4. 就業者負担軽減支援金の4つの支給要件と、政令で決まる部分
法律案の要綱では、支援金を受け取れる人の要件が4つ挙げられています。ただし、どの要件も具体的な金額は政令で定めるとされ、法律案の段階では決まっていません。
4.1 法律案に書かれた4つの要件
法律案では、次の4つすべてに当てはまる人を支給の対象としています。あわせて、1月1日に日本国内に住所があることも条件です。
- 前年の勤労所得(給与の収入に応じて計算した額と、一定額を超える事業所得などの合計)が、政令で定める額を超えること
- 前年の合計所得金額が、扶養している子どもの有無と人数に応じて政令で定める額以下であること
- 住民税の所得割の額に政令で定める倍数を掛けた額と社会保険料控除額の合計から、前年の公的年金等の収入金額を引いた額が、政令で定める額を超えること
- 1月1日に配偶者がいる場合、配偶者の前年の合計所得金額が政令で定める額以下であること(2027年度と2028年度は適用しない)
3つめの要件により、働いていて、税と社会保険料の負担(公的年金等の収入を差し引いたもの)が現役並みの中低所得の高齢者も対象になりうるとされています。働いていない人や所得の低い人への対応は、別に検討するとされました。
4.2 支援額は前年の所得と子どもの人数で決まる
支援額は、前年の所得の額と、19歳未満の扶養している子どもの有無・人数に応じて政令で定めるとされています。2027年度と2028年度は、子どもの数え方を16歳未満の扶養親族とするとしています。
2027年度分の総額は、食料品にかかる1%分の消費税(国と地方の合計)の収入見込みを超えないように決めることになっています。いくら受け取れるかは、政令の公表を待つ必要があるのです。
5. 法律案では2029年度から配偶者の所得も要件に。いま確かめておきたい3つのこと
法律案どおりなら、つなぎの2年間が終わると就業者負担軽減支援金は本格的な制度に移ります。家族の状況によっては準備が必要になる点を整理しました。
5.1 公金受取口座の登録状況
職権による認定は、公金受取口座の登録者が対象です。登録しているかどうかは、マイナポータルのホーム画面にある「公金受取口座」の欄で確かめられます。
5.2 配偶者の氏名などを届け出る書面
法律案では、1月1日に配偶者がいて、前年の合計所得金額が政令で定める額を超える人は、その年の3月15日までに配偶者の氏名などを書いた書面を、配偶者の住所地の市区町村長に出すとしています。確定申告書に書き添えた場合は提出したものとみなす措置もあり、この規定は2029年1月1日から施行する予定です。
5.3 1月1日の住所
認定と支給は、1月1日に住んでいた市区町村が行うとされています。年の途中で引っ越した場合も、その年度の窓口は1月1日の住所地になる点に気をつけたいところです。
6. まとめにかえて
法律案が成立すれば、2027年4月から食料品の消費税率は2年間1%になり、就業者負担軽減支援金が年1回支給されます。法律案では、支援金の差し押さえを禁止し、税金もかけないとしています。
一方で、支援額や所得の基準は政令で決まるため、いまの時点で受け取れる額は分かりません。国会での審議の行方と政令の公表を見ながら、わからない点は住んでいる市区町村の窓口に問い合わせてみてください。
参考資料
- 内閣官房「社会保障国民会議」
- 内閣官房「飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入に関する大綱」
- 内閣官房・財務省「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案について」
- 内閣官房「租税及び社会保険料による負担の軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律案要綱」
- 総務省統計局「家計調査報告 ―月・四半期・年―」
太田 彩子