3. 【雇用保険事業月報】高年齢求職者給付金の受給者は年40万人を超える
高年齢求職者給付金を受け取っている人は、どのくらいいるのでしょうか。厚生労働省の雇用保険事業月報で、年度ごとの受給者数と支給金額を見てみましょう。
3.1 2022年度から毎年度増えている
2022年度に38万5712人だった受給者数は、2025年度には42万1137人になりました。支給金額も、2025年度は1016億8500万円です。
- 2022年度:受給者数38万5712人、支給金額855億6300万円
- 2023年度:受給者数39万3326人、支給金額895億7200万円
- 2024年度:受給者数40万8429人、支給金額952億1100万円
- 2025年度:受給者数42万1137人、支給金額1016億8500万円
2024年度以前は決算値で、2025年度は精査中の値です。決算値の2024年度で支給金額を受給者数で割ると、1人あたり約23万円になります。
3.2 2026年8月は前年同月より2.8%増
月ごとに見ると、2026年8月の受給者数は2万7905人で、前年同月より2.8%増えました。支給金額は70億3000万円で、7.4%の増加です。
4. 高年齢求職者給付金は申請が遅れると受け取れる日数が減ることも
高年齢求職者給付金は、退職したら自動で振り込まれるものではありません。ハローワークでの手続きの期限と、受け取りまでの流れを確かめておきます。
4.1 期限は離職の日の翌日から1年
雇用保険法では、高年齢求職者給付金を受けようとする人は、離職の日の翌日から1年を経過する日までに、ハローワークに出向いて求職の申込みをし、失業の認定を受けなければならないと定めています。
注意したいのは、失業の認定を受けた日から期限の日までの日数が50日(または30日)に満たないときです。この場合、支給されるのはその日数分だけになります。
退職から時間がたつと、受け取れる額が減ることがあるのです。
4.2 待期と給付制限
求職の申込みをしてから失業している日が通算7日に満たない間は、支給されません。この7日間を待期といいます。
正当な理由がなく自己の都合で退職した場合などは、待期が終わったあと、1か月以上3か月以内の間でハローワークの所長が定める期間は支給されません。自分の退職がどれにあたるかは、離職票を持ってハローワークで確かめられます。
5. 高年齢求職者給付金と老齢年金を同時に受け取れるか
65歳を過ぎて退職する人の多くは、老齢年金も受け取っています。雇用保険の給付と年金の関係も確認しておきましょう。
5.1 調整の対象は65歳になるまでの老齢年金
日本年金機構は、特別支給の老齢厚生年金などの65歳になるまでの老齢年金と、雇用保険の失業給付は同時には受けられないと案内しています。ハローワークで求職の申込みをすると、年金が全額支給停止される仕組みです。
このページで調整の対象として挙がっているのは65歳になるまでの老齢年金で、65歳以上で受け取る高年齢求職者給付金には触れていません。自分の場合にどうなるかは、退職の前に年金事務所とハローワークの両方で確かめておくと安心です。
6. まとめにかえて
高年齢求職者給付金は、65歳以上で退職したときに受け取れる雇用保険の一時金です。離職前の1年間に被保険者期間が6か月以上あれば対象になり、加入1年以上なら50日分、1年未満なら30日分が支給されます。
2026年8月1日から日額の上限は7450円になり、月給30万円の人なら50日分で31万5350円が目安です。受給者は2022年度から毎年度増え、2025年度は42万1137人でした。
手続きが遅れると受け取れる日数が減ることがあるため、退職したら早めにハローワークへ行くことが大切です。給付制限の有無や年金との関係も含め、迷ったときはハローワークや年金事務所で相談してみてください。
参考資料
- 厚生労働省「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」
- 厚生労働省「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」
- 厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額」
- 厚生労働省「雇用保険事業月報・年報 結果の概要」
- e-Gov法令検索「雇用保険法」
- 日本年金機構「年金と雇用保険の失業給付との調整」
太田 彩子