夫が自営業やフリーランスで、国民年金だけに加入している世帯もあるでしょう。もし夫が亡くなったら、妻はどんな年金を受け取れるのか、具体的に知らない方も多いのではないでしょうか。
日本年金機構によると、国民年金から支給される遺族基礎年金の対象は「子のある配偶者」と「子」です。厚生労働省の統計では、自営業者などが加入する国民年金の第1号被保険者は1368万人(2024年度末)にのぼります。
この記事では、国民年金だけに加入していた夫が亡くなった場合に、子のない妻が受け取れる年金と、その金額の目安を整理します。
1. 自営業の夫が亡くなると、子のない妻は遺族基礎年金を受け取れない
夫が会社員か自営業かによって、妻が受け取れる遺族年金は大きく変わります。
1.1 遺族基礎年金は「子のある配偶者」か「子」だけ
国民年金の遺族基礎年金を受け取れるのは、亡くなった人に生計を維持されていた「子のある配偶者」または「子」です。ここでいう子は、18歳になった年度の3月31日までの子、または20歳未満で障害等級1級・2級の子を指します。
子がいない妻や、子がすでに18歳の年度末を過ぎている妻は、遺族基礎年金を受け取れません。
1.2 会社員の妻との違いは「遺族厚生年金」
夫が会社員として厚生年金に加入していれば、子がいなくても妻は遺族厚生年金を受け取れます。夫が亡くなったときに妻が40歳以上65歳未満なら、65歳になるまで中高齢寡婦加算(2026年度は年63万5500円)も上乗せされます。
自営業の夫は厚生年金に加入していないため、遺族厚生年金も中高齢寡婦加算もありません。
2. 代わりに受け取れるのは「寡婦年金」か「死亡一時金」
国民年金には、第1号被保険者だけを対象にした独自の給付として、寡婦年金と死亡一時金があります。両方の条件を満たしていても、受け取れるのはどちらか一方です。
2.1 寡婦年金:60歳から65歳まで、夫の老齢基礎年金の4分の3
寡婦年金は、次の条件を満たす妻が、60歳から65歳になるまで受け取れる年金です。
- 夫の第1号被保険者としての保険料納付済期間と免除期間が、合わせて10年以上ある
- 夫との婚姻関係(事実婚を含む)が10年以上続いていた
- 夫に生計を維持されていた
- 夫が老齢基礎年金や障害基礎年金を受け取ったことがない
金額は、夫の第1号被保険者期間だけで計算した老齢基礎年金の4分の3です。妻が老齢基礎年金を繰り上げて受け取っている場合は、受け取れません。
2.2 死亡一時金:夫の納付月数に応じて12万〜32万円
死亡一時金は、第1号被保険者として保険料を36月以上納めた人が、老齢基礎年金・障害基礎年金を受け取らないまま亡くなった場合に、生計を同じくしていた遺族が受け取れる一時金です。金額は保険料の納付月数で決まります。
- 36月以上180月未満:12万円
- 180月以上240月未満:14万5000円
- 240月以上300月未満:17万円
- 300月以上360月未満:22万円
- 360月以上420月未満:27万円
- 420月以上:32万円
付加保険料を36月以上納めていた場合は、8500円が加算されます。