「上の子一人だけなら、ちょっとした用事も15分でも預けられれば済ませられるのにな…」第二子を出産後、そんな悩みを抱えたことはありませんか?1歳に満たない赤ちゃんがいると、近所でちょっとした用事を済ませるにも準備が必要です。ましてやそれが双子だったら。「一人でも大変なんだから双子ママはきっと困っているはず」今回、筆者はそんな思いを行動に移してみました。

きっかけは「15分のお預かり」

筆者は2学年差の姉妹の母です。そのため、上の子が入園したときにはまだ次女を自転車に乗せることができませんでした。毎日抱っこひもに次女を入れ、バス停まで長女を送っていました。ある日、長女の幼稚園に係としていかねばならず、次女をファミサポさんに預けることに。しかし、朝は戦争です。長女を送り出した家の中はグチャグチャ。とても外部の人に見せられる状態ではありません。

掃除をしようと次女を床に置くと、泣き出す始末。その声に焦り、作業は一向に進みませんでした。「どうしよう…早くしないと…」そんな気持ちでプチパニックに。次の瞬間、同じバス停のママ友の言葉が頭をよぎりました「いつでもうち連れてきていいよー」言われたときは社交辞令と受け止め、笑顔でお礼をいいましたが、今は必要に迫られています。ドキドキしつつも電話をかけると「今すぐ連れておいで!」と快く預かってもらえることになりました。

その隙に私は大急ぎで部屋の片づけとお預かりセットと準備。無事ファミサポさんに次女を預けて幼稚園に向かうことができました。その間たったの15分。あっという間に感じますが、子供の泣き声が聞こえないというだけで作業は大幅に進み、心にゆとりを持つことすらできたのを覚えています。

マンションに双子ちゃん誕生

それから数年。我が子たちはそろって幼稚園に通うようになり、筆者自身も日中の生活に余裕が出てきました。ある日、マンションを歩いていると次女の同級生ママから声をかけられました。「実は近々双子を産むんだよね」つまり、第二子と同時に第三子も!ママ友はワーキングママな上、実家も遠方です。お兄ちゃんは育休中も保育園に通うということだったので「上の子の用事で動きたいときはいつでも声かけてね!絶対だよ!!」と強めに伝えました。

それからしばらく経ち、ママ友は双子ちゃんを出産。三人育児が始まりました。最初はご実家からご家族がサポートに来てくれるというお話を聞いていたので、こちらからは何も動きませんでした。そしてある日。ママ友から連絡が入りました。「今日、少しだけ二人を見てほしい」。筆者はすかさずママ友の家に向かいました。

話を聞くとママ友はかなりの高熱。ですが、お兄ちゃんを今から迎えに行かなくてはならないといいます。急なことにシッターさんもファミサポさんも対応ができなかったそう。
しんどそうなママ友が去った後、筆者はまだ寝返りも打たない小さな双子ちゃんを30分間文字通り「見て」いました。子供を預かる資格などを持たないため、とにかく「呼吸をしているか」「おむつは大丈夫か」気を付けて過ごしました。

その日をきっかけに「ちょっとしたことでも声を掛け合おう」という話になり、雨の日や天候が怪しく雷の予報が出ている日など、双子ちゃんが我が家にやってくるようになりました。娘たちは近くにこんな小さな赤ちゃんがいたことがないため大喜び。次女が産まれた際長女はまだ2歳だったため当時の記憶はなく、あの頃より赤ちゃんに興味を示すようになっていました。双子ちゃんが来たときには、最近あまり聞くことのなくなっていた童謡のCDをかけながら踊ってあげたり、トントンしてあげたり。二人の心にも優しさが芽生えた気がしています。

双子ママの気持ち