「去年と同じくらい、今年もふるさと納税をしておこう」。年末が近づき、そう考えている方もいるのではないでしょうか。

ただ、今年は転職や働き方の見直し、休職などで、年収が去年より下がった方もいるかもしれません。ふるさと納税で自己負担2000円を除いた全額が控除される上限は、去年ではなく、寄附をした年(1月〜12月)の所得で決まります。

ここでは、去年の年収が500万円、今年の年収が400万円になった独身の会社員をモデルに、上限がどれだけ変わるのか、去年と同じ額を寄附すると自己負担がいくらになるのかを、総務省と国税庁の資料で試算します。

※編集部:本記事のケースは、総務省と国税庁の資料をもとに設定した試算例です。

1. 上限は?寄附した年の所得で決まる

総務省のふるさと納税ポータルサイトによると、ふるさと納税による税の軽減は「1月〜12月」の年単位で、その1年間の所得に対する課税の中で取り扱われます(総務省「よくある質問」)。

控除は、所得税と住民税の3つの部分に分かれています。

ふるさと納税で控除される3つの部分と、それぞれの上限です。1/6

ふるさと納税で控除される3つの部分

出所:総務省「ふるさと納税のしくみ 税金の控除について」をもとにLIMO編集部作成

ポイントは3つ目の「特例分」です。特例分は住民税所得割額の2割が上限で、これを超えると3つの控除を合計しても全額は控除されず、実質の負担が2000円を超えます(総務省「税金の控除について」)。

住民税の所得割額は、その年の所得から計算されます。今年の年収が下がれば所得割額も下がり、全額が控除される寄附額の上限も下がります。

2. 500万円→400万円なら?上限は約4万2000円

では、年収が500万円から400万円に下がると、上限はどう変わるのでしょうか。総務省の計算式に当てはめて試算しました。

独身の会社員で、年収が500万円(2025年)から400万円(2026年)に下がったときの上限の目安です。2/6

年収500万円と400万円のふるさと納税の上限の目安

出所:総務省「ふるさと納税のしくみ 税金の控除について」、国税庁「No.2260 所得税の税率」をもとにLIMO編集部作成

年収500万円の年は上限の目安が約6万1000円でしたが、年収400万円の年は約4万2000円に下がりました。差は約1万9000円です。

年収が下がると、住民税の所得割額が減って特例分の上限が下がります。同時に所得税率も10%の区分から5%の区分に下がるため、所得税から控除される額も小さくなります。

※試算の前提:収入は給与だけで、社会保険料は年収の15%、ほかの所得控除は基礎控除だけとしています。住民税は所得割の税率10%、基礎控除43万円、調整控除2500円で計算しました。所得税の基礎控除は、2025年分は68万円、2026年分は令和8年度税制改正後の104万円です。所得税率には復興特別所得税を含みます。実際の上限は、社会保険料やほかの控除、お住まいの自治体によって変わります。

3. 去年と同じ額だと?自己負担は約1万8000円

年収400万円の年に、去年の上限と同じ6万1000円を寄附した場合を試算しました。

年収400万円の年に寄附した額ごとの、控除額と自己負担です。3/6

年収400万円の年の寄附額ごとの控除額と自己負担

出所:総務省「ふるさと納税のしくみ 税金の控除について」をもとにLIMO編集部作成

  • 【4万2000円を寄附】控除は合計4万円で、自己負担は2000円
  • 【5万円を寄附】特例分が上限の3万4100円で止まり、自己負担は8650円
  • 【6万1000円を寄附】特例分が上限の3万4100円で止まり、自己負担は1万7988円

去年と同じ6万1000円を寄附すると、自己負担は約1万8000円になり、上限内に収めた場合より約1万6000円多くなります。上限を超えた分は、ほぼそのまま自分の負担になると考えておくとよいでしょう。

※自己負担2000円は、1回ごとの寄附ではなく、1年間(1月〜12月)の寄附の合計に対してかかります(総務省「よくある質問」)。

ここからは、年末までに寄附するときの期限と、上限を見積もるときに手元で確かめたいことをみていきます。