3. 国家公務員のボーナスは年4.70月分に引き上げ
人事院の勧告では、ボーナスも引き上げの対象になっています。直近1年間の民間の支給割合が4.72月だったことを踏まえた改定です。
3.1 2026年度は12月期に0.05月分を上乗せ
年間の支給月数は4.65月分から4.70月分へ0.05月分引き上げられ、期末手当と勤勉手当に0.025月分ずつ配分されます。2026年度は6月期が支給済みのため、12月期を期末手当1.2875月分、勤勉手当1.0875月分とする内容です。
2027年度以降は、6月期と12月期のどちらも期末手当1.275月分、勤勉手当1.075月分になります。
4. 公務員と民間の賃上げは数字に含まれるものが違う
公務員と民間の引き上げ額を並べるときは、それぞれの数字に何が含まれているかに注意が必要です。
4.1 民間の改定額には定期昇給も含まれる
民間の調査でいう「賃金の改定」は、定期昇給、ベースアップ、諸手当の改定などを指します。1人平均賃金は所定内賃金の平均で、時間外手当などの割増手当は含みません。
4.2 公務員の較差はベースアップに相当
人事院は、1万5056円の較差はいわゆるベースアップに相当すると説明しています。モデルで試算した定期昇給分を加えると、月収で約4.9%の給与改善になるとしています。
つまり、民間の4.4%は定期昇給を含む数字で、公務員の3.51%は定期昇給を含まない数字なのです。2つをそのまま並べて比べられない点は、押さえておきたいところです。
5. 地方公務員の給与改定は各自治体の判断になる
今回の閣議決定は地方公務員について、各地方公共団体が地方公務員法の趣旨に沿って適切に対応するよう要請しています。国家公務員の改定がそのまま地方公務員に当てはまるわけではありません。
地方公務員の給与は、それぞれの自治体が人事委員会の勧告などを踏まえて条例で定めます。勤め先の自治体の改定内容は、人事委員会の勧告や議会での審議の状況で確かめられます。
6. まとめにかえて
政府は10月9日、国家公務員の給与を人事院勧告どおり改定する方針を閣議決定しました。行政職俸給表(一)の職員の月給は平均1万5056円、ボーナスは年4.70月分への引き上げです。
民間企業の2026年の賃上げは1人平均1万3926円で、改定率は4.4%でした。定期昇給を含むかどうかで数字の意味が変わるため、比べるときは中身を確かめておきましょう。
自分の給与の改定内容は、公務員なら所属先の給与担当、会社員なら勤務先の人事部門に問い合わせると確認できます。
参考資料
- 内閣官房「公務員の給与改定に関する取扱いについて(令和8年10月9日閣議決定)」
- 内閣官房「内閣官房長官談話(令和8年10月9日)」
- 人事院「令和8年人事院勧告」
- 人事院「本年の給与勧告のポイントと給与勧告の仕組み」
- 厚生労働省「令和8年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」
- e-Gov法令検索「国家公務員法」
太田 彩子