それに応じた収益を稼ぐことができます。

さらに、スライドの右側ですが、例えば大手の広告主が「今度、このような広告をやりたい」という案があれば、我々のプラットフォームに投げていただければ、参加している媒体社に「このような広告主が、このようなことをやりたい」ということが、ダッシュボードを通じて情報提供されます。

その仕組みを通して各媒体社は企画提案を投げることができ、このなかで選ばれると受注が進み、そのあとワークフローが進んでいくようなビジネスのダッシュボード化も進んでいます。こうしたシステム開発が徐々に進んできているのが、1点目のポイントです。

いろいろな媒体社、広告主、代理店にお試しいただきながら、よりよいかたちにブラッシュアップしている段階ですので、今はまさに機能を拡充して、しっかりとしたサービスにしていくフェーズかと思っています。

また、そのようなプラットフォームに参加されたいとおっしゃっていただけるよう、媒体社にいろいろとご案内したり、セミナーを実施しており、おかげさまで参画社数が100社を超えました。

これはどんな媒体でも参加できるわけではなく、我々のほうで信頼性や、コンテンツマーケティングでの引き合いがあり、十分に対応いただける媒体社を選んで、順次広げています。

マーケティングソリューションのハイライト②

一例ですが参画媒体のロゴを掲載しています。このうちの半分ぐらいが、実は出版社、主に雑誌のデジタルサイトです。みなさまもご存知のような雑誌コンテンツのデジタル化が進んでいます。

生活者のみなさまに深く認知され、「あそこが言っていることは信頼できる」「面白いな、こんなことあるのか」といった影響力を持っているブランドの集合体だと思っていただければと思いますが、順調に進んでいます。

マーケティングソリューションのハイライト③

また、先ほど申し上げたように、プラットフォームビジネスを追加していくのですが、自社メディアビジネスも拡充しています。

「All About」というメディアを中心とした専門家ネットワークがありますが、一言で言いますと、インターネットでは人がメディアになる時代です。媒体がメディアというより、人も1つのメディアとなり影響力があります。

例えばYouTuberのような方もそうですが、「All About」の専門家でも、インターネット上では非常に影響力がある方が多くいらっしゃいます。物を売りたい企業は、そうした方々に自社の商品を試してもらいたいというニーズがあり、今まで個別に行っていたのですが、これをしっかりプロダクト化しようということで生まれたのが、専門家向けサンプリングソリューション「ガイドPR」です。

専門家にお試しいただき、専門家のみなさまが「これ、いいね」と思ったら、自分の影響力でどんどん伝播していくということで、このようなものを仲立ちするような商品を開始しています。

以上、今日は代表的な3点ということでご紹介いたしました。

コンシューマサービスの売上・営業損益推移(四半期)

続きまして、コンシューマサービスセグメントに移ります。ハイライトで申し上げましたが、グループの収益で言うと、当該期においてはトップラインを押し上げ、利益についても貢献している「サンプル百貨店」を中心としたセグメントです。

売上の四半期推移がスライドの左側で、右側が利益の推移です。利益の部分で四角で囲っているところですが、前年同期は災害の影響がありました。今年も台風災害がありましたが、前年はもっと大きな災害影響がありました。

昨年度はECの購買減少はもちろん、宅配ができない、メーカーの工場の操業が止まる等の影響がありましたが、今年度については、スライドにあるように順調に収益を重ねることができました。

また昨年度の下期はカテゴリーマネジメント等の課題がありましたが、今年度の上半期はこのあたりもしっかりと復調して、巡航速度で成長しています。

コンシューマサービスの営業費用の明細推移(四半期)

こちらが営業費用の推移です。ご覧いただいてわかるとおり、固定費の部分、グラフの下のクリーム色のところを抑えていくために、業務フローのシステム化やBPRを進めてきました。そこが功を奏している部分になると思います。

変動費の部分は、商品の仕入れや配送費などが売上とともに大きくなる部分です。このあたりは、当然ながら粗利率のマネジメントを強くしていくことで最適化を図っているということです。

コンシューマサービスの主要トピックス

当該セグメントのトピックを2点ご紹介します。まずは「サンプル百貨店」について、昨期に抱えたオペレーション上の課題というものをしっかりクリアしました。また、市場の成長率のところでも、しっかりグリップして伸ばせています。

コンシューマサービスのハイライト①

先ほど申し上げたオペレーションのところですが、とくに昨年度の12月から発生した部分がカテゴリーマネジメントの課題です。具体的にはどんな商品を仕入れて、どんな商品を売るか、どういうふうに売るか、どのようにして棚を見せるかというような一連のオペレーションのところです。

ここに内部の課題がありましたが、組織的にも仕組み的にも、そしてシステム的にも、1月以降ずっと改善しており、上半期においては復調してさらに効率化を進めています。

また環境変化に伴う費用の増加についてですが、例えば配送費等の上昇などもうまく吸収できましたし、BPRもできていると考えています。

BPRの中身についてですが、マーケティング部分で言うと、マーケティングのオートメーション化や、受注を受けてから処理して、配送指示をして配送するフルフィルメントの部分、そしてそのあとのカスタマーサポートなど、一連のワークフロー、マネジメントを進化させることにより、うまく課題を吸収できています。

コンシューマサービスのハイライト②

そして、市場成長率等の比較です。「サンプル百貨店」が内部で指標として持っているものですが、国内EC市場の数字です。こちらは経産省のデータを参照元として記載しています。

「サンプル百貨店」の商品展開領域の国内EC市場の伸びです。年度ベースで2017年度から2018年度で約8.6パーセントの伸びでしたが、「サンプル百貨店」は14.2パーセントの成長を図れています。

また、今年度の上半期では、前年度に対して約16.8パーセントの伸びになります。目指す成長率にグリップし、それに加えてオペレーション改善により利益構造も作れてきているというところです。

今、「サンプル百貨店」の利用者が約250万人くらいです。対象とする世帯が子育て世代で、世帯数は1,200万件くらいですので、利用数はまだ4分の1以下ですが、しっかりとオペレーションを行い、しっかりとマネジメントしていけば、まだまだ伸びていくと考えている次第です。

またEC化率は、EC市場全体でも分野によって山谷がありますが、まだまだECに変わっていく分野がありますので、そのようなところをしっかり捉えて成長していきたいと考えています。

以上が上半期のセグメント別のトピックのご報告になります。それでは続きまして、今後について触れたいと思います。

プラットフォームビジネスへ進化する上での注力ポイント

まずマーケティングソリューションですが、コンテンツマーケティング領域でプラットフォームビジネスの推進に引き続き取り組んでいきます。

「PrimeAd」においては、メディア側のネットワークは順調に増えており、100社を超えてきました。

こちらはまだまだ増やすことはできるのですが、ある程度、認知が広がってきているところがありますので、下期以降は広告主サイド、広告代理店を含めたビジネスサイドの獲得やトライアルを増やし、現在作っているプラットフォームの仕組みや商流を最適化していくことが重要になってくるタイミングだと思っています。

実際に出稿していただきながら進めていますが、件数や社数、また商材の分野、業界など、いろいろなところを広げていこうと考えています。

家電メーカー、化粧品メーカー、金融、不動産賃貸といったところで、これまでの「All About」の単体メディアのタイアップ広告の出稿では、1回の出稿あたり200万円から300万円ほどの単価を積み上げていったわけですが、このプラットフォームをお試しいただくにあたっては1パッケージ1,000万円から3,000万円というかたちでのトライアルが増えています。

そのなかで、実際のニーズと合うような仕様に進化させていただくということを進めていくタイミングに来ています。今年度の下半期から来期にかけてもずっとブラッシュアップしながら、しっかりとした事業にしていきたいと考えています。

1メディアで事業を展開していると、例えば「All About」の広告の売上は数十億円前半という単位になってくるわけですが、業界全体に流れている商流を、こちらのプラットフォームを通していただけるようになると、桁が1つ上がります。そのような事業ポテンシャルにトライしていきたいと考えています。

アクション領域でのビジネス創出

自社メディアの進化です。先ほどのグラフで新サービスを乗せていくところの1つにあたりますが、コンテンツコマースという分野が伸びています。

「All About」というメディアは、もともと専門家の信頼できる情報で意思決定の背中を押すことが得意です。例えば、液晶テレビを買おうと思っている方に、「今、買うならこのようなものがいいですよ。ここで買えますよ」というところを、コンテンツとしてしっかりとおすすめします。

例えばその場で楽天やAmazon、Yahoo!ショッピングで注文できるような場所を、コンテンツコマースサイトと言っています。弊社はこの2月から「Best One」というサイトで展開しています。

この8ヶ月の推移を見てみると、ユーザーののべ訪問者数が約6倍に伸びていまして、また直近1ヶ月での傾きはさらに上に上がってきています。

ここで売れた流通総額も数億円前半を超えてきて、いい軌道に乗り出したと思っています。これをこのままの勢いで伸ばしていきます。

自社メディアのコンセプトとしては、「行動支援」です。先ほど申し上げたように生活者のみなさまのいろいろな意思決定や行動を後押しするということです。

今までの「All About」は、どちらかと言うと基礎情報を把握できるコンテンツとして、どの分野でも非常に信頼できるコンテンツであったのですが、そのうえで実際に買っていただくところまでをお手伝いさせていただくポジションまで広げていきます。

行動支援の幅や深さの広がりということを進めていく部分になりますので、今後も積極的に伸ばしていきたいと思っています。それをもって、アクション領域でのビジネス強化、創出とスライドに書かせていただいています。

「サンプル百貨店」がテレビ通販チャネルを開始

コンシューマサービスセグメントでは、「サンプル百貨店」のトライが新たに始まっています。具体的には、日本テレビとの資本提携の一環となりますが、「サンプル百貨店」にはお客さまに商品を買っていただくさまざまなチャネルがあり、そこにテレビを追加していくということで、この秋からBS日テレで「ちょっプルTV」という番組を放送開始しています。

もともと「サンプル百貨店」がリアルサンプリングプロモーションというイベントを都内の有名ホテルで年に4回開催しており、1日で昼が500人、夜が500人で約1,000人くらいの会員のみなさまに、2日間にわたって来ていただいています。

実際に会員のみなさまを目の前にした記者会見のようなものとして、メーカーのみなさまに製品を発表していただくイベントがありますが、すごく盛況です。そのようなイベントをコンテンツとしてテレビに乗せることにチャレンジしており、ここでも商流強化に取り組んでいければと思っています。

また、「サンプル百貨店」自身のブランドを強化したり、サイトの集客を後押ししたりという効果もありますので、日本テレビと進めていきたいと考えています。

現在の事業ステージと将来イメージ

下半期の始まりということで、抜粋的にいくつかご紹介をさせていただきましたが、それらを受けての業績見通しです。まず、今のステージ感と将来イメージについてです。

現在は、シンプルに言いますと、コンシューマサービスの「サンプル百貨店」を中心に、しっかりとした事業成長を進めながら、その間に、19年にわたって取り組んでいる「All About」のメディアを中心としたマーケティングビジネス、マーケティングソリューションの事業転換を図り、先々の大きな成長につなげることを目指す転換期です。

トップラインは「サンプル百貨店」を中心に伸ばしていきますが、利益構造については投資をしながら、そのあとググッと上げていくことを狙っていくイメージです。とくに今期、来期が転換期だと思っていますので、手綱を緩めずに進めていきます。

【業績予想】2020年3月期 業績予想/配当予想

今期の収益予測です。マーケティングソリューションのところですが、転換を図っているなかで、通常とは違うオペレーションをいろいろと進めています。

コンテンツマーケティングの上期受注のところは、この短期間で言うと少し軟調になっていますので、下期への見込みを反映させていきます。また、事業構造転換に向けた投資はしっかり行います。そしてコンシューマサービスについては、引き続き伸ばしていきます。

このマイナスとプラスの部分を反映し、通期の業績予測はスライドの表のとおりです。5月9日の発表に対して、それぞれの指標は純利益以外はプラスで上方修正させていただきました。

戦略意図をしっかりと組みながら、下半期もチャレンジしていきます。

駆け足ではございますが、上半期のご報告と、この先で考えていることについてご紹介いたしました。ここで、私の説明を終わらせていただきたいと思います。

ここまでご拝聴いただきまして、ありがとうございました。

質疑応答:ネット広告業界のなかでの位置付けについて

質問者1:質問が2点ありまして、両方とも「PrimeAd」に関する部分です。まず、昨今のネット広告業界では、かなりいろいろなことが同時に起き、けっこう苦しんでいる会社も多いのかなと思っています。

ネット広告の業界全体が変化していくなかで、御社のコンテンツマーケティングの位置付け、もしくは御社の「PrimeAd」の位置付けが、業界の変化のなかでどういうかたちで……もしかしたら、今まで以上に光が当たるかもしれないですし、もしかしたらマイナスの部分もあるかもしれないですが、業界全体を見たときの位置付けを解説いただけますでしょうか。

江幡:今、コンテンツマーケティングを業界全体から見たときの位置付けについてご質問いただきましたが、弊社の考え方をご説明したいと思います。

まず、業界全体を見たときに、インターネットを活用したデジタルマーケティング全体は、総量がどんどん伸びているのは周知の事実かと思います。その中身を見ますと、やはり「運用型広告」の部分が一番伸びています。

一方、「All About」が多く手掛けている、各メディアのなかで、あるスペースで、ある時期に広告を出すというような「予約型」といったものは、伸びているものの運用型広告に比べると市場規模も成長率も下回る流れが続いているのが現状です。

運用型広告は、顕在化している、つまり今何かを買おうとしている人を刈り取っていく刈り取り型のマーケティングになりまして、刈り取りを続けていると、畑は荒れるということです。よって、畑を耕し、いろいろなものを育てなければいけないというのは当然です。また売り手サイドは、市場を育てていくことがどうしても必要になります。

その部分において、売り手であるメーカー、流通などが、いろいろなところでマーケティングのトライを進めています。旧来で言うと、例えばテレビにおいて、「新しい商品が出ましたよ」といったCMを流し、そのあとに雑誌で、「テレビで見たあの商品はこういうものだったのか」という流れで、深い理解が進むというかたちです。

ご存知のとおり、そうした媒体は接触時間や利用頻度が少し減っています。かたやインターネットは、刈り取りしかないということで、ちょうどその間がぽかっと空いている状態が広がってきていると思っています。

実際にアメリカのマーケットでは、コンテンツマーケティングの領域は昨今非常に伸びております。日本には2年遅れくらいでその流れが来ると言われていますが、この分野にずっと身を置いている我々としては、この先も伸びていくということを現場の実感としても、広告主の声としても感じています。

一方で、コンテンツマーケティングを実施したいけれど手間がかかる、効果の指標がバラバラといったように、「ちょっと取り組みづらいよね」のような課題をお聞きしています。それを解決できれば、ビジネスとして大きくなるのではないかというところが、この数年、ずっと取り組んできた背景になります。

先ほどからご説明しているような取り組みによって、そのあたりを解消できるのではないかということで、主要な広告主のみなさまや代理店のみなさまとお話をしているなかで、「いけそうだね」という実感を、今まさに得ているところです。

そうは言いましても、既存のタイアップ広告もいろいろな媒体で動いています。調査にもよりますが、弊社調べではデジタルだけでもタイアップ広告市場は数百億円後半ぐらいありそうなのです。

この市場に対する整備が不十分な状態ですので、我々がよりよいかたちで市場に持って来れれば、非常に規模が大きくなります。さらにその市場で今までトライしていなかったお客さまに対して価値訴求ができれば、さらに伸びていく部分もあるということで、非常に大きくなると思っています。

質疑応答:アドフラウドについて

江幡:もう1点ですが、今のインターネット業界では、「アドフラウド」という大きな動きがあります。日本語に訳すと「広告詐欺」です。

インターネット広告においては、広告がクリックされたら広告主がいくら払うという、クリックあたりの課金、CPC(Cost Per Click)という指標がメジャーです。そのなかで、クリックしているのが人間なのか、システムが勝手にクリックしているのではないか、またクリックしたのはいいけれど、その瞬間にもう次のサイトに遷移して、実際にはそのクリックした広告はほとんど見てないのではないかといったことがあります。

大手グローバル企業のクライアントなどはその調査をしているのですが、そうしたデータを深掘りしていくと、けっこうな割合で不正が多いといったお話が持ち上がってきています。

また広告主としては、自社商品のことを悪く言われているブログの横に自社の広告が出たら困ります。しかし、そうしたところでも平気で広告が出ているような仕組みがあります。

アドテクノロジーの進化によって、場所というよりは人にターゲティングしておりますので、その人が見ている場所に広告が出ていくため、そうしたことを管理できていないという問題もあります。また、競合他社の広告と一緒に表示されるようなことも管理できていません。

この一連の出来事を総称してアドフラウドを言っておりまして、「業界側がこの対策をしっかりと進めないと、もう広告は出せないね」というように、ブランドを大切にする大きな広告主は言い出しています。

よって、しっかりとその対策をしていて、きちんとしたコンテンツを作っているメディアや、アドフラウド対策を仕組み上でしっかり実施しているメディアにしか広告を出さないという流れが、先々に来ると思っています。

我々は、その場所で非常に成長できるのではないかということで、いち早くその準備をして、今回、新たなプラットフォームの開発を推進をしています。

前半のお話とこのお話を含めて、成長できるポテンシャルが非常に大きいと考えています。

質疑応答:「PrimeAd」の受注状況について

質問者1:まさに今、プラットフォーム化しているサービスの受注活動をされている最中だと思うのですが、この上期の受注活動について、先ほど御社の自社コンテンツマーケティングの受注があまり(好調ではない)ということでしたが、この「PrimeAd」の受注活動はどういうふうに総括されていらっしゃいますか?

江幡:まだ正式なサービスというよりは、お客さまにトライアルしていただきながらというところで、プラットフォームの構築に貢献していただくような受注が多いです。

具体名は申し上げられませんが、みなさまもよくご存知の家電メーカーや化粧品メーカーなどが「おもしろいね」ということで、1,000万円から3,000万円単位で発注いただき、お試しいただくものが増え続けているのが現状です。

我々の手応えとしては、もちろん売上の数字もそうですが、定性的な評価も含めて手応えを感じているところです。

ここは引き続き、来期に向けてもどんどん進めていきたいと思っています。

質疑応答:「ちょっプルTV」や「Facebook navi」について

質問者2:御社の株主さま、数十名を担当している証券会社の者なのですが、株主さまから「聞いてほしい」と頼まれているものが4点あります。

1つは、先月始まった「ちょっプルTV」の手応えについてです。これは再放送していますよね? いつ、新しいバージョンが放送されるのかというのが1つ目の質問です。

また、先ほど「今年の災害等は今のところ影響ない」とおっしゃっていましたが、昨年は災害によって少し減益になっていますよね。数パーセントほど数字が上がってきたのは決算のあと、10月かと思いますが、このあたりで今年はどのような状況でしょうか、というのが2つ目です。

そして、御社は2年前に7億円の自社株買いをされています。自社株の活用プランや、消却の予定はあるかという質問です。

もう1つ、御社は「Facebook navi」を展開していますが、ちょうど今、Facebookは「Libra」で騒がれていますよね。そこで、御社とFacebookがどういう関係なのかという質問です。この4つについて、お願いします。

江幡:「ちょっプルTV」の再放送についてですが、今のところ、6ヶ月で4本で、11月中旬からは2本目が始まると思います。本番は早朝に流しており、そういう意味ではシニアを意識しているところで、次の回を楽しみにしていただければと思います。

そして、災害のところですが、影響がまったくないわけではありません。千葉県の状況、また東北や東関東の河川の氾濫などで、被災されたみなさまは物を買うどころではありませんので、当然影響はゼロではありません。

数字の部分で言いますと、去年の災害影響よりは小さいですし、11月は少なくとも復調しており、長引いていません。影響はありますが、去年ほどではないということです。

次に、自社株については現在のところ消却していません。新たな資本業務提携など資本政策や、M&Aなど、フレキシビリティを担保するため、自社で持っています。

また、社内の優秀な人材確保のために、株式報酬といったものも検討しており、その原資にもなると考えていますので、今は保持している状態です。有効活用していきたいと思っています。

次が、「Libra」についてです。現時点で「Libra」に関するビジネスというのは検討していません。国際的には、まずはFacebook社自身が「Libra」をどうするのかということを言われていますし、少なくとも金融当局はあまりよろしくないと思っていますので、まだそのフェーズまで来ていません。

当然ながら「Facebook navi」は、Facebookの日本での普及を主旨としていますので、そうしたものが始まれば、そうしたものを後押ししていくポジションを担わせていただこうと思っています。

ほかに、ご質問はよろしいでしょうか。

今回は上期のご報告ということで、途中経過の報告になりましたが、ひと言で申し上げると、コンシューマサービスで事業収益を伸ばしながら、マーケティングソリューションでネクストを作り、さらにその先で第3の柱を別に1つ作るということです。

このあとも、大きな成長を持続できるような転換期におりますので、そのあたりは、いろいろなかたちで随時開示させていただきながら、ご報告したいと思います。引き続き、ご支援を賜れれば幸いでございます。

本日は、決算発表会にお越しいただきまして、ありがとうございました。これで終了とさせていただきます。

記事提供:ログミーファイナンス

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。