3. 医学的管理の下での出産は、出産扶助に3万円の範囲内で上乗せされる
出産扶助には、出産した施設の種類によって上乗せされる額もあります。実施要領は、一定の要件を満たす施設での出産について、3万円の範囲内の上乗せを定めています。
3.1 健康保険法施行令第36条の要件を満たす施設での出産が対象
病院、診療所、助産所などのうち、健康保険法施行令第36条各号の要件をすべて満たす施設の医学的管理の下での出産であると福祉事務所が認めるときは、基準額または38万8000円の特別基準に加え、3万円の範囲内で認定できます。
対象になるのは、同条第1号に規定する保険契約に関して、被保護者が追加で必要になる費用です。健康保険法施行令第36条は、医療保険の出産育児一時金で、産科医療補償制度に加入する医療機関などでの出産に額を加える要件を定めた規定です。
3.2 基準額に3万円を加えると36万6000円以内
2026年4月からの基準額33万6000円に3万円を加えると、36万6000円以内になります(LIMO編集部計算)。施設で分べんする場合の入院費用や、衛生材料費の加算はこれとは別です。
4. 新生児聴覚検査料も出産扶助の対象になる
出産扶助の対象は、分べんそのものの費用だけではありません。厚生労働省の通知では、新生児聴覚検査料を出産扶助の支給対象として扱ってよいとしています。
また、特別基準を使う場合の入院料について、施設の看護体制や地域の入院費用の実態から真にやむを得ないときは、同程度の看護体制の医療機関に入院した場合に医療扶助で認められる入院料の範囲内で認定できるとされています。
5. 生活保護を受けている母子世帯は5万4892世帯
厚生労働省の被保護者調査(令和8年7月分概数)で、生活保護を受けている世帯の類型を見ると、母子世帯は5万4892世帯でした。
【世帯類型別の世帯数(令和8年7月分概数・保護停止中を含まない)】
- 高齢者世帯:90万3116世帯(55.2%)
- 障害者・傷病者世帯:41万8114世帯(25.6%)
- その他の世帯:25万9162世帯(15.8%)
- 母子世帯:5万4892世帯(3.4%)
母子世帯は前年同月の5万8698世帯から3806世帯減りました。総数は163万5284世帯です。
6. 出産扶助の特別基準は、施設や出産の状況で決まる
出産扶助の基準額は2026年4月から33万6000円以内です。予定の施設で分べんできなくなったときは38万8000円以内、双子は基準額の2倍まで、医学的管理の下での出産は3万円の範囲で上乗せが認められます。
出産の予定が分かったら、出産する施設や予定日を早めに福祉事務所の担当のケースワーカーに伝え、どの費用が対象になるかを確かめておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「生活保護法による保護の基準」
- 厚生労働省「生活保護法による保護の実施要領について」
- 厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」
- 厚生労働省「被保護者調査(令和8年7月分概数)」
- 厚生労働省「生活保護制度」
鶴田 綾