国税庁が2026年9月に公表した令和7年分の民間給与実態統計調査では、1年間を通して勤めた給与所得者5,163万人の平均給与が487万円となり、前の年から1.9%増えました。同じ調査では、働いている事業所の従事員の数(事業所の規模)ごとの平均給与も公表されています。

転職や就職を考えるとき、「規模の大きな職場のほうが年収も高いのでは」と気になる方もいるでしょう。勤め先の規模によって年収の目安がどのくらい変わるのかは、働き方を考えるうえで知っておきたい点です。年末から年明けにかけては、勤め先から1年分の給与が書かれた源泉徴収票を受け取る時期でもあります。

本記事では、事業所の規模ごとの平均年収と、年収1000万円を超える人・300万円以下の人の割合を一覧で確かめます。あわせて、会社の資本金で分けた平均給与と、自分の年収を確かめるときのポイントも整理します。

1. 【事業所の規模別の平均年収一覧】100~499人で476万円、1,000~4,999人は556万2000円

調査の「事業所規模別及び給与階級別の総括表」をもとに、1年間を通して勤めた人の平均給与を、事業所の従事員の数ごとに並べます。ここでいう平均給与は、1年間の給料・手当と賞与を合わせた金額です。

1.1 事業所規模別【平均年収の一覧】

  • 1~4人:380万4000円
  • 5~9人:413万5000円
  • 10~29人:453万6000円
  • 30~99人:454万5000円
  • 100~499人:476万円
  • 500~999人:509万6000円
  • 1,000~4,999人:556万2000円
  • 5,000人以上:547万5000円

 

すべての規模を合わせると486万6000円で、これが冒頭の487万円にあたります。

事業所の規模別の平均給与(令和7年分・1年を通じて勤務した給与所得者)1/2

事業所の規模別の平均給与(令和7年分・1年を通じて勤務した給与所得者)

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」をもとにLIMO編集部作成

図表からは、事業所の規模によって平均給与の目安が変わることがうかがえます。一方で、いちばん大きな区分の5,000人以上が、最も高いわけではありません。数字の並びを見るときは、規模の大小だけで決めつけず、ひとつの目安として受け止めることが大切です。

ここでの規模は、会社全体ではなく、働いている事業所(本社・支店・工場など)の従事員の数だという点に注意しましょう。支店ごとに給与を支払い、源泉徴収をしている場合は、大きな会社の小さな支店で働く人も、小さな規模の事業所に数えられます。

また、平均給与の水準は、事業所の規模だけで決まるものではありません。業種や、正社員とそれ以外の働き方の人の割合、年齢の構成など、さまざまな理由が考えられます。一覧の数字は、自分の職場の位置を大まかにつかむための目安として見るとよいでしょう。自分の年収を、いちばん近い規模の数字と比べるだけでなく、全体の平均とも並べてみると、位置をつかみやすくなります。

2. 【年収1000万円を超える人の割合は?】5,000人以上の事業所では11.7%、1~4人では3.7%

同じ表では、給与の金額ごとの人数もわかります。それぞれの規模の事業所で1年を通じて勤務した給与所得者のうち、年間の給与が1000万円を超える人の割合を出すと、1~4人で3.7%、5~9人で5.0%、10~29人で4.8%、30~99人で3.6%、100~499人で4.5%、500~999人で6.4%、1,000~4,999人で10.6%、5,000人以上で11.7%です。全体では6.6%でした。1,000~4,999人と5,000人以上の区分では、年収1000万円を超える人がおよそ10人に1人以上となっています。

事業所の規模別 年収1000万円超・300万円以下の人の割合(令和7年分)2/2

事業所の規模別 年収1000万円超・300万円以下の人の割合(令和7年分)

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」をもとにLIMO編集部作成

こうした割合の違いには、仕事の内容や役職、勤続年数の構成など、さまざまな理由が考えられます。年収1000万円を超える人の割合が高い区分でも、そこで働く人の多くは1000万円以下です。高い年収の人がいる職場かどうかだけでなく、自分の役割でどのくらいの収入を目指せるのかを考えておくとよいでしょう。

反対に、年間の給与が300万円以下の人の割合は、1~4人で49.2%、5,000人以上で33.4%、全体では31.5%でした。規模ごとの割合は図のとおりです。自分の年収と照らし合わせるときは、平均の金額だけでなく、こうした割合もあわせて見ておくとよいでしょう。

平均の金額だけでなく、どのくらいの年収の人がどれだけいるのかを見ると、同じ規模の事業所の中にも、さまざまな年収の人が働いていることがわかります。年収が300万円以下の人には、短い時間で働く人なども含まれていると考えられるため、自分と同じ働き方の人と比べることが大切です。平均の金額と年収ごとの人の割合を並べてみると、同じ規模の職場の姿を、より立体的にとらえやすくなるでしょう。