3. 求職者支援訓練の受講者は2024年度に3万8945人、就職率は6割台
実際にどれくらいの人が訓練を受け、仕事に就いているのでしょうか。厚生労働省がまとめた求職者支援訓練の実績を見ていきます。
3.1 受講者数は3年続けて3万人を超える
求職者支援訓練の受講者数は、2022年度が4万289人、2023年度が4万4699人、2024年度が3万8945人でした。2024年度の内訳は、基礎コースが6129人、実践コースが3万2816人です。
基礎コースは社会人としての基礎的な技能を、実践コースは就職を希望する職種で必要な実践的な技能を身につけるコースです。いずれも厚生労働大臣の認定を受けた民間の教育訓練機関などが実施しています。
3.2 分野別の就職率は医療事務や介護・医療・福祉が7割台
2024年度に終わった訓練の就職率は、実践コースが62.4%、基礎コースが60.9%でした。就職率は、訓練が終わって3か月後に雇用保険の適用される仕事に就いた人の割合で、訓練終了日に65歳以上の人は除いて計算されています。
- IT:62.6%
- 営業・販売・事務:61.8%
- 医療事務:70.0%
- 介護・医療・福祉:71.1%
- デザイン:57.8%
- 理容・美容:69.0%
- その他:60.5%
- 合計:62.4%
修了者などの人数がいちばん多かったのは営業・販売・事務の1万1050人で、デザインの9366人が続きました。就職率がいちばん高かったのは介護・医療・福祉の71.1%です。
4. 職業訓練受講給付金で足りないときは求職者支援資金融資も
月10万円の給付金だけでは、訓練中の生活費が足りない人もいるでしょう。その場合に使える貸付の制度があります。
職業訓練受講給付金を受ける人で一定の要件を満たす場合は、求職者支援資金融資を利用できることがあります。貸付額の上限は、単身者が月5万円、扶養家族がいる人が月10万円に、受講予定の訓練月数をかけた額です。
利率は2%(うち信用保証料0.5%)で、担保や保証人は要りません。手続きはハローワークで要件を確かめたあと、指定された労働金庫で行い、金融機関としての審査もあります。
給付金とは違い、借りたお金は利息を含めて返す必要がある点に注意しましょう。
5. 求職者支援制度の申し込みは住所地を管轄するハローワークで
訓練の受講申込みや給付金の手続きは、原則として住所地を管轄するハローワークで行います。制度の説明を受けてコースを選び、申し込んだあとは訓練実施機関の選考があります。
選考は学科試験や面接などで、合格しなければ訓練は受けられません。託児サービスのある訓練コースや、1日3時間の短時間のコースもあるので、事情に合わせて相談するとよいでしょう。
受講中と訓練終了後3か月間は、原則として月1回、ハローワークで職業相談を受けます。なお、法律には給付金の差し押さえや、税金などの公課を禁止する規定も設けられています。
6. まとめにかえて
求職者支援制度の職業訓練受講給付金は、雇用保険を受けられない人が無料の職業訓練を受ける間、月10万円が支給される制度です。本人収入が月8万円以下、世帯の金融資産が300万円以下などの要件をすべて満たす必要があります。
2024年度に始まった訓練の受講者は3万8945人で、実践コースの就職率は62.4%でした。一方で、出席の要件は厳しく、すぐに就職する意思がなければ受講できない点も押さえておきたいところです。
自分が要件を満たすか、どのコースが合うかは、お住まいの地域を管轄するハローワークで相談できます。コースの一覧は、ハローワークインターネットサービスでも探せます。
参考資料
- 厚生労働省「求職者支援制度のご案内」
- 厚生労働省「求職者支援制度に関するよくあるご質問」
- 厚生労働省「ハロートレーニング(求職者支援訓練)の受講者数・就職率」
- 厚生労働省「求職者支援資金融資のご案内」
- 厚生労働省「貧困・格差、低所得者対策に関する資料」
- 厚生労働省「職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律について」
太田 彩子