3. 生活保護の被服費で布団類が認められるのは保護開始時など3つの場面

災害以外でも、布団類の費用が一時扶助の被服費として認められることがあります。局長通知が挙げているのは、次の3つの場面です。

  • 保護開始時
  • 長期入院・入所後に退院・退所した場合
  • 犯罪等により被害を受け、または同一世帯に属する人から暴力を受け、安全の確保のために新たに借家等に転居する場合

いずれも、今使っている布団類がまったくないか、まったく使えなくなっていて、代わりのものがない場合が対象です。

3.1 布団類は再生が1組1万5300円以内、新規購入が2万2500円以内

上限額は、再生で対応できる場合が1組につき1万5300円以内、新しく買う必要がある場合が1組につき2万2500円以内です。

局長通知は、本人が使っていたものを再生して使うことを第一に考え、みだりに新しい布団類を支給しないよう留意するとしています。支給量は、世帯の人数や構成、健康状態、住まいの広さ、布団類の保有状況などを踏まえて決めるとされています。

3.2 布団類や平常着の被服費は現物給付が原則

これらの場面での被服費は、現物給付を原則とすると定められています。お金を受け取って自分で買うのではなく、物そのものを支給する形が基本です。

4. 学童服の被服費は小学校4年生に進級する児童に限られる

保護開始時や退院・退所時に着る服がない場合の平常着と、学童服について特別の需要があると認められた場合の被服費は、1人あたり1万5800円以内です。学童服にあたる場合は、実施要領等の問答で次のように示されています。

学齢期の児童については、活動が活発な一方、成長が著しいため、学童服等が自然消耗前に使用不能となることから、小学校第4学年に進級する児童に限り認められるものであること。

出所:厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」

同じ問答では、学童服の被服費と、買い換えに関わる入学準備金は併せて支給して差し支えないとされています。

5. 出産・入院・失禁のときに認められる生活保護の被服費

布団類や平常着のほかにも、暮らしの変化に合わせて被服費が認められる場面があります。局長通知が定める上限額は次のとおりです。

  • 出産を控えて新生児のための寝具、産着、おむつ等を用意する必要がある場合:5万8400円以内
  • 入院に際し、寝巻またはこれに相当する被服がまったくないか使用に堪えない場合:4900円以内
  • 常時失禁状態にある患者(介護施設入所者を除く)等が紙おむつ等を必要とする場合:月額2万6400円以内

5.1 布おむつや洗濯代も基準額の範囲内で認められる

問答では、常時失禁状態にある患者等が布おむつ、貸おむつ、おむつの洗濯代を必要とする場合も、基準額の範囲内で支給してよいとされています。

短期入所生活介護や短期入所療養介護の利用が月の2分の1を超える場合は、その月のおむつ代を利用日数の割合に応じて減らして計算する扱いです。

6. まとめ

生活保護の被服費は毎月の生活扶助でまかなうのが基本で、一時扶助は緊急やむを得ない場合に限られます。災害救助法の救助が行われない災害で布団類や衣類を失った場合は、冬季なら2人世帯まで4万300円以内、4人世帯まで6万8200円以内が上限です。

保護開始時や退院・退所時の布団類、小学校4年生に進級するときの学童服、出産や入院の準備なども、それぞれ上限額が定められています。必要になったときは、買う前に福祉事務所の担当ケースワーカーに相談しておきましょう。

参考資料

鶴田 綾