5. 金融庁が注意を呼びかける、著名人をかたる投資勧誘の流れ

金融庁は、SNSやマッチングアプリで知り合った相手や、著名人を名乗る相手からの投資勧誘に注意を呼びかけています。同庁のページでは、主な手口が次のような流れで示されています。

5.1 著名人の名前や写真を使った偽の広告やアカウントから誘い出す

公式サイトなどの写真を無断で使い、本人になりすました広告やアカウントが作られることがあります。広告やURLを押すと、LINEのグループや詐欺サイトに誘導されます。個人のLINEやSMSに直接連絡が来ることもあります。

5.2 LINEのグループで銘柄を勧め、個人名義の口座への入金を指示する

グループの中では特定の銘柄を勧められ、口座の開設や入金を求められます。複数のアカウントが利益が出たように書き込み、儲かっているように見せることもあります。入金先として個人名義の口座を指示される例も示されています。

5.3 出金しようとすると手数料や税金の名目で追加の入金を求める

しばらく利益が出ているように見せたあと、高額の入金をした段階で連絡が取れなくなったり、出金のための手数料や税金の名目で追加の入金を求められたりします。

6. SNSで投資の勧誘を受けたときに確かめたい3つのこと

勧誘を受けた段階で立ち止まれるように、確かめたいことを3つに整理します。

6.1 金融庁の「金融事業者一括検索機能」で相手の登録を確かめる

金融庁は、取引の相手が金融商品取引業や暗号資産交換業の登録を受けているかを、同庁の「金融事業者一括検索機能」で確かめるよう呼びかけています。2026年1月に公開された機能で、業種をまたいで免許・許可・登録等を受けている事業者を検索できます。

6.2 振込先が個人名義の口座なら入金しない

警察庁の2026年上半期の資料では、SNS型投資詐欺の被害金の交付は振込型が4084件で、認知件数の69.3%を占めました。振込型のうち73.4%にあたる2996件は、インターネットバンキングを使った振込でした。

金融庁が示す手口でも、個人名義の口座への入金を指示される例が挙げられています。投資の代金として個人名義の口座を指定されたら、入金する前に手を止めます。

6.3 新NISAの商品は自分で開いた口座の中で買う

NISA口座は1人1口座で、証券会社や銀行などの金融機関で開きます。新NISAで投資信託などを買うときは、その金融機関のサイトや窓口で、自分の口座の中で手続きします。SNSで知り合った相手にお金を送って運用を任せる仕組みではありません。

7. SNS型投資詐欺かもしれないと感じたときの相談先

金融庁の金融サービス利用者相談室には「詐欺的な投資に関する相談ダイヤル」があり、電話番号は0570-050588(平日10時〜17時)です。ウェブサイトからの受付は24時間行っています。SNS上の投資詐欺が疑われる広告については、金融庁がインターネットで情報を受け付けています。

被害にあったかもしれないと感じたときは、最寄りの警察署や、警察相談専用電話「#9110」にも相談できます。

8. まとめ

警察庁の暫定値によると、SNS型投資詐欺の認知件数は2026年1〜8月で7097件、被害額は937.4億円で、前年同期の約1.5倍でした。上半期の資料では、認知件数の53.0%を50歳代と60歳代が占め、最初の接触はバナー等広告が39.5%で最も多くなっています。

新NISAで投資信託を買うときは、自分で開いたNISA口座の中で、コストや投資対象を確かめて選びます。SNSの広告やメッセージで投資を勧められたら、相手の登録や振込先を確かめ、迷ったときは相談窓口を使いましょう。

※本記事は制度や統計を解説するもので、特定の金融商品の購入・売却を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあり、最終的な投資判断はご自身で行ってください。

参考資料