6. 新NISAと課税口座を併用している家族が確定申告の前に確かめたいこと

NISA口座と特定口座などの課税口座を両方使っている場合、扶養の判定に影響するのは課税口座の側です。確定申告をする前に、次の2点を確かめます。

6.1 上場株式等の配当は、確定申告をすると合計所得金額に入る

国税庁の質疑応答事例では、確定申告を要しない配当所得は合計所得金額に含まれないとしたうえで、確定申告をすることを選んだものは除くとしています。課税口座で受け取った配当を確定申告すると、その分が合計所得金額に加わります。

扶養に入っている家族が配当の確定申告を考えるときは、申告後の合計所得金額が62万円以下に収まるかを先に見積もります。

6.2 源泉徴収ありの特定口座の売却益も、確定申告をすると合計所得金額に入る

源泉徴収選択口座(源泉徴収ありの特定口座)で上場株式等を売った所得は、確定申告をしないことを選べば合計所得金額に含まれません。確定申告をした場合は合計所得金額に入るので、損失との通算などのために申告するときも、家族の扶養の要件をあわせて確かめておきます。

7. 税の扶養と健康保険の扶養は別の基準で判定される

ここまでの合計所得金額62万円以下という要件は、所得税の扶養控除や配偶者控除のものです。会社員の配偶者などが健康保険の被扶養者になれるかどうかは、加入している健康保険が別の基準で判定します。

7.1 健康保険の被扶養者の基準は、加入先の健康保険で確かめる

税の扶養に入れるかどうかと、健康保険の被扶養者になれるかどうかは、同じ結果になるとは限りません。被扶養者の収入の基準や、どの収入を数えるかは、勤務先や加入している健康保険組合などの案内で確かめます。

7.2 年の途中で家族の収入が変わったら、年末までの見込みで考える

扶養控除や配偶者控除は、その年の12月31日の現況で判定します。パートの収入が増えた、課税口座で大きな売却益が出たといった変化があったときは、年末までの合計所得金額の見込みを出しておきます。

8. まとめ

国税庁の質疑応答事例によると、非課税とされている所得は合計所得金額に含まれません。新NISAの売却益や配当・分配金は非課税なので、扶養控除や配偶者控除の判定に使う家族の合計所得金額には入りません。

2026年分からの所得要件は合計所得金額62万円以下に引き上げられ、配偶者の収入が給与だけなら給与収入136万円以下が目安になります。課税口座の配当や売却益は確定申告をすると合計所得金額に入るので、申告の前に家族の所得をまとめて確かめておきましょう。

※本記事は制度を解説するもので、特定の金融商品の購入・売却を勧めるものではありません。個別の税額や扶養の判定は、税務署や勤務先などにご確認ください。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身で行ってください。

参考資料