2. 住民税非課税世帯が受けられる主な優遇措置

住民税非課税世帯になると、医療や介護の自己負担の上限が低く設定されるなど、全国共通の制度で負担が軽くなるしくみがあります。主なものを4つ紹介します。

2.1 医療費の上限が下がる高額療養費

1カ月の医療費の自己負担が上限を超えると、超えた分が戻ってくるのが高額療養費制度です。70歳以上の住民税非課税世帯の人は、上限が低く設定されています。2026年8月診療分からの上限は次のとおりです。

  • 住民税非課税世帯:外来(個人)月1万1000円、入院を含む世帯全体で月2万5700円
  • 住民税非課税世帯で所得が一定以下の人:外来(個人)月8000円、入院を含む世帯全体で月1万5700円

同じ70歳以上でも、課税されている一般の区分では外来が月2万2000円、世帯全体で月6万1500円です。非課税世帯になると、外来の上限は半分ほどになります。

2.2 入院中の食事代

入院中の食事代は、1食あたりの標準負担額が決まっています。全国健康保険協会(協会けんぽ)の案内では、住民税非課税世帯は一般の人より低い額です。

  • 一般の人:1食510円(2026年6月からは550円)
  • 住民税非課税世帯(入院90日まで):1食240円(同270円)
  • 住民税非課税世帯(過去1年の入院が90日超):1食190円(同220円)
  • 住民税非課税世帯で所得が一定以下の70歳以上の人:1食110円(同130円)

90日を超える入院でさらに低い額を受けるときなどは、加入している医療保険への申請が必要になることがあります。入院が決まったら、保険証の窓口で手続きを確かめておくと安心です。

2.3 介護サービスの上限を抑える高額介護サービス費

介護保険のサービスを使ったときの1カ月の自己負担にも、上限があります。厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、住民税非課税世帯の上限を次のように示しています。

  • 住民税非課税世帯:世帯で月2万4600円
  • そのうち、年金収入とその他の合計所得金額の合計が82万6500円以下の人:世帯で月2万4600円、本人は月1万5000円

課税世帯(課税所得380万円未満)の上限は世帯で月4万4400円なので、介護サービスを長く使う世帯ほど差が大きくなります。高額介護サービス費は市区町村への申請で支給されます。

2.4 年金に上乗せされる老齢年金生活者支援給付金

65歳以上で老齢基礎年金を受け取っている人のうち、世帯全員が住民税非課税で、前年の年金収入とその他の所得の合計が92万6500円以下の人は、年金生活者支援給付金を受け取れます。1956年(昭和31年)4月1日以前生まれの人は、92万4100円以下が基準です。

このうち所得の合計が82万6500円(同82万4100円)以下の人には老齢年金生活者支援給付金が、それを超える人には補足的老齢年金生活者支援給付金が支給されます。どちらも2026年10月分からの基準です。

老齢年金生活者支援給付金の額は保険料を納めた期間などによって決まり、40年間すべて納めた人で月5620円(2026年度)です。年金と同じく原則2カ月ごとに支給されますが、受け取るには請求書の提出が必要です。

一方で、優遇措置はどれも、非課税かどうかを前年の所得で判定します。収入が増えて課税世帯になると、翌年度から対象外になる点には注意が必要です。