北海道や東北、北陸では、これから本格的な雪の季節を迎えます。生活保護を受けている世帯では、10月または11月から冬季加算が毎月の保護費に上乗せされています。
厚生労働省の「生活保護法による保護の実施要領」では、冬の光熱費などにあてる冬季加算とは別に、豪雪地帯での除排雪の費用を「除雪費」として認定できると定めています。上限は冬季加算認定期間ごとに3万4000円です。
この記事では、除雪費が認められる条件と、地区ごとに違う冬季加算の期間と額を確認します。
1. 生活保護の除雪費は、豪雪地帯で通路の除排雪ができない場合に認められる
除雪費は、毎月の保護費に自動で入る加算ではありません。豪雪地帯に住み、雪をどかす手立てがない世帯について、福祉事務所が必要と認めた場合に認定される費用です。
1.1 対象は日常生活に必要な通路と避難路の確保
実施要領では、本人や親族、地域の支援では、日常生活に必要な通路・避難路を確保するための除排雪が難しい場合を対象としています。
豪雪地帯とは、豪雪地帯対策特別措置法第2条第1項に規定する豪雪地帯を指します。住んでいる市町村が指定されているかどうかが、最初の確認点になります。
1.2 上限は冬季加算認定期間ごとに3万4000円
除雪費は「特別基準の設定があったものとして」必要な額を認定する扱いで、上限は冬季加算認定期間ごとに3万4000円です。
毎月3万4000円ではなく、ひと冬の認定期間を通じた範囲である点に注意が必要です。実際に認定されるのは、その範囲内で必要と認められた額です。
2. 生活保護の冬季加算は、Ⅰ区からⅥ区の地区区分で期間と額が決まる
除雪費の上限を区切る「冬季加算認定期間」は、都道府県ごとに割り振られた地区区分で決まっています。生活保護法による保護の基準では、冬季加算はⅠ区からⅥ区の6区分です。
2.1 Ⅰ区とⅡ区は10月から4月、Ⅲ区とⅣ区は11月から4月まで
Ⅰ区(北海道・青森県・秋田県)とⅡ区(岩手県・山形県・新潟県)は10月から4月まで、Ⅲ区(宮城県・福島県・富山県・長野県)とⅣ区(石川県・福井県)は11月から4月まで加算されます。
Ⅴ区(栃木県・群馬県・山梨県・岐阜県・鳥取県・島根県)とⅥ区(その他の都府県)は、11月から3月までの5か月間です。
【単身世帯の冬季加算(月額)】
- Ⅰ区(10月から4月):1万2780円
- Ⅱ区(10月から4月):9030円
- Ⅲ区(11月から4月):7460円
- Ⅳ区(11月から4月):6790円
- Ⅴ区(11月から3月):4630円
- Ⅵ区(11月から3月):2630円
2.2 冬季加算の額は級地ではなく地区区分と世帯人員で決まる
冬季加算は生活扶助の第2類に加わる額で、市町村ごとの級地による差はありません。同じ地区区分であれば、1級地でも3級地でも単身世帯の額は同じです。
Ⅰ区とⅡ区は加算される期間が7か月と長く、月額もほかの区より高く設定されています。
生活保護の除雪費は、豪雪地帯で通路や避難路の除排雪を自力や周りの支援でまかなえない場合に、冬季加算認定期間ごとに3万4000円の範囲で認められる費用です。冬季加算とは別に、必要と認められた額が支給されます。
自分の地域の地区区分と冬季加算の期間は、毎月の保護決定通知書の金額とあわせて、担当のケースワーカーに確かめられます。
次のページでは、除雪費と混同しやすい雪下ろしの費用の扱いと、世帯人員別の冬季加算の額を確認します。