3. 【会社の資本金で見ると?】資本金10億円以上の株式会社は692万円、2,000万円未満は416万円
同じ調査では、事業所が属する会社の資本金などで分けた平均給与も示されています。資本金2,000万円未満の株式会社では416万円、資本金10億円以上の株式会社では692万円でした。個人の事業所では289万円です。
事業所の規模と会社の資本金は、別の物差しだと考えておくとよいでしょう。求人票などで勤め先の規模を見るときは、働く場所の人数なのか、会社全体の規模なのかを分けて考えると、数字を読み違えにくくなります。求人票を見比べるときも、事業所の人数と会社全体の規模のどちらが書かれているのかを確かめるようにしましょう。たとえば、大きな会社に勤めていても、支店ごとに給与を支払っている場合は、働く事業所の人数が少なければ、1章の一覧では小さな規模の区分に入ります。
こうした一覧は、転職先を選ぶときの参考にはなりますが、年収は仕事の内容や役割、勤続年数などによっても変わります。規模だけで判断するのではなく、仕事の中身や働き方とあわせて考えていきたいところです。
ここまでをまとめると、令和7年分の民間給与実態統計調査で、事業所の規模別の平均給与は1~4人の380万4000円から1,000~4,999人の556万2000円まででした。年収1000万円を超える人の割合は、5,000人以上の事業所で11.7%、全体では6.6%です。平均の金額と年収ごとの人の割合をあわせて見ると、自分の年収の位置をつかみやすくなります。
4. 【源泉徴収票が届いたら】自分の年収と、これからの見通しを確かめる
自分の年収を確かめて、これからの計画に生かすには、次の3つの順で考えると整理しやすくなります。
まず、源泉徴収票で1年分の給与を確かめましょう。国税庁によると、勤め先は源泉徴収票を、すべての受給者に翌年の1月31日までに交付することとされています(年の途中で退職した場合は、退職の日以後1か月以内)。源泉徴収票の「支払金額」欄には、その年に支払いが確定した給与等の総額が書かれています。今回の調査の平均給与と同じように、給料・手当と賞与を合わせた金額として比べることができます。毎月の手取りを12か月分足した金額とは違う点に注意しましょう。
また、今回の平均給与は、1年を通じて勤務した人の数字です。年の途中で就職した年は、支払金額が1年分の給与にならないため、そのまま比べることはできません。転職した年は、前の勤め先の給与を含めて年末調整をしたかどうかで、支払金額に含まれる給与が変わります。比べるときは、どの期間の給与が書かれているのかもあわせて確かめておきましょう。
次に、年収の動きを確かめましょう。去年や一昨年の源泉徴収票が手元にあれば、支払金額を並べてみると、自分の年収が増えているのか、横ばいなのかがわかるでしょう。昇給やボーナスの決まり方は会社によって違うため、勤め先の給与規程や人事の説明もあわせて確かめておくとよいでしょう。
そして、これからの働き方とお金の計画を考えていきましょう。転職や異動を考えるときは、事業所の規模や会社の大きさだけでなく、仕事の内容や働く時間、賞与の決まり方などもあわせて比べることが大切です。年収の見通しがある程度立ったら、毎月の家計の中でどれくらいを貯蓄や将来の備えに回せるかを確かめ、無理のない計画を立てていきましょう。
5. まとめにかえて
令和7年分の民間給与実態統計調査では、1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は487万円でした。事業所の規模別では、1~4人の380万4000円から1,000~4,999人の556万2000円まで、5,000人以上は547万5000円です。
源泉徴収票で自分の1年分の給与を確かめ、年収の動きと働き方をあわせて見ていくことが、これからの家計の計画を立てるための第一歩になります。
数字を見るときは、自分と同じような働き方や役割の人の水準を思い浮かべながら、これから年収をどう育てていきたいかを考えるきっかけにしてみてください。源泉徴収票を毎年とっておき、支払金額を並べてみるだけでも、自分の働き方の歩みが見えてきます。家計の見直しや将来の備えを考えるときの、身近で確かな材料になるでしょう。
年収の伸び方は、人によってさまざまです。数字と向き合うことは、自分のこれまでの働き方を振り返り、これからの選択肢を広げることにもつながります。自分のペースで年収と家計の計画を見直していきましょう。
参考資料
宮野 茉莉子
