生活保護を受けながら仕事を探していると、ハローワークへ通う交通費や面接のための身だしなみなど、細かな出費が続くことがあります。

生活保護には、早期に働いて保護から抜けられると判断された人が積極的に求職活動をする場合に、月5000円を支給する就労活動促進費があります。厚生労働省の通知「生活保護法による保護の実施要領について」に定められた取り扱いです。

この記事では、就労活動促進費の額と支給期間、対象になる人の条件を確認します。

※生活保護は、国が生活に困っているすべての国民に、困っている程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、自立を助けることを目的とした制度です(生活保護法第1条)。病気やけが、障害、高齢、失業、介護や子育てなど、受給に至る事情は一人ひとり異なります。本記事では、制度を必要とする方が安心して利用できるよう、制度の仕組み等をお伝えします。

1. 生活保護の就労活動促進費は月5000円、支給期間は原則6か月以内

就労活動促進費の額と期間は、実施要領の第7「最低生活費の認定」のなかに定められています。

1.1 延長は3か月以内を2回まで、最長1年

就労活動促進費は月額5000円で、支給対象期間は原則6か月以内です。

保護の実施機関が必要と認めた場合は、3か月以内の期間を2回まで延長でき、最長で1年まで支給されます。

就労活動促進費は月5000円。原則の6か月なら3万円、最長の1年なら6万円が上限1/2

生活保護の就労活動促進費について、原則の6か月、延長1回の9か月、延長2回の1年それぞれで受け取れる額の上限を示した棒グラフ

出所:厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」を参考にLIMO編集部作成

  • 原則(6か月):3万円
  • 延長1回(9か月):4万5000円
  • 延長2回(1年):6万円

1.2 就労が決まった月まで支給の対象になる

就労が決まった場合は、決まった月までが支給の対象です。

上の額は、各月の要件をすべて満たした場合の上限です。要件を満たさない月は支給されないため、実際に受け取る額はこれより少なくなることがあります。

2. 生活保護を受ける「その他の世帯」は2026年7月に25万9162世帯

高齢者世帯・母子世帯・障害者・傷病者世帯のいずれにもあたらない「その他の世帯」の数を、厚生労働省が2026年10月7日に公表した被保護者調査(令和8年7月分概数)で確認します。

2.1 保護停止中を除く世帯の15.8%

保護停止中を除く163万5284世帯のうち、「その他の世帯」は25万9162世帯で、15.8%でした。

前年同月より1939世帯減っています。

2026年7月の生活保護世帯のうち「その他の世帯」は25万9162世帯2/2

2026年7月の生活保護世帯数を、高齢者世帯・障害者・傷病者世帯・その他の世帯・母子世帯の世帯類型別に示した横棒グラフ

出所:厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」を参考にLIMO編集部作成

  • 高齢者世帯:90万3116世帯
  • 障害者・傷病者世帯:41万8114世帯
  • その他の世帯:25万9162世帯
  • 母子世帯:5万4892世帯

2.2 保護費は最低生活費と収入の差額で決まる

生活保護の保護費は、国の基準で計算した最低生活費から、働いて得た収入や年金などを差し引いた差額です。

就労活動促進費は、実施要領では最低生活費の認定の項目に置かれています。

3. 対象は「早期に就労による保護脱却が可能」と判断された人

就労活動促進費は、求職活動をしているすべての人に支給されるものではありません。

3.1 保護の実施機関の判断と活動の要件の両方が必要

実施要領は、早期に就労による保護脱却が可能と保護の実施機関が判断する人で、かつ決められた活動の要件をいずれも満たす場合に支給できるとしています。

支給は本人の申請にもとづいて行われます。

就労活動促進費は月5000円、原則6か月以内で最長1年まで支給されます。2026年7月時点で、生活保護世帯の15.8%が「その他の世帯」でした。

求職活動を始めるときは、福祉事務所で地区を担当するケースワーカーに、自分が対象になるかどうかを確かめられます。

続いて、支給の要件になっている求職活動の回数と、毎月の報告の仕方を見ていきます。