株式会社帝国データバンクが2026年9月30日に公表した「『食品主要195社』価格改定動向調査 ― 2026年10月」によると、10月の飲食料品値上げは3153品目に上り、家計の負担感は増しています。

物価高が続く中、将来に向けて「わが家の貯蓄額」が気になる方もいるでしょう。

J-FLEC(金融経済教育推進機構)が公表する「家計の金融行動に関する世論調査2025年」によると、二人以上世帯における金融資産の中央値は720万円でした。

平均は1940万円ですが、6割を超える世帯が平均額を下回るのが実態です。本記事では、年代別の保有額に加え、50代で特に割合が低い生活設計の状況を確認します。

1. 二人以上世帯の金融資産、中央値は720万円で平均1940万円の4割に届かない

J-FLECの調査は、世帯主が20歳以上80歳未満で世帯員が2名以上の全国5000世帯を対象に、2025年6月20日から7月2日にインターネットモニター調査で行われました。ここでの金融資産には預貯金のほか、株式や投資信託、保険なども含まれ、預貯金のうち日常的な出し入れや引き落としに備えている部分は除かれます。

1.1 平均は一部の大きな金額に引き上げられ、中央値は720万円

中央値は、金融資産の少ない世帯から順に並べたときにちょうど真ん中にあたる世帯の額です。平均1940万円と中央値720万円の差は1220万円で、平均は保有額の大きい一部の世帯に引き上げられています。

1.2 金融資産保有額の分布(二人以上世帯)

  • 金融資産非保有:15.7%
  • 100万円未満:7.6%
  • 100万〜200万円未満:6.2%
  • 200万〜300万円未満:4.4%
  • 300万〜400万円未満:4.1%
  • 400万〜500万円未満:2.7%
  • 500万〜700万円未満:6.8%
  • 700万〜1000万円未満:6.7%
  • 1000万〜1500万円未満:9.5%
  • 1500万〜2000万円未満:6.2%
  • 2000万〜3000万円未満:9.3%
  • 3000万円以上:18.8%
  • 無回答:2.0%

「3000万円以上」が18.8%ある一方で、「金融資産非保有」も15.7%います。1500万円未満の区分を合計すると63.7%で、6割を超える世帯の金融資産は平均の1940万円を下回ります(LIMO編集部計算)。

2. 二人以上世帯の金融資産、年代別の平均と中央値は60歳代が2683万円・1400万円で最も多い

世帯主の年代別に見ると、平均・中央値とも60歳代が最も多く、20歳代が最も少なくなっています。

世帯主の年代別にみた金融資産保有額1/2

世帯主の年代別にみた金融資産保有額

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」をもとにLIMO編集部作成

2.1 年代別の金融資産保有額(平均・中央値)

  • 20歳代:平均525万円・中央値125万円
  • 30歳代:平均1096万円・中央値311万円
  • 40歳代:平均1486万円・中央値500万円
  • 50歳代:平均1908万円・中央値700万円
  • 60歳代:平均2683万円・中央値1400万円
  • 70歳代:平均2416万円・中央値1178万円

中央値は20歳代の125万円から60歳代の1400万円まで年代とともに増え、70歳代は1178万円です。50歳代の中央値700万円は、二人以上世帯全体の720万円とほぼ同じ水準でした。

3. 生活設計を立てている二人以上世帯は35.1%、50歳代は29.4%で最も低い

J-FLECの調査では、生活設計を立てているかどうかも尋ねています。二人以上世帯全体の回答は次のとおりです。

  • 生活設計を立てている:35.1%
  • 現在生活設計を立てていないが、今後は立てるつもりである:39.5%
  • 現在生活設計を立てていないし、今後も立てるつもりはない:25.4%

生活設計を立てている世帯の割合2/2

生活設計を立てている世帯の割合

出所:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査2025年(二人以上世帯調査)」をもとにLIMO編集部作成

3.1 50歳代は「今後は立てるつもり」が46.1%で最も高い

生活設計を立てている割合は、20歳代40.9%、30歳代33.8%、40歳代33.4%、50歳代29.4%と下がり、60歳代37.6%、70歳代39.8%で再び上がります。

50歳代は「立てていないが、今後は立てるつもりである」が46.1%で、どの年代よりも高くなっています。70歳代は「今後も立てるつもりはない」が31.2%でした。

3.2 年間収入が1200万円以上の世帯は47.7%、300万円未満は27.5%

年間収入別に見ると、生活設計を立てている割合は300万円未満が27.5%、500万〜750万円未満が33.8%、750万〜1000万円未満が42.9%、1200万円以上が47.7%でした。収入が多い区分ほど、生活設計を立てている割合が高い傾向です。

二人以上世帯の金融資産保有額は平均1940万円、中央値720万円で、年代別の中央値は20歳代125万円から60歳代1400万円まで開きがあります。生活設計を立てている世帯は全体で35.1%、50歳代では29.4%でした。

金融資産の額を平均や中央値と比べるのと同じように、わが家が生活設計を立てているかどうかも、調査の数字と並べて振り返ることができます。

ここからは、生活設計を立てている世帯が何年先まで考えているか、資金計画まで立てているかと、生活設計を書き出すときの手順を見ていきます。