4. 人事委員会勧告から地方公務員の給与が決まるまで

勧告が出ても、その日から給与が上がるわけではありません。地方公務員の給与は、地方公務員法の「条例で定める」という原則に沿って決まります。

4.1 勧告から条例改正まで

新潟県の資料では、人事委員会の勧告を受けて知事が取り扱いを決め、給与条例の改正案を議会に出し、議会が改正する流れを図で示しています。勧告は、そのための判断材料という位置づけです。

福岡県と京都府の資料では、ボーナスの引き上げを2026年4月1日にさかのぼって実施する内容です。岐阜県の資料では、2026年12月期の期末手当を1.2875月分、勤勉手当を1.0875月分としました。

4.2 勧告の対象にならない職員もいる

同じ地方公務員でも、勧告の対象から外れる人がいます。新潟県の資料によると、公営企業の職員と技能労務職員は、労使の交渉で給与を決める仕組みです。

地方公務員法では、都道府県と指定都市は人事委員会を置き、人口15万人以上の市と特別区は人事委員会か公平委員会を、人口15万人未満の市や町村は公平委員会を置きます。人事委員会のない市町村の扱いは、総務省の通知に書かれています。

5. 【総務省の通知】10月9日に地方公務員の給与改定で求めたこと

国家公務員の給与については、10月9日に人事院勧告どおり改定する方針が閣議決定されました。同じ日に総務省は、都道府県知事や人事委員会委員長などに向けて、総務副大臣名の通知を出しています。

5.1 人事委員会のない市町村は都道府県の調査結果も参考に

通知は、人事委員会の勧告や報告を踏まえつつ、地域の民間給与の状況を勘案して適切に対処するよう求めています。人事委員会を置いていない市と町村には、都道府県の人事委員会の公民給与の調査結果なども参考にするよう書かれています。

給与条例の改正は議会で十分に審議し、専決処分は避けることも求められました。改定の時期は、国の給与法の改正を待って行うことが基本とされています。

5.2 会計年度任用職員の給与も改定に準じて

通知では、会計年度任用職員の給与も常勤職員の改定に準じて扱うよう求めています。地域の実情を考える材料として、最低賃金も挙げられているのです。

ほかに、ボーナスのうち勤勉手当に人事評価を反映させること、地域手当は国の基準をもとに定めることなどが並びます。国の基準を超えて地域手当を定める場合は、議会と住民への説明が必要としています。

6. 国家公務員の人事院勧告と並べてみる

府県の勧告は、8月7日に出た人事院勧告(国家公務員)と同じ方向の内容です。人事院勧告では、月給の較差は1万5056円(3.51%)で、ボーナスは年4.65月分から4.70月分に引き上げるとしました。

行政職俸給表(一)の職員の平均年間給与は、26万6000円(3.7%)増えるとされています。8府県の月給の較差はいずれも1万1000円から1万3000円台で、国家公務員の1万5056円より小さい結果でした。

初任給は、国家公務員の一般職(大卒)が24万1500円に引き上げられます。沖縄県の大卒初任給24万1500円は、これと同じ額です。

7. まとめにかえて

2026年の都道府県の人事委員会勧告は、確認できた8府県すべてで月給とボーナスの引き上げを求めました。月給の差は1万1065円から1万3171円で、ボーナスは7府県で年4.70月分になります。

行政職などの平均年間給与は、資料に載っている5県で20万9000円から24万5000円増える見込みです。東京都など、まだ勧告が出ていない都道府県もこれから続きます。

改定の時期や額は、各議会の条例改正で決まります。家族の給与の見込みを知りたいときは、勤め先の人事・給与担当や、都道府県の人事委員会事務局に確かめてみてください。

参考資料

太田 彩子