年末調整の季節が近づいてきました。年末調整は、1年の間に給与から源泉徴収された所得税の合計と、1年分の税額を一致させる精算の手続きです。

国税庁が令和8年9月に公表した「令和7年分 民間給与実態統計調査」(e-Statでは2026年9月29日に公開)では、年末調整を行った人が4744万人にのぼり、1年を通じて勤務した給与所得者5163万人の9割を超えています。同じ調査には、年末調整を行った人が受けた控除の人数や平均控除額もまとめられています。

年末調整の書類を書く前に、1年の給与と税金がどのような分布になっているかを知っておくと、手続きの意味がつかみやすくなります。勤務先から書類が配られる前に、家族の状況や、生命保険料などの支払いを思い出しておくのもよいでしょう。

本記事では、同じ調査から、平均給与と給与階級別の人数、年末調整で受けた控除の平均控除額を一覧で確かめます。

1. 【年末調整の時期に確かめたい平均給与】1年を通じて勤務した給与所得者は平均487万円、年収500万円を超える人は37.7%

令和7年12月31日時点の給与所得者は、国税庁の「令和7年分 民間給与実態統計調査」で6080万人とされており、そのうち1年を通じて勤務した人は5163万人です。この5163万人について、平均給与と給与の分布を見ていきます。

1.1 平均給与は487万円、男性597万円・女性342万円、正社員559万円・正社員以外210万円

1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円で、前の年から1.9%増えました。男女別では男性597万円、女性342万円、正社員(正職員)は559万円、正社員(正職員)以外は210万円です。ここでの給与は、1年間の給料・手当と賞与を合わせた額面の金額(通勤手当など非課税のものは含まない)で、働き方や年齢、勤続年数がさまざまな人を含んだ平均です。区分ごとの金額の違いには、働く時間や業種、年齢構成など、さまざまな理由が考えられるでしょう。平均給与は、自分の給与を振り返るときの目安の一つとして使うのがよいでしょう。

1.2 給与階級別では300万円超400万円以下が799万人で最も多く、500万円を超える人は37.7%

給与階級別に人数を見ると、いちばん多いのは300万円超400万円以下の799万人(構成比15.5%)で、2番目は400万円超500万円以下の792万人(同15.3%)です。統計表の人数から計算すると、1年を通じて勤務した給与所得者5163万人のうち、年間の給与が500万円を超える人は37.7%、300万円以下の人は31.5%になります。

給与階級別の給与所得者数(令和7年分)1/2

給与階級別の給与所得者数(令和7年分)

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」をもとにLIMO編集部作成

平均は、給与の高い一部の人の影響を受けやすい数字だと考えられます。平均給与の487万円だけでなく、給与階級ごとの人数もあわせて見ると、給与に大きな幅があることが見えてくるでしょう。こうした割合は、給与の金額ごとに人数がどう分かれているかを示すものです。

2. 【源泉徴収で所得税を納めた人は4175万人】1年を通じて勤務した給与所得者の80.9%、年末調整を行った人は91.9%

給与から差し引かれる所得税は、毎月の給与や賞与を受け取るときに源泉徴収され、多くの場合は年末調整で1年分が精算されます。同じ調査から、所得税を納めた人と、年末調整を行った人の数を見ていきましょう。

2.1 源泉徴収で所得税を納めた人は4175万人、税額は12兆9141億円

同調査では、源泉徴収で所得税を納めた人が4175万人で、1年を通じて勤務した給与所得者5163万人の80.9%にあたります。その税額は12兆9141億円で、前の年から17.0%増えています。自分が1年でどのくらい所得税を納めたかは、年末調整を終えたあとに確かめておくとよいでしょう。

2.2 年末調整を行った人は4744万人、1年を通じて勤務した給与所得者の91.9%

また、1年を通じて勤務した給与所得者5163万人のうち、年末調整を行った人は4744万人で、91.9%にあたります。国税庁の「給与所得者(従業員)の方へ(令和8年分)」によると、大部分の給与所得者は、年末調整によってその年の所得税の納税が完了することになるとされています。年末調整は、多くの給与所得者にとって1年の税金の区切りになる手続きといえるでしょう。

ここまでをまとめると、平均給与は1年を通じて勤務した給与所得者で487万円、人数がいちばん多い給与階級は300万円超400万円以下でした。年末調整を行った人は4744万人で、多くの人にとって、年末調整が1年の所得税の精算の場になっています。

平均給与の数字はニュースなどで目にすることが多い一方で、自分の給与とそのまま並べると、受け止め方が難しいこともあります。それは今回の調査の平均には、働き方や年齢、勤続年数がさまざまな人が含まれているためです。給与階級ごとの人数もあわせて見ると、給与にはかなりの幅があることがわかります。

年末調整の時期は、1年分の給与と差し引かれた税金をまとめて振り返る、よい機会でもあります。今年の給与や家族の状況を思い出しながら、書類の準備を少しずつ進めていくとよいでしょう。自分の1年の給与の動きや、手元に残ったお金をあらためて見てみると、来年からの家計を考えるときの手がかりにもなるでしょう。