2. 【パートなどで1年を通じて働く女性の平均給与は179万円】正社員以外の女性は867万人

では、パートなどで働く女性は、実際にどのくらいの年収を受け取っているのでしょうか。国の統計で確かめておきましょう。

2.1 正社員以外の女性の平均給与は179万円、正社員の女性は444万円

国税庁が2026年9月29日にe-Statで公開した「令和7年分 民間給与実態統計調査」によると、パート・アルバイトなどを含む正社員(正職員)以外で、1年を通じて勤めた女性の平均給与は179万円でした。正社員(正職員)の女性の平均給与は444万円です。男女を合わせた正社員(正職員)以外の平均給与は210万円でした。

2.2 正社員以外で1年を通じて勤務した女性は867万人

同資料によると、1年を通じて勤務した給与所得者のうち、正社員(正職員)以外の人は1305万人で、そのうち女性は867万人でした。179万円は平均の金額で、扶養の範囲で働く人も、それより多く働く人も含まれていると考えられます。

正社員以外の女性の平均給与と、家族の年収の目安2/2

正社員以外の女性の平均給与と、家族の年収の目安

出所:国税庁「令和7年分 民間給与実態統計調査」、国税庁「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」をもとにLIMO編集部作成

平均の179万円は、扶養親族などの目安の136万円を上回り、配偶者特別控除の対象となる207万円以下の範囲に入る金額です。ただし、平均には働く時間も働き方もさまざまな人が含まれるため、自分の年収と比べる目安の一つとして見ておくとよいでしょう。また、配偶者特別控除の対象となる範囲でも、国税庁の「令和8年4月源泉所得税の改正のあらまし」の表では、配偶者の収入が上がるにつれて控除の金額は段階的に小さくなっています。目安の内側か外側かだけでなく、どのあたりから控除が少なくなるのかもあわせて見ておくと、働き方を考えやすくなるでしょう。

3. 【しゅふの仕事探しは年明けにまた活発に?】転職しゅふの平均年齢は47.0歳で過去最高

働き方を見直すタイミングとして、しゅふの仕事探しの動きも見ておきましょう。

3.1 9月に採用された転職しゅふの平均年齢は47.0歳(しゅふJOB調べ)

求人サイト「しゅふJOB」を運営する株式会社ビースタイルメディアが集計し、2026年10月15日に公表した調査によると、2026年9月に同サイトを通じて採用された転職しゅふの、応募時の年齢をもとにした平均年齢は47.0歳で、同じ条件で比べられる2016年7月以降で最も高くなりました(しゅふJOB調べ)。前月より0.4歳、前年同月より0.8歳上がっています。年齢別の構成では40代の割合が上がり、50代以上の割合も38.8%と、高い水準が続いています。

3.2 しゅふ求人の応募指数は102、年明けからまた上がる見込み(しゅふJOB調べ)

同社の別の調査では、2026年9月のしゅふ求人の応募指数は102で、3か月ぶりに100を上回りました(しゅふJOB調べ)。応募数は前年同月の約1.3倍で、しゅふ層の就職意欲は高い状態が続いていると同社はみています。例年の傾向では、年末にかけて子育て層の仕事探しは落ち着いて応募指数も下がり、年明けからはまた上がる見込みだと同社はみています。

40代、50代になってから働き方を見直す人もいると考えられます。年明けに仕事を探したり勤務時間を増やしたりするなら、年末のうちに今年の年収と来年の目安を確かめておくと、条件を選ぶときの手がかりになるでしょう。求人の時給や勤務時間を見るときにも、1年でいくらになるかを計算しておくと、目安との関係がわかりやすくなります。

4. 【12月の年末調整の前に】家族の今年の年収と、出し直す書類を確かめる

最後に、年末調整で何をすればよいのかを確かめておきましょう。

4.1 新しく扶養に入る家族がいれば、扶養控除等申告書を出し直す

先に紹介した国税庁のQ&Aによると、この改正で新たに扶養控除などの対象となる家族がいる人は、その旨を記載した扶養控除等申告書を勤め先に出すことになります。その際は、申告書にある「異動月日及び事由」という欄へ、「令和8年12月1日 改正」などと記載するよう案内されています。同じQ&Aでは、例年11月から書類を集める会社などが、改正を反映した書類を12月1日より前に受け取ってもよいとされています。勤め先から年末調整の案内が届いたら、早めに確かめておきましょう。

4.2 最後の給与が11月30日以前の人は、改正後の控除を受けるには確定申告などが必要

同資料によると、年末調整は、その年の最後に給与を支払うときに行われます。そのため、退職などで令和8年分の最後の給与を11月30日以前に受け取った人の年末調整では、改正後の控除は使われず、改正後の控除を受けるには確定申告などをする必要があります。同庁のQ&Aでは、年の途中で退職して年末調整を受けていない人も、改正後の控除を受けるには確定申告が必要としています。年の途中で仕事を辞めた人や、これから辞めることを考えている人は、この点も覚えておきたいところです。ただし、源泉徴収票の「源泉徴収税額」が0円の場合は、確定申告をしても還付される税金はありません。

4.3 家族の今年の年収の見込みと、来年の働き方を話し合う

次に、家族それぞれの今年の給与の合計と、12月までの見込みを書き出してみましょう。家族の給与明細をそろえておくと、今年の合計を出しやすくなるでしょう。そのうえで、来年は扶養の範囲で働くのか、勤務時間を増やして働くのかを家族で話し合っておくと、年明けの仕事探しや働き方の見直しにもつなげやすくなるでしょう。年末調整の書類は勤め先に出すものなので、配られたら家族の年収の見込みをもとに早めに記入しておきましょう。

目安が変わる今年は、家族でお金と働き方の話をするよい機会でもあります。数字を一緒に見ておくと、来年の働き方を考える材料にもなるでしょう。

5. まとめにかえて

まずは、家族それぞれの今年の給与の合計と、12月までの見込みを書き出しておきましょう。次に、年末調整の案内が届いたら、新しく扶養に入れる家族がいないかを確かめます。そして、来年の働き方を家族で話し合っておきましょう。

今年の12月の年末調整から、給与だけの場合の扶養親族と同一生計配偶者の年収の目安は136万円以下に上がりました。パートなどで1年を通じて働く女性の平均給与は179万円で、働き方の選び方は人によってさまざまです。

年収の壁は、働く時間を決めるときの一つの目安にすぎません。目安の内側で働くことも、目安を超えて働くことも、家族の事情やこれからのキャリアによって選べる道だといえるでしょう。数字の変わり目を知ったうえで、年末を、来年の働き方とお金の計画を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子