4. ルームエアコンは保有が認められる、貴金属や株式は認められない
普及率による判断のほかに、品目ごとに扱いが示されているものがあります。
4.1 ルームエアコンは処分させることを適当としない物
問答は、ルームエアコンについて、社会通念上処分させることを適当としないものとして保有を認めてよいとしています。
4.2 趣味装飾品は処分価値の小さいものなら保有できる
局長通知は、趣味装飾品について、処分価値の小さいものは保有を認めるとしています。処分価値が大きいものは、最低生活の維持のために活用することが求められます。
4.3 貴金属と債券、株式や投資信託は保有が認められない
局長通知は、貴金属と債券の保有を認めないとしています。問答は、株券、国債証券、投資信託の受益証券など資産形成に資する有価証券も保有を認められないとしています。
ただし、保護を申請した時点で、未公開株券など直ちに処分することが難しい有価証券を持っている場合で、一定期限の到来により処分可能になるものに限り、売却益を受け取った時点で生活保護法第63条(費用返還)を適用することを条件に保護を適用して差し支えないとされています。
5. 保護費をやり繰りして生活用品を買うときに確かめたいこと
生活用品は、保護費のやり繰りで買い替えることもあります。保有の判断とあわせて、お金の使い方の考え方も確認しておきます。
5.1 保有を認められない物の購入は資産とみなされることがある
問答は、保護費のやり繰りで生じた預貯金について、使用目的が生活保護の趣旨目的に反しなければ保有を容認してよいとしています。一方で、保有の認められない物品の購入など、趣旨目的に反する使い道の場合は、活用すべき資産とみなさざるを得ないことを説明したうえで、状況に応じて収入認定や保護の停止・廃止を行うとしています。
5.2 地域の単位は市町村や福祉事務所の区域が基本
普及率を判断する「当該地域」は、通常は福祉事務所の所管区域か市町村の行政区域が単位です。実情に応じて、市の町内会や町村の集落などを単位として取り扱って差しつかえないとされています。
同じ品目でも、住んでいる地域によって判断が変わることがあります。購入の前に福祉事務所へ相談するのが確実です。
6. まとめ
生活保護で保有できる生活用品は、利用の必要性と、その地域の全世帯の70%程度という普及率を目安に判断されます。テレビや楽器、カメラは「その他の物品」として扱われ、ルームエアコンは保有が認められています。
一方、貴金属や債券、株式や投資信託は保有が認められません。家電の買い替えなどを考えるときは、購入の前に担当のケースワーカーへ相談しておきましょう。
参考資料
鶴田 綾