4. 配偶者の合計所得金額が62万円を超えると、配偶者の分の障害者控除は受けられない

配偶者の分の障害者控除を受けられるかどうかは、配偶者の所得で決まります。配偶者控除と配偶者特別控除のどちらの対象になるかで、扱いが分かれます。

4.1 障害者控除の対象になる同一生計配偶者は、合計所得金額62万円以下の配偶者

国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」によると、同一生計配偶者は、本人と生計を一にする配偶者(青色事業専従者等を除く)で、合計所得金額が62万円以下の人です。

配偶者の収入が給与だけなら、給与収入136万円以下が目安です。

4.2 配偶者特別控除の対象になる配偶者は、同一生計配偶者に当たらない

配偶者特別控除の対象は、配偶者の合計所得金額が62万円超133万円以下の場合です。この配偶者は同一生計配偶者に当たらないため、本人が配偶者の分の障害者控除を受けることはできません。

障害者控除は納税者自身が障害者の場合にも受けられるので、配偶者が自分で所得税を納める場合は、配偶者本人の所得から障害者控除を差し引くことになります。

4.3 同一生計配偶者の判定に、本人の所得の条件はない

同一生計配偶者の定義には、本人の合計所得金額の条件がありません。本人の所得が1000万円を超えて配偶者控除を受けられない人でも、配偶者の所得が62万円以下で障害者に当てはまれば、配偶者の分の障害者控除は受けられます。

5. 同居特別障害者の75万円は、特別障害者の配偶者と同居を常況としている場合

障害者控除の中で最も大きい75万円は、同居特別障害者に当たる場合だけです。同居の範囲と、手帳がまだ手元にない場合の扱いを確認します。

5.1 同居の相手は、本人・配偶者・生計を一にするその他の親族のいずれか

同居特別障害者は、特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族のうち、本人、本人の配偶者、本人と生計を一にするその他の親族のいずれかとの同居を常況としている人です。

5.2 身体障害者手帳を申請中でも、交付を受けられる程度の障害があれば障害者として扱われる

国税庁のタックスアンサー「No.1186」では、身体障害者手帳または戦傷病者手帳の交付を申請中の人や、交付を受けるための医師の診断書を持っている人の扱いが示されています。

申告書を出す時点で手帳を申請中か医師の診断書を持っていて、さらに12月31日など障害者かどうかを判定する時点で、手帳の交付を受けられる程度の障害があると認められれば、障害者(または特別障害者)に当たるものとして扱われます。

6. 年末調整では、配偶者の障害者控除は扶養控除等(異動)申告書に書く

配偶者控除と配偶者の分の障害者控除は、年末調整で出す申告書が別々です。配偶者控除等申告書だけでは、障害者控除は受けられません。

6.1 配偶者控除は配偶者控除等申告書、配偶者の障害者控除は扶養控除等(異動)申告書

国税庁「令和8年分 年末調整のしかた」によると、同一生計配偶者に係る障害者控除を受けるには、扶養控除等(異動)申告書に所定の事項を書いて勤務先に出す必要があります。

6.2 年の途中で配偶者が障害者に当てはまったら、異動の申告をする

年の途中で同一生計配偶者が障害者に当てはまることになった場合は、異動の申告を忘れずに行うよう、国税庁は勤務先向けに案内しています。

同一生計配偶者が障害者に当てはまる場合は、毎月の源泉徴収税額を計算するときの扶養親族等の数にも1人を加えます。

7. 配偶者が障害者なら所得税の控除は最大113万円、障害者控除は扶養控除等(異動)申告書で

配偶者が障害者で控除の要件を満たすのであれば、配偶者控除と障害者控除の2つの控除を同時に受けられます。

本人の合計所得金額が900万円以下なら、所得税は合計で65万円・78万円・113万円、住民税では59万円・63万円・86万円が控除されます。

なお、配偶者の分の障害者控除は、配偶者の合計所得金額が62万円以下であることが前提です。

また、年末調整では、配偶者控除等申告書とは別に、扶養控除等(異動)申告書に所定の事項を書いて出します。配偶者控除等申告書だけでは、障害者控除は受けられませんのでご注意ください。

障害の区分や同居の扱いでわからないことがあれば、勤務先の年末調整の担当部署や税務署で確かめておくと安心です。

参考資料

鶴田 綾