ソニー銀行が2026年9月25日に公表した、同行に口座を持つ人を対象とした調査では、家計に不安を感じている人は53.8%で、最も不安なものとして「老後資金の不足」を挙げた人も19.4%いました。

今年も約2カ月で終わりとなり、今年の貯蓄を振り返るとともに、来年の家計や貯蓄を考え始める方もいるでしょう。

本記事では、総務省統計局の家計調査から、世帯主が65歳以上で仕事をしていない世帯(二人以上の世帯)の平均貯蓄額と、その中身を確かめます。平均の金額だけでなく、預貯金や有価証券などの内訳と、前の年からの増え方・減り方も見ていきましょう。

記事の後半では、65歳以上の世帯の貯蓄の分布と中央値、夫婦の毎月の家計収支、2026年度の年金額、高齢者世帯の暮らし向きも紹介します。

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1. 【65歳以上の無職世帯の平均貯蓄額】2494万円で6年ぶりに減少、口座保有者への銀行調査では家計の見通し「悪くなる」が26.3%

2026年5月に公表された総務省統計局の家計調査(貯蓄・負債編)の2025年平均の結果を見ると、二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の無職世帯では、1世帯あたりの貯蓄現在高は2494万円でした。前年に比べて66万円、2.6%少なく、6年ぶりの減少です。世帯主が65歳以上の無職世帯は、二人以上の世帯の32.0%を占めています。

1.1 65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別(2025年と2024年)

貯蓄の種類ごとに、2025年と2024年の金額を並べると次のとおりです。

  • 貯蓄現在高:2494万円(2024年は2560万円・66万円減)
  • うち定期性預貯金:778万円(2024年は859万円・81万円減)
  • うち通貨性預貯金:766万円(2024年は801万円・35万円減)
  • うち有価証券:510万円(2024年は501万円・9万円増)
  • うち生命保険など:426万円(2024年は394万円・32万円増)
  • うち金融機関外:13万円(2024年は6万円・7万円増)

いちばん多いのは定期性預貯金の778万円で、普通預金などの通貨性預貯金の766万円とあわせると、貯蓄の6割あまりを預貯金が占めています。前の年と比べると、定期性預貯金は9.4%、通貨性預貯金は4.4%減った一方で、有価証券は1.8%増えました。

世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別(二人以上の世帯)1/2

世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄の種類別(二人以上の世帯)

出所:総務省統計局「家計調査結果」をもとにLIMO編集部作成

1.2 65歳以上の無職世帯の貯蓄現在高の推移(2020年〜2025年)

同資料の推移の表から、貯蓄現在高を年ごとに並べてみましょう。

  • 2020年:2292万円
  • 2021年:2342万円
  • 2022年:2359万円
  • 2023年:2504万円
  • 2024年:2560万円
  • 2025年:2494万円

2024年までは増加が続いていましたが、2025年は預貯金を中心に減っています。年金だけでは足りない分を、預貯金から取り崩している世帯も多いと考えられます。

2. 今後1年の家計の見通し「悪くなる」は26.3%

冒頭で紹介したソニー銀行の調査では、今後1年の家計の見通しを「悪くなる」と答えた人は26.3%で、「良くなる」の6.4%を大きく上回りました。ただし、この調査は同行に口座を持つ人が対象で、年代を高齢者に限ったものではありません。預貯金が減った今回の家計調査の結果とあわせて見ると、物価の上昇が続くなかで、家計の先行きを慎重に見ている人は少なくないと考えられます。

2494万円と聞くと、多くの蓄えがあるように感じるかもしれません。ただ、これは貯蓄の多い世帯も少ない世帯もならした平均です。平均と比べて焦るよりも、わが家の貯蓄が何に、どのくらいあるのかを知っておくことが大切でしょう。中身を知っておくと、これからの使い方も考えやすくなるはずです。

世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯)の平均貯蓄額は、2025年に2494万円で、6年ぶりに減りました。内訳では預貯金が減る一方で有価証券は増えています。年代を限らないソニー銀行の調査でも、家計の先行きを慎重に見る人は少なくないと考えられます。