物価の上昇が続くなか、今年の給料がどれだけ上がったのかは、公務員でも会社員でも気になるところです。国家公務員の給与は法律で決まるため、毎年の改定には決まった手順があります。
政府は2026年10月9日、国家公務員の給与を8月7日の人事院勧告どおり改定する方針を閣議決定しました。10月21日には、厚生労働省が民間企業の2026年の賃上げをまとめた「賃金引上げ等の実態に関する調査」を公表しています。
この記事では、国家公務員の月給の引き上げ額とその内訳を確認し、民間企業の賃上げ額を企業規模別まで見ていきます。
1. 国家公務員の給与は10月9日の閣議決定で人事院勧告どおり改定へ
まずは、国家公務員の給与がどう決まったのかを確認します。国家公務員法は、職員の給与は別に定める法律にもとづいて支給すると定めており、人事院の勧告を受けて政府が取り扱いを決めます。
1.1 閣議決定の内容
2026年10月9日の閣議決定「公務員の給与改定に関する取扱いについて」は、国家公務員の給与について次のように定めました。
一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)の適用を受ける国家公務員の給与については、去る8月7日の人事院勧告どおり改定を行うものとする。
出所:内閣官房「公務員の給与改定に関する取扱いについて(令和8年10月9日閣議決定)」
同じ日の内閣官房長官談話では、今年の勧告を、俸給とボーナスを5年連続で引き上げる内容と位置づけました。
1.2 月給は平均1万5056円(3.51%)の引き上げ
人事院が8月に示した勧告では、行政職俸給表(一)の職員と民間の従業員の給与に、月1万5056円(3.51%)の差がありました。この差を解消するため、2026年4月から月給を引き上げる内容です。
- 俸給:1万1179円
- 広域異動手当:2376円
- はね返り分(俸給の改定にともなう諸手当の増減):1501円
行政職俸給表(一)の職員の平均給与月額は、2026年4月時点で42万8451円でした。比べた民間の従業員は44万3507円で、この差が引き上げ額の基準になっています。
2. 民間企業の2026年の賃上げは1人平均1万3926円
次に、民間企業の賃上げを見ていきます。厚生労働省が10月21日に公表した「賃金引上げ等の実態に関する調査」は、常用労働者100人以上の民間企業を対象に、2026年の賃金の改定をまとめたものです。
2.1 改定率は4.4%で前年と同じ
1人平均賃金の改定額(予定を含む)は1万3926円で、前年の1万3601円を325円上回りました。改定率は4.4%で、前年と同じ水準です。
1人平均賃金を「引き上げた・引き上げる」と答えた企業は92.0%で、前年の91.5%から増えています。
2.2 企業規模で5401円の差
改定額は、企業の規模によって次のように分かれました。
民間企業の1人平均賃金の改定額は、5000人以上の企業で1万6680円、100人以上299人以下で1万1279円2/2
出所:厚生労働省「令和8年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」をもとにLIMO編集部作成
- 企業規模計:1万3926円(4.4%)
- 5000人以上:1万6680円(4.8%)
- 1000人以上4999人以下:1万5402円(4.7%)
- 300人以上999人以下:1万2912円(4.2%)
- 100人以上299人以下:1万1279円(3.9%)
5000人以上の企業と100人以上299人以下の企業では、改定額に5401円の開きがあります。規模が小さい企業ほど、改定額も改定率も低い傾向です。
国家公務員の月給は人事院勧告どおり平均1万5056円引き上げる方針が決まり、民間企業の2026年の賃上げは1人平均1万3926円でした。
自分の給与がどれだけ改定されたかは、給与明細の基本給や各手当の欄を前年と見比べると確かめられます。
ここからは、国家公務員のボーナスの支給月数と、公務員と民間で引き上げの数字に含まれるものの違い、地方公務員の扱いを確認していきます。