4. 基礎控除の収入区分は、通勤費などを差し引く前の収入で決まる
基礎控除額表のどの区分を当てはめるかは、厚生労働省の通知で決め方が示されています。
4.1 給料は収入総額で認定し、社会保険料などは実費で控除する
実施要領は、勤めて得る収入について、基本給、勤務地手当、家族手当、超過勤務手当などの収入総額を認定するとしています。
勤労収入を得るための必要経費としては、基礎控除のほか、社会保険料、所得税、労働組合費、通勤費などの実費が認められます。
4.2 区分は実費を差し引く前の額で当てはめる
基礎控除の収入区分は、勤労収入の場合、通勤費などの実費を控除する前の収入額で当てはめます。
賞与などの臨時的な収入を分割して認定する場合は、分割した額をそれぞれの月の収入に加えて区分を決めます。
5. 新規就労控除は月1万2900円、20歳未満控除は月1万1900円
基礎控除のほかにも、勤労控除には条件に応じて差し引かれるものがあります。
5.1 新規就労控除は働き始めた月から6か月間
新規就労控除は、中学校や高等学校などを卒業して継続性のある職業に就いた人や、入院などのやむを得ない事情でおおむね3年以上働けなかった人が、新たに働き始めた場合に月1万2900円を控除するものです。
控除は、はじめて継続性のある職業に就いた月から6か月間に限られます。
5.2 20歳未満控除は単身者などには適用されない
20歳未満の人が働いている場合は、月1万1900円が収入から控除されます。
ただし、単身者や、配偶者または自分の子どもだけと独立した世帯を営んでいる人などは対象になりません。
6. 働いて得た収入は毎月申告する
勤労控除が正しく適用されるためには、収入の申告が欠かせません。
6.1 収入に変動があったらすみやかに届け出る
生活保護法第61条は、収入や支出などの生計の状況に変動があったときは、すみやかに保護の実施機関に届け出るよう定めています。
実施要領も、収入に関する申告を書面で行わせ、証明する資料があれば必ず提出させるとしています。給与明細は毎月そろえておくと、申告がしやすくなります。
6.2 控除の扱いは福祉事務所で確認する
どの控除がいくら適用されるかは、収入の種類や世帯の働き方によって変わります。
働き始める前や収入が変わりそうなときは、地区を担当するケースワーカーに、基礎控除額表のどの区分になるかとあわせて確認してください。
参考資料
- 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和36年4月1日厚生省発社第123号)
- 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」(昭和38年4月1日社発第246号)
- 厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」
- 厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」
- 政府統計の総合窓口(e-Stat)「被保護者調査」
- e-Gov法令検索「生活保護法」
鶴田 綾