年末調整の書類を勤務先から受け取る時期が近づいてきました。20歳を過ぎた子どもの国民年金保険料を親がまとめて払っている家庭では、その分も申告できるのかが気になるところです。
日本年金機構によると、令和8年中に国民年金保険料を納めた人に向けた「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」は、書面の場合、10月23日(金)から11月上旬にかけて順次送られます。国民年金保険料は全額が社会保険料控除の対象です。
この記事では、控除証明書が届く時期と見方、年末調整で添付が必要な理由、家族の保険料を払った人が控除を受けるときの決まりを、日本年金機構と国税庁の案内をもとに確認します。
1. 国民年金保険料の控除証明書は10月23日から11月上旬にかけて順次届く
まずは、令和8年分の国民年金保険料の控除証明書が、いつ・誰に届くのかを日本年金機構の案内で確認します。
1.1 1月から9月に納めた人には11月上旬までに届く
令和8年1月1日から9月30日までの間に国民年金保険料を納めた人には、書面の控除証明書が10月23日から11月上旬にかけて順次送られます。マイナポータルなどで電子データを受け取る設定をしている人には、10月16日から10月下旬にかけて電子データで届き、書面は郵送されません。
10月1日から12月31日までに初めて納めた人は、書面なら令和9年2月上旬、電子データなら令和9年1月下旬からの送付です。証明書は、保険料を払った人ではなく被保険者本人あてに届きます。
1.2 控除証明書の「納付済額」と「見込額」の合計で申告できる
ハガキ版の控除証明書には、1月1日から9月30日までに納めた「納付済額」と、10月1日から12月31日までに納める見込みの「見込額」、その2つを足した「合計額」が載っています。年末調整は12月までの1年分で申告するため、見込額があれば合計額を使えます。
ただし、国民年金の第1号被保険者でない人や、令和9年3月分または令和10年3月分までの保険料を前納している人には見込額が表示されません。令和8年4月分から8月分に未納の月がある人も、口座振替やクレジットカードで納めている場合を除いて見込額は出ません。
2. 国民年金保険料の社会保険料控除、年末調整では控除証明書の添付が必要
国民年金保険料を社会保険料控除に入れるときは、控除証明書を添付するか提示することが決められています。国税庁の案内をもとに、年末調整と確定申告での扱いを見ていきます。
2.1 給与所得者の保険料控除申告書に添付する
会社員やパートで年末調整を受ける人は、勤務先に出す「給与所得者の保険料控除申告書」に国民年金保険料の額を書き、控除証明書を添付します。国税庁は、国民年金の保険料については金額を証明する書類を申告書に添付するか提示する必要があると説明しています。
控除できる金額は、その年に実際に支払った金額の全額です。上限はないため、家族の分を含めて払った額をそのまま申告できます。
2.2 確定申告は令和9年1月以降の提出なら明細書で代えられる
令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に出す場合は、控除証明書の添付に代えて、記載事項を書き写した明細書を添付することもできます。
一方で、年末調整ではこの明細書は使えません。勤務先に出すときは、届いた控除証明書そのもの(電子データの場合は印刷した書面)が必要です。
3. 家族の国民年金保険料を払った人も社会保険料控除を受けられる
社会保険料控除は、自分の保険料だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族の保険料を払った場合にも受けられます。家族の国民年金保険料を払うときの決まりを確認します。
3.1 生計を一にする子どもや配偶者の保険料が対象
国税庁は、納税者が自分または自分と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合に、その支払った金額を所得から差し引けるとしています。20歳以上の学生の子どもの国民年金保険料を親が払った場合は、払った親の社会保険料控除に入れられます。
生計を一にしているかどうかは、保険料を支払った時点で判断して差し支えないとされています。子どもが年の途中で独立して生計が別になった場合は、生計を一にしていた期間に払った分だけが親の控除の対象です。
3.2 1年前納なら口座振替で21万530円、その年の控除にできる
国民年金保険料は、まとめて前払いする「前納」を選ぶと割引があります。令和8年度の1回あたりの納付額は次のとおりです。
- 毎月納付:1万7920円
- 6カ月前納:10万6300円
- 1年前納:21万530円
- 2年前納:41万7150円
納付書やクレジットカードで払う場合は、6カ月前納が10万6650円、1年前納が21万1220円、2年前納が41万8510円です。国税庁は、前納した期間が1年以内のものは、払った年の社会保険料控除の対象にしてよいとしています。
たとえば4月に子どもの1年分を口座振替で前納した親は、その21万530円を令和8年分の社会保険料控除に入れられます。
国民年金保険料の控除証明書は、1月から9月に保険料を納めた人に10月23日から11月上旬にかけて順次届き、年末調整では添付が欠かせません。生計を一にする家族の保険料を払った人も、その金額を自分の社会保険料控除に入れられます。
子どもの分を払っている場合、証明書は子ども本人あてに届きます。勤務先に保険料控除申告書を出す前に、家族あての郵便物も含めて手元にそろっているか確かめておきましょう。
ここからは、2年前納や過去の分をまとめて払ったときの控除の受け方と、控除証明書をなくしたときの再交付の方法を見ていきます。