4. 請求から振り込みまでの流れ
遺族年金は、請求書を出してすぐに振り込まれるわけではなく、審査を経て年金証書が届いてから支払いが始まります。
4.1 年金証書が届くまで1カ月程度
年金請求書を提出してから1カ月程度で、日本年金機構から「年金証書」「年金決定通知書」と、今後の手続きを案内するリーフレットが自宅に届きます。
加入状況の確認が必要な場合は2カ月程度かかり、共済組合などから年金を受け取る権利がある方は2カ月以上かかる場合もあります。
4.2 振り込みは年金証書が届いてから約1〜2カ月後
年金の振り込みは、年金証書が自宅に届いてから約1〜2カ月後に始まります。
請求書を出してから最初の振り込みまでは、合わせて2〜4カ月ほどかかると見ておくと、当面の生活費の見通しを立てやすくなります。
その後は、請求時に指定した口座に、偶数月に2カ月分ずつ振り込まれます。
5. 請求の前後で注意したいこと
遺族年金の手続きでは、期限や届出、ほかの制度との関係にも目を配っておく必要があります。
5.1 遺族年金を受ける権利は5年で時効に
年金を受ける権利(基本権)は、権利が発生してから5年を経過すると、時効によって消滅します。
遺族年金の場合、時効の起算日は支給事由が生じた日の翌日です(時効期間は5年)。
時効が完成する前に請求できなかったやむを得ない事情がある場合は、その理由を書面で申し立てる取り扱いもありますが、請求が遅れると受け取れない分が出るおそれがあるため、早めの請求を心がけましょう。
5.2 「生計を維持されていた」かどうかが確認される
遺族年金を受け取れるのは、亡くなった方によって生計を維持されていた遺族です。
具体的には、亡くなった方と生計を同じくしていて(同居、または別居でも仕送りを受けていた、健康保険の被扶養者だったなど)、原則として年収が850万円未満の方が該当します。
亡くなった当時の年収が850万円以上でも、おおむね5年以内に退職や廃業などで850万円未満になると認められる場合は、遺族年金を受け取れます。
収入を確認する書類の提出を求められるのは、この要件を確かめるためです。
5.3 年金を受け取っていた方が亡くなったら、未支給年金の請求も
亡くなった方がすでに年金を受け取っていた場合は、遺族年金とは別に、亡くなった月分までのまだ受け取っていない年金(未支給年金)を、生計を同じくしていた遺族が請求できます。
年金を受けている方が亡くなったときの「年金受給権者死亡届」は、日本年金機構にマイナンバーが収録されていれば、原則として提出を省略できます。
死亡の連絡が遅れると、亡くなった後の分まで年金が振り込まれ、後から返還を求められる場合があるため、手続きの状況はあわせて確認しておきましょう。
5.4 児童扶養手当を受けている人は調整に注意
児童扶養手当を受けている方やその配偶者が遺族年金などの公的年金を受け取るようになると、児童扶養手当が支給停止または一部支給停止になる可能性があります。
該当する場合は、住んでいる市区町村の児童扶養手当の担当窓口に相談しておくと安心です。
6. まとめ:遺族年金の請求は、提出先と必要書類の確認から
遺族年金は、受け取る権利があっても年金請求書を提出しなければ支給が始まりません。
遺族基礎年金だけなら市区町村の役所、遺族厚生年金も請求するなら年金事務所や街角の年金相談センターが提出先で、マイナンバーを記入すれば一部の書類を省略できます。
請求してから最初の振り込みまでには数カ月かかり、受ける権利は5年で時効になるため、気持ちが落ち着いたら、まずは提出先と必要な書類を確認するところから始めてみましょう。
参考資料
- 日本年金機構「遺族年金ガイド 令和8年度版」
- 日本年金機構「遺族基礎年金を受けられるとき」
- 日本年金機構「遺族厚生年金を受けられるとき」
- 日本年金機構「年金の時効」
- 日本年金機構「年金を受けている方が亡くなったとき」
和田 直子