5. 【もし会社を辞めたら?】雇用保険の基本手当は賃金日額のおよそ50〜80%
退職して次の仕事を探す間の収入を心配する人は多いでしょう。
「会社を辞めて、次の仕事を探すつもりです。仕事が決まるまでの間、収入が途切れてしまうのが心配です。」
先に答えると、雇用保険の受給要件を満たしていれば、基本手当を受け取れます。65歳以上で辞めた場合は、高年齢求職者給付金を一括で受け取る形になります。
5.1 基本手当は90〜360日分
ハローワークによると、基本手当を受け取るには、原則として離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あることが必要です。倒産や解雇などで離職した人は、離職の日以前1年間に通算6か月以上あれば対象になります。
1日あたりの額は、離職前6か月の賃金から計算した賃金日額のおよそ50〜80%(60〜64歳はおよそ45〜80%)で、賃金が低い人ほど率が高くなります。受け取れる日数は、年齢や加入期間、離職の理由によって90〜360日の間で決まります。
5.2 65歳以上は高年齢求職者給付金を一括で
65歳以上で失業した場合は、基本手当ではなく高年齢求職者給付金が支給されます。被保険者期間が1年以上なら基本手当日額の50日分、1年未満なら30日分を一括で受け取ります。
6. 【もし60歳以降に給料が下がったら?】高年齢雇用継続給付は賃金の最大10%
60歳の定年後に再雇用で働き続けると、給料が下がることがあります。
「60歳で定年を迎え、同じ会社で再雇用されました。仕事は変わらないのに、給料が大きく下がってしまいました。」
結論をいえば、60歳時点の賃金の75%未満に下がっていれば、高年齢雇用継続給付を受け取れる場合があります。
6.1 60歳時点の75%未満に下がったとき
高年齢雇用継続給付の対象は、雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の人です。60歳以降の賃金が60歳時点の75%未満に下がった状態で働き続けると、原則として65歳に達する月まで支給されます。
賃金が60歳時点の64%以下に下がった場合は、各月の賃金の10%が支給されます。64%を超えて75%未満の場合は、下がった割合に応じて10%より少ない額になります。
6.2 月25万円に下がったら月2万5000円
たとえば、60歳時点の賃金月額が40万円で、再雇用後に月25万円(62.5%)になった場合は、25万円の10%にあたる月2万5000円が目安です。
なお、厚生労働省によると、60歳に達した日が2025年4月1日以降の人は、支給率の上限が10%です。2025年3月31日以前に60歳に達した人には、従来の15%が適用されます。
7. 【もし会社員の家族が亡くなったら?】健康保険の埋葬料は5万円
家族が亡くなったときは、葬儀の準備に追われ、受け取れるお金の手続きは後回しになりがちです。
「会社員だった夫が亡くなりました。夫の健康保険から何か受け取れるものはありますか?」
答えは、健康保険から埋葬料として5万円を受け取れます。
7.1 生計を維持されていた人に5万円
協会けんぽによると、被保険者が亡くなったときは、その人に生計を維持されていた人が申請すると、埋葬料として5万円が支給されます。健康保険の被扶養者である必要はありません。
被扶養者である家族が亡くなったときは、被保険者が申請して家族埋葬料5万円を受け取れます。
- 傷病手当金:標準報酬月額30万円で30日休んだ場合(待期3日を除き27日)、18万9円(1日6667円)
- 介護休業給付金:休業開始時賃金日額1万円で30日休んだ場合、20万1000円
- 高年齢雇用継続給付:60歳時点の賃金月額40万円が再雇用で月25万円(62.5%)になった場合、月2万5000円
8. まとめにかえて
住民税課税世帯でも、病気で休んだとき、家族の介護、出産や育児休業、退職、60歳以降の賃金の低下、家族の死亡といった場面では、健康保険や雇用保険から受け取れるお金があります。どれも住民税の課税・非課税を要件にしていません。
ただし、加入している保険や勤め先の制度によって、受け取れるかどうかや手続きの窓口が変わります。健康保険の給付は加入している健康保険(協会けんぽや健康保険組合)、雇用保険の給付はハローワークや勤め先の担当部署で確かめてみてください。
参考資料
- 全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」
- 全国健康保険協会「出産育児一時金」
- 全国健康保険協会「埋葬料・埋葬費」
- ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- 厚生労働省「育児休業制度特設サイト 育児休業」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
太田 彩子