出産は予定どおりに進むとは限りません。予定日より早く陣痛が始まったり、予約していた施設が満床だったりして、別の病院で産むことになる場合もあります。

生活保護の出産扶助の基準額は、2026年4月から33万6000円以内です。厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領」では、予定していた施設で分べんできなくなったときは38万8000円、双子のときは基準額の2倍まで認定できる特別基準を定めています。

この記事では、出産扶助の基準額と、特別基準が使える場合を確認します。

1. 生活保護の出産扶助の基準額は、2026年4月から33万6000円以内

出産扶助は、生活保護の8つの扶助の一つで、分べんの介助や分べん前後の処置、脱脂綿やガーゼなどの衛生材料にかかる費用が対象です。

1.1 基準額は31万8000円から33万6000円以内に引き上げられた

出産に要する費用の基準額は、2026年4月施行の改正で31万8000円以内から33万6000円以内になりました。

衛生材料費が必要な場合の加算も、6200円から6300円の範囲内に上がっています。

1.2 施設で分べんする場合は、8日以内の入院費用が加わる

病院や助産所などの施設で分べんする場合は、入院(8日以内の実入院日数)に要する必要最小限度の額が基準額に加算されます。範囲は、医療扶助で認められる入院基本料などを8日以内の実入院日数で算定した額の範囲内です。

予定の施設で分べんできなくなったときは38万8000円以内、双子のときは基準額の2倍まで認められます1/2

厚生労働省の2026年4月1日施行の生活保護実施要領等をもとに、出産扶助で認められる出産費用の上限を並べた横棒グラフ。基準額33万6000円以内、医学的管理の下での出産36万6000円以内、予定の施設で分べんできない場合38万8000円以内、双子67万2000円以内

出所:厚生労働省「2026(令和8)年4月1日施行 生活保護実施要領等」をもとにLIMO編集部作成

2. 予定の施設で分べんできなくなったときは、出産扶助の特別基準で38万8000円以内

実施要領では、真にやむを得ない事情で出産費用が基準額では足りないとき、出産扶助の基準額に代えて38万8000円の範囲内で必要な額を認定できるとしています。

2.1 「真にやむを得ない事情」にあたる3つの場合

厚生労働省の通知では、次のいずれかにあたる場合を「真にやむを得ない事情」としています。

  • 出産予定日の急変などで予定していた施設で出産するいとまがない場合、または予定していた施設が満床などで利用できない場合
  • 予約していた医師または助産師の都合で、その介助が受けられない場合
  • 傷病で入院している間に出産した場合

2.2 双子の出産は基準額の2倍まで

双生児を出産した場合は、基準額の2倍の額の範囲内で認定できます。2026年4月からの基準額で計算すると67万2000円以内です(LIMO編集部計算)。

予定の施設で分べんできなくなった事情にもあたる場合は、38万8000円の2倍が範囲になります。

生活保護の出産扶助は、基準額33万6000円以内を基本に、予定外の施設での分べんなら38万8000円以内、双子なら2倍まで広げられます。

出産する病院や助産所が決まったら、妊娠中のうちに福祉事務所の担当者に伝えておくと、急な変更があったときも相談しやすくなります。

次のページでは、医学的管理の下での出産に上乗せされる3万円と、出産扶助の対象になる検査を確認します。