協会けんぽの場合、介護保険料率は令和8年3月分(4月30日納付期限分)から1.62%になりました(令和7年3月分からは1.59%)。40歳になる月から、この率を含む保険料が、健康保険料とあわせて引かれ始めます。
2026年に40歳の誕生日を迎える人は、1986年(昭和61年)生まれの人です。40歳になると、介護保険の被保険者(第2号被保険者)になり、介護保険料の負担が始まります。始まる月は、誕生日の当日が属する月とは限りません。基準になるのは、誕生日の前日です。
協会けんぽの案内の考え方を、日付に置き換えてみます。2026年11月1日に40歳になる人は、前日の10月31日が第2号被保険者の資格取得日です。その日が属する10月分から、健康保険料とあわせて介護保険料がかかります。誕生日が1日の人は、前の月から始まります。
では、40歳になれば、介護サービスも使えるのでしょうか。介護保険法では、65歳以上は原因を問わず対象で、40歳から64歳は、要介護状態の原因が「特定疾病」である場合に限られます。特定疾病は、政令で定められた16の疾病です。
この記事では、厚生労働省、e-Gov法令検索(介護保険法・同法施行規則)、全国健康保険協会の公表資料(2026年10月時点)をもとに、40歳・65歳の境目と保険料の始まり、16疾病の中身、病名の一部だけが対象になる5つ、申請の流れ、自己負担を整理します。認定の可否は個別に判断されます。迷ったときは、市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センターに確認してください。
1. 介護保険は何歳から:40歳で加入、使えるのは原則65歳から
介護保険の被保険者は、介護保険法9条で2つに分かれています。1つは、市町村の区域内に住所がある65歳以上の人(第1号被保険者)です。もう1つは、住所がある40歳以上65歳未満の、医療保険に加入している人(第2号被保険者)です。
被保険者になることと、サービスを使えることは、別の話です。サービスを使うには、要介護認定または要支援認定を受ける必要があります。この認定を受けられる人(要介護者・要支援者)は、介護保険法7条3項・4項に定められています。
65歳以上の人は、要介護状態や要支援状態にあれば、原因を問わず対象です。40歳以上65歳未満の人は、その状態の原因である身体上または精神上の障害が、特定疾病によって生じたものである場合に限られます。つまり、40歳は「保険料を払い始める年齢」、65歳は「原因を問わず使える年齢」です。
40歳から64歳の人は、交通事故や、特定疾病ではない病気で要介護状態になっても、この制度では認定の対象になりません。ここが、「何歳から使えるのか」を調べる人が、いちばん見落としやすい点です。
2. 保険料は誕生日の前日が属する月から:40歳と65歳の境目を日付で見る
協会けんぽは、介護保険料が徴収される「満40歳に達したとき」を、40歳の誕生日の前日と説明しています。その日が属する月から、介護保険の第2号被保険者になり、保険料が徴収されます。
案内の例では、5月2日生まれの人が40歳になる場合、前日の5月1日が資格取得日です。5月分から、健康保険料とともに介護保険料が徴収されます。事業所に勤務する人は6月請求分、任意継続被保険者の人は5月請求分とされています。
5月1日生まれの人は、前日が4月30日のため、4月分から始まります。誕生日が1日の人は、1か月早く保険料が始まる点に、協会けんぽも注意を促しています。
この考え方を、1986年生まれの人に当てはめて、編集部で表にしました。2026年10月に40歳になる人から、2026年末に40歳になる直前の人までを並べています。
2.1 【1986年生まれの人の、介護保険料が始まる月】
前提条件:資格取得日は40歳の誕生日の前日。その日が属する月から徴収。編集部が協会けんぽの例を日付に当てはめた試算1/2
出所:全国健康保険協会「介護保険制度と介護保険料について」を基にLIMO編集部試算
10月生まれ・11月生まれ
- 1986年10月1日生まれ:誕生日は2026年10月1日、資格取得日は2026年9月30日で、2026年9月分から始まります。
- 1986年10月2日生まれ:誕生日は2026年10月2日、資格取得日は2026年10月1日で、2026年10月分から始まります。
- 1986年11月1日生まれ:誕生日は2026年11月1日、資格取得日は2026年10月31日で、2026年10月分から始まります。
12月生まれ・翌年1月1日生まれ
- 1986年12月1日生まれ:誕生日は2026年12月1日、資格取得日は2026年11月30日で、2026年11月分から始まります。
- 1987年1月1日生まれ:誕生日は2027年1月1日、資格取得日は2026年12月31日で、2026年12月分から始まります。
終わりの時期も、同じ考え方です。協会けんぽは、65歳の誕生日の前日が属する月から、第2号被保険者ではなくなり、介護保険料が徴収されなくなると説明しています。65歳以降は第1号被保険者になり、市区町村から介護保険料が徴収されます。
3. 【編集者の視点】
介護保険は、40歳になった瞬間に、まず保険料の話として始まります。サービスを使う話は、ずっと先に感じる人が多いはずです。ただ、40歳から64歳の人にも、特定疾病に当たれば、サービスを使える道が用意されています。保険料を払い始めた時点で、使える条件も知っておく意味があります。
表の日付は、協会けんぽの例を当てはめた編集部の試算です。国民健康保険の人は、市区町村が保険料を決めるため、始まる月や納め方が異なる場合があります。勤務先の健康保険組合や、住んでいる市区町村の窓口で、自分の場合を確認してください。
4. 40〜64歳が使える条件:16の特定疾病が、原因であること
介護保険法は、40歳以上65歳未満の要介護者を、「要介護状態の原因である身体上又は精神上の障害が、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病であって政令で定めるもの(特定疾病)によって生じたもの」と定めています。この政令が、介護保険法施行令2条です。
厚生労働省の「特定疾病の選定基準の考え方」によると、特定疾病は、心身の病的な加齢現象と医学的な関係があると考えられる疾病です。次の2つの要件を、どちらも満たすものについて、総合的に勘案して選ばれます。
1つ目は、65歳以上の高齢者に多く発生する一方、40歳以上65歳未満の年齢層でも発生が認められる等、加齢との関係が認められる疾病で、医学的な概念を明確に定義できることです。2つ目は、3か月から6か月以上、継続して要介護状態または要支援状態となる割合が高いと考えられることです。
範囲を明確にして、認定の運用をしやすくするため、特定疾病は、個別の疾病名を列記する形になっています。平成18年4月に、がん、関節リウマチ、パーキンソン病関連疾患、多系統萎縮症が追加や見直しをされたと、厚生労働省は示しています。
16疾病の名前だけでは、実際にどういう状態を指すのか、イメージしにくいものです。厚生労働省の主治医意見書の記入の手引きには、各疾病の症候・所見のポイントが整理されています。次の節から、体の部位ごとに3つに分けて、その内容を確認します。
5. 16疾病の中身①:脳・神経の疾病(認知症、パーキンソン病関連、脳血管疾患など)
脳や神経の疾病は、16疾病のうち、半数近くを占めます。「初老期における認知症」「進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病」「脳血管疾患」「筋萎縮性側索硬化症」「脊髄小脳変性症」「多系統萎縮症」の6つです。
初老期における認知症は、アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体病などを含みます。手引きによると、アルツハイマー病は記憶障害から始まり、意欲の低下や、時間の見当識障害がみられます。血管性認知症は、判断力が比較的保たれる点が特徴とされています。レビー小体病は、リアルな幻視が特徴です。
認知症と診断されただけでは、介護保険サービスは使えません。要介護認定という、別の申請が必要です。この点は、認知症と診断されれば自動的に介護保険サービスが使える?実際は要介護認定という別の申請が必要。40〜64歳でも対象になる特定疾病の条件を解説 認知症の重さと要介護度は必ずしも一致しない仕組みや、40〜64歳でも対象になる特定疾病の条件も編集部がわかりやすく整理で扱っています。
進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病の3つは、パーキンソン症状が共通しています。筋肉のこわばり、ふるえ、動作の緩慢、姿勢反射の障害などです。進行性核上性麻痺では頚部が反り、下方を見にくい症状があります。大脳皮質基底核変性症では、手が思うように使えない症状が同時にみられます。
脳血管疾患は、脳出血や脳梗塞などです。手引きは、高次脳機能障害(言語・思考・記憶・行為・学習・注意の障害)は、外見から分かりにくいため、注意が必要としています。
筋萎縮性側索硬化症は、筋萎縮と筋力低下が目立つ一方、感覚障害や褥瘡は、原則として末期まで認めません。脊髄小脳変性症は、歩行のふらつきから始まり、ゆっくり進みます。多系統萎縮症は、自律神経症状、パーキンソン症状、小脳症状を、さまざまな程度に組み合わせて示す疾患で、他の疾患に比べて、やや進行が早い傾向があると説明されています。
6. 16疾病の中身②:運動器の疾病(関節リウマチ、骨粗鬆症、脊柱管狭窄症など)
体を動かす器官の疾病は、「関節リウマチ」「後縦靱帯骨化症」「骨折を伴う骨粗鬆症」「脊柱管狭窄症」「両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症」の5つです。
関節リウマチは、指の小関節から股・膝の大関節まで、あらゆる関節に炎症が起こります。とくに未明から早朝に、痛みとこわばりが強くなると、手引きは説明しています。筋や腱にも影響して、筋力の低下や動作の緩慢が目立つようになります。
後縦靱帯骨化症は、靱帯の骨化が頚椎に最も多く、頚髄が圧迫されると、手足のしびれ、運動障害、痙性の四肢麻痺が出ます。胸髄が圧迫されると、上肢は異常がなく、下肢の痙性対麻痺になります。
骨折を伴う骨粗鬆症では、脊椎圧迫骨折や、大腿骨の頚部・転子部の骨折が挙げられています。脊椎圧迫骨折は、軽微な外傷後や、きっかけなしに急な腰痛を生じ、寝たきりになることが多いとされています。
脊柱管狭窄症は、腰部では、腰痛、下肢痛、間欠性跛行(歩くと痛みやしびれが出て、休むと楽になる状態)が主な症状です。頚部では、両側の手足のしびれで発症するものが多いとされています。変形性関節症は、初期は歩き始めの痛みだけですが、荷重時の痛みが増え、関節の可動域が制限されていきます。
7. 16疾病の中身③:全身・内臓・血管の疾病(がん、糖尿病の合併症、COPDなど)
残りの5つは、「がん(末期)」「糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症」「閉塞性動脈硬化症」「慢性閉塞性肺疾患」「早老症」です。
慢性閉塞性肺疾患には、肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息、びまん性汎細気管支炎が含まれます。肺気腫は、ほとんどが喫煙者で、体を動かしたときの呼吸困難が特徴です。ただし、ある程度病変が進んでから現れると、手引きは述べています。
閉塞性動脈硬化症は、下肢の冷感、しびれ、安静時の痛み、壊死の有無を、問診や視診、触診で確認します。早老症は、ウェルナー症候群などを指し、若年者で老人性の顔貌、白髪、毛髪の脱落などが現れます。
糖尿病性網膜症は、視力低下が主な症状ですが、末期まで視力が保たれることがあり、自覚症状に頼ると手遅れになりやすいと説明されています。糖尿病性腎症は、糖尿病の罹病期間が長く、蛋白尿が出ます。糖尿病性神経障害は、下肢のしびれや痛みが目立ちます。
8. 病名の一部だけが対象になる5つ:条文の限定句を読む
16疾病は、病名がそのまま対象になるわけではありません。条文に、限定する言葉が付いているものがあります。ここを読み違えると、「自分の病気は16の中に入っているはずなのに、認定されない」という事態になりえます。
代表的な、がん、骨粗鬆症、糖尿病、変形性関節症、認知症の5つを、条文の書きぶりと、対象にならない例とあわせて、編集部で整理しました。対象にならない例は、条文の限定句から読み取れる範囲の編集部の整理で、個別の認定判断を示すものではありません。
8.1 【病名の一部だけが対象になる5つの特定疾病】
前提条件:介護保険法施行令2条の列記と、厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」・主治医意見書記入の手引き。対象外の例は条文の限定句から読み取れる範囲の編集部の整理2/2
出所:厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」、同「主治医意見書記入の手引き」を基にLIMO編集部作成
がん・骨粗鬆症・糖尿病
- がん(末期):対象は、医師が回復の見込みがない状態に至ったと判断したものです。治癒を目的とした治療が続く段階は、条文から読める対象外の例です。
- 骨粗鬆症:対象は、骨折を伴うものです。骨折がない骨粗鬆症は、対象外の例です。
- 糖尿病:対象は、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症です。これらの合併症に当たらない糖尿病は、対象外の例です。
変形性関節症・認知症
- 変形性関節症:対象は、両側の膝関節または股関節に著しい変形を伴うものです。片側だけの変形や他の関節は、対象外の例です。
- 認知症:対象は、初老期における認知症です。65歳以降の発症は、第1号被保険者として認定されます。
がんについては、診断基準も、治癒を目的とした治療に反応せず、進行性かつ治癒が困難な状態にあるものとしています。手引きは、ここでいう治癒困難な状態を、概ね6か月間程度で死が訪れると判断される場合と説明しています。抗がん剤で治療中でも、症状の緩和などが目的で、直接治癒を目的としていない治療であれば、治癒困難な状態にあるものとしています。
9. 【編集者の視点】
がんや糖尿病など、身近な病名が並ぶため、「自分や家族の病気は対象になるのでは」と考える方は多いと思います。まず確認したいのは、病名ではなく、その病名がどの範囲を指しているかです。限定句に当てはまるかどうかは、主治医の診断と、認定審査会の判断で決まります。
表の「対象外の例」は、条文から読み取れる範囲の整理です。実際の認定は、個別の状態で判断されるため、この表だけで「対象になる」「ならない」と決めることはできません。気になるときは、主治医や、市区町村の介護保険窓口に、早めに相談してください。
家族の介護が始まってから調べるのではなく、元気なうちに、40歳から64歳でも使える制度があることと、その条件の概要を知っておく。そのくらいの距離感が、ちょうどよいと考えています。
10. 申請の流れ:市町村窓口、申請書に特定疾病の名称、主治医の意見
要介護認定を受けるには、被保険者が、申請書に被保険者証を添えて、市町村に申請します(介護保険法27条)。本人のほか、地域包括支援センターや、一定の要件を満たす指定居宅介護支援事業者、介護保険施設が、手続を代わって行うこともできます。
40歳から64歳の第2号被保険者の場合、申請書には、要介護状態の原因である特定疾病の名称を書きます(同法施行規則35条)。市町村は、申請した人が医療保険の加入者であることも確認します。被保険者証が交付されていない第2号被保険者は、被保険者証を添付する必要がありません。
申請を受けた市町村は、面接による調査をして、主治医に意見を求めます(法27条2項・3項)。主治医の意見書は、第2号被保険者については、生活機能が低下した直接の原因が、特定疾病に当たるかどうかを確認するために使われます。診断の根拠も、意見書に書かれます。
その後、介護認定審査会が、第2号被保険者について、要介護状態に当たること、その区分、そしてその原因が特定疾病によって生じたものであることを審査して判定します(法27条4項・5項)。結果は、市町村から本人に通知されます。
特定疾病に当たると確認されたあとは、介護の必要度について、65歳以上の人と同様に審査と判定が行われると、厚生労働省の手引きは説明しています。特定疾病の確認が、入口の関門になる仕組みです。
11. 自己負担は1割:2割・3割は第1号被保険者だけ、保険料は標準報酬月額の1.62%
40歳から64歳の第2号被保険者が、介護保険のサービスを使った場合、自己負担は1割です。介護保険法49条の2は、2割や3割の負担になるのを、「第一号被保険者であって、所得の額が政令で定める額以上である要介護被保険者」に限っています。
65歳以上の人は、所得によって2割・3割になる場合があります。毎年7月に前年の所得で判定し直される仕組みは、介護保険の自己負担割合は一度決まったら変わらない?毎年7月に前年の所得で判定し直される仕組みを、2割・3割になる所得基準とあわせて詳しく解説で扱っています。
保険料は、協会けんぽの場合、令和8年3月分(4月30日納付期限分)から、一般被保険者の介護保険料率が1.62%です。健康保険料とあわせて、標準報酬月額に、この介護保険料率をかけた額が、介護保険料になります。会社員は、労使折半です。
標準報酬月額が20万円なら、介護保険料は3240円です。30万円なら4860円、40万円なら6480円です。本人負担は、その半分の、1620円、2430円、3240円になります。
11.1 【協会けんぽの介護保険料(令和8年度・一般被保険者)の目安】
標準報酬月額が20万円・30万円
- 標準報酬月額20万円:介護保険料は全体で3240円、本人負担は折半で1620円です。
- 標準報酬月額30万円:介護保険料は全体で4860円、本人負担は折半で2430円です。
標準報酬月額が40万円
- 標準報酬月額40万円:介護保険料は全体で6480円、本人負担は折半で3240円です。
この表は、協会けんぽに加入している一般被保険者の場合です。健康保険組合は、組合ごとに料率が違います。国民健康保険に加入している人は、市区町村ごとに計算の方法が異なります。賞与からも、別に保険料が引かれる点には、注意が必要です。
12. 65歳になったら:特定疾病の条件が外れ、保険料の納め先も変わる
65歳の誕生日の前日が属する月から、第2号被保険者ではなくなり、第1号被保険者になります。要介護状態や要支援状態になれば、特定疾病かどうかを問われず、認定を受けられます。
保険料は、勤務先の健康保険を通じた徴収から、市区町村が決める介護保険料に切り替わります。協会けんぽの案内では、健康保険に加入中であれば、65歳以降も健康保険料自体は、引き続き徴収されます。
介護保険制度そのものの被保険者区分や、財源の仕組みは、介護保険制度とは?65歳以上・40〜64歳の被保険者区分と、財源の半分が公費という仕組みまで、公的資料にもとづき編集部がわかりやすく解説で扱っています。
※本記事は、編集部が厚生労働省が公表する公式の最新一次資料を直接確認の上、執筆・検証しています。
13. まとめ
- 介護保険は、40歳から保険料の負担が始まり、サービスを使えるのは、原則65歳からです。
- 保険料が始まる月は、誕生日の前日が属する月です。11月1日生まれの人は、前日の10月31日が基準なので、10月分から始まります。
- 40歳から64歳が使えるのは、要介護状態の原因が、16の特定疾病によって生じたものである場合に限られます。
- 特定疾病のうち、がん(回復の見込みがない状態)、骨折を伴う骨粗鬆症、糖尿病の3つの合併症、両側の膝関節・股関節の変形性関節症、初老期の認知症は、病名の一部だけが対象です。
- 申請は市町村に行い、申請書に特定疾病の名称を書きます。第2号被保険者の自己負担は、2割・3割がなく1割です。
「介護保険は何歳から使えるのか」の答えは、年齢だけでは決まりません。40歳から64歳は、年齢と病気の両方が条件で、65歳からは年齢が条件です。条文の書きぶりを読むと、その違いと、病名の限定句が見えてきます。
認定の可否や、特定疾病に当たるかどうかは、個別の状態で判断されます。気になる症状がある場合は、主治医や、市区町村の介護保険担当窓口、地域包括支援センターに相談してください。
14. よくある質問
14.1 Q. 介護保険は、何歳から使えますか?
A. 原則65歳からです。40歳から64歳でも、要介護状態の原因が16の特定疾病によって生じたものであれば、要介護認定を受けて使えます。40歳になると、保険料の負担は始まります。
14.2 Q. 介護保険料は、何歳から払いますか?
A. 40歳の誕生日の前日が属する月から、第2号被保険者として、保険料の負担が始まります。誕生日が1日の人は、前の月からです。65歳の誕生日の前日が属する月からは、市区町村が決める保険料になります。
14.3 Q. 特定疾病とは、何ですか?
A. 介護保険法施行令2条に列記された16の疾病です。心身の加齢による変化に起因する疾病で、65歳以上に多く、40歳以上65歳未満でも発生が認められるなど、一定の要件を満たすものが選ばれています。
14.4 Q. 特定疾病に、がんは含まれますか?
A. 含まれますが、医師が一般に認められている医学的知見に基づき、回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限られます。がんと診断されただけでは、特定疾病に当たらない場合があります。
14.5 Q. 交通事故が原因の場合は、使えますか?
A. 40歳から64歳の場合、要介護状態の原因が特定疾病でなければ、認定の対象になりません。65歳以上なら、原因を問わず、要介護状態や要支援状態にあれば認定を受けられます。
14.6 Q. 介護保険の申請は、誰ができますか?
A. 本人が、市町村に申請します。地域包括支援センターや、一定の要件を満たす指定居宅介護支援事業者、介護保険施設などが、手続を代わって行うこともできます。
14.7 Q. 40歳から64歳の自己負担は、何割ですか?
A. 1割です。2割や3割の負担は、第1号被保険者(65歳以上)で、所得が一定以上の人に限られます。介護保険法49条の2に定められています。
14.8 Q. 協会けんぽの介護保険料は、いくらですか?
A. 令和8年3月分から、一般被保険者の介護保険料率は1.62%です。標準報酬月額30万円なら全体で4860円、労使折半で本人負担は2430円という編集部の試算です。健康保険組合や国民健康保険は、別の計算です。
参考資料
- 厚生労働省「特定疾病の選定基準の考え方」
- 厚生労働省「要介護認定における「認定調査票記入の手引き」、「主治医意見書記入の手引き」及び「特定疾病にかかる診断基準」について」(平成21年9月30日老老発第930002号)
- e-Gov法令検索「介護保険法」
- e-Gov法令検索「介護保険法施行規則」
- 全国健康保険協会「介護保険制度と介護保険料について」
- 全国健康保険協会「協会けんぽの介護保険料率について」
齊藤 慧
