国税庁「令和7年分民間給与実態統計調査」によれば、日本の平均年収は487万円で対前年比1.9%増でした(2026年9月28日公表)。平均年収のニュースを目にするとキャリアや収入について考える機会が増えるでしょう。
中間管理職である部長や課長、係長として働いていると、自分の年収がほかの管理職と比べてどのくらいなのか、そしてこの1年で世の中の管理職の年収がどう動いたのかが気になるのではないでしょうか。賃上げの話題が続くなかで、役職ごとの金額の変化を知っておきたいという方も多いでしょう。賞与を含めた1年分の金額で見ると、役職ごとにどのくらいになるのかも知りたいところです。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、短時間労働者を含まない一般労働者のうち雇用期間の定めのない人について、部長級・課長級・係長級ごとに、月々の給与と年間の賞与の平均が示されています。本記事では、この2つから推定年収を計算し、前年の「令和6年賃金構造基本統計調査」の同じ表とも並べて、役職ごとにどう変わったかを見ていきます。
あわせて、伸びた分が月々の給与によるものか賞与によるものかという内訳や、前年の数字と比べるときに気をつけたい点、自分の年収を調査と同じ物差しで確かめる方法も、順を追って紹介します。
1. 【部長・課長・係長の推定年収一覧表】令和7年の調査で部長級は1020万1000円、課長級は872万1100円
令和7年賃金構造基本統計調査の役職別の表をもとに、推定年収を「きまって支給する現金給与額×12か月+年間賞与その他特別給与額」で計算すると、部長級は1020万1000円、課長級は872万1100円、係長級は685万6900円でした。きまって支給する現金給与額は、時間外勤務手当なども含めた6月分の給与で、税金や社会保険料を差し引く前の金額です。
この数字は、10人以上の常用労働者を雇う民営事業所で働く一般労働者のうち、雇用期間の定めのない人の平均です。人数は部長級が93万1330人、課長級が179万6950人、係長級が161万7180人で、平均年齢はそれぞれ53.1歳、49.5歳、45.4歳でした。役職についていない非役職者の推定年収は、497万8800円です。
部長・課長・係長の推定年収(令和6年と令和7年の賃金構造基本統計調査・短時間労働者を含まない)1/2
出所:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職」・厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職」をもとにLIMO編集部作成
同じ役職でも、勤め先の規模や業種によって金額は変わるため、全体の平均として受け止めることが大切です。また、推定年収は6月分の給与をもとにした推計なので、実際に受け取った1年分の金額とは違う点に注意が必要です。毎月の残業の多さや、年の途中で給与が変わったかどうかによっても、実際の年収は上下すると考えられます。役職ごとのおおよその水準をつかむための目安として見るようにしてください。
2. 【前年の調査と比べると】部長級は41万4200円、課長級は47万7500円、係長級は27万8300円高い
同じ計算を前年の令和6年賃金構造基本統計調査にあてはめると、推定年収は部長級で978万6800円、課長級で824万3600円、係長級で657万8600円でした。令和7年の調査と比べると、部長級は41万4200円、課長級は47万7500円、係長級は27万8300円高くなっています。前年の調査の推定年収に対する伸びは、部長級と係長級で4.2%、課長級で5.8%です。
部長級は令和7年の調査では1000万円を超えました。非役職者の推定年収も484万8800円から497万8800円へと13万円高くなっており、役職のある人もない人も、前年の調査より金額が上がっています。
厚生労働省の結果の概況でも、時間外勤務手当などを除いた月々の所定内給与額の前年からの増減率は、部長級で1.4%、課長級と係長級で3.4%の増加と示されています。賃上げの動きが、管理職の給与にも表れていると考えられます。ただし、これは毎年の調査で集計された人たちの平均どうしの比較で、同じ人の年収がこれだけ上がったという意味ではない点に注意が必要です。部長級の人数は前年の調査の95万5110人から93万1330人に変わっており、どのような人が部長級に含まれるかによっても、平均の金額は動くと考えられます。
ここまでをまとめると、令和7年の調査から計算した推定年収は、部長級で1020万1000円、課長級で872万1100円、係長級で685万6900円となり、前年の調査と比べて27万8300円から47万7500円高くなりました。自分の年収と比べるときは、同じ役職の数字を目安にしながら、勤め先の規模や業種、年齢の違いも頭に入れて読むことが大切です。
